ビートウォッシュ
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ビートウォッシュ(BEAT WASH)は、日立製作所のグループ会社である日立ホーム&ライフソリューションが2004年に開発し、現在は日立グローバルライフソリューションズから発売されている洗濯乾燥機・全自動洗濯機のブランドネームである。

縦置きの水流攪拌式とも横置きのドラム式とも異なる、縦置きで羽根による叩き洗いが特徴である。
概要

節水しながら洗浄力を維持するという課題のなかで、多くの洗濯機は洗剤濃縮による洗浄を行ってきたが、日立はこの機種で節水・洗浄力向上、さらに乾燥時間短縮に取り組んだ。当初は洗濯乾燥機として展開していたが、2006年モデルからは風を取り込む「エアジェット乾燥」による送風乾燥機能が付いた全自動洗濯機も発売されている。2022年2月時点で国内累計出荷台数が1,000万台を突破している[1]

2010年7月から、日立アプライアンス(現・日立グローバルライフソリューションズ)が扱う白物家電全般にを起用することになった為、2010年モデルの「ビートウォッシュ」のCMにはメンバーの一人である相葉雅紀が出演し、2011年モデル以降は大野智も出演していた。2015年モデルでは4年ぶりにTVCMが改訂となり、新たに松本潤が起用されていた。2022年6月より日立グローバルライフソリューションズが扱う家電品全般のイメージキャラクターに芦田愛菜が起用されることとなり[2]、新たな洗濯機(ドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」と共通)のTVCMも制作された[3]
設計

これまでの小刻みなパルセーターから、大きく波打ったパルセーターにした。通称「ビートウィング」と呼ばれ、このビートウィングにより、洗濯時に、高速回転したビートウィングによって洗濯物がたたきつけられ、洗濯物が回転しながら上下の洗濯物と交互に入れ替わることで、節水しながら全体の洗濯物の汚れをきれいに落とすことが「可能」となった。そして、乾燥時には同様に洗濯物が入れ替わることで、乾燥時間を大幅に短縮することが「可能」となった。この「ビートウィング」は洗濯乾燥機の9kgタイプは2006年モデルから、洗濯乾燥機の8kgタイプと洗濯機は2007年モデルから「ミニウィング」と呼ばれる小さなウィングが入り「ダブルビートウィング」とした。また、2009年モデルからは新たに洗濯板効果(衣類をスライドさせる動き)を生み出す「ビートボール」が加わり、「トリプルビートウィング」に進化。2012年モデルからは羽根の形状をS字に変更した「S字ビートウィング」となったことで、上下方向が中心だった衣類の動きに内外方向が加わり、洗いムラを低減。2014年モデルでは羽根の形状をX字に変更した「ビートウィングX」に進化したことで衣類の内外方向と上下方向の動きが向上され、更なる洗いムラの低減を実現した。2020年モデルの「風アイロン」コース搭載機種(DKX系)において、ビートウィングに新たに設けたくぼみで吹きつけられた高速風を上向きに変え、衣類の下からも風を当てて仕上げるようになった。2022年モデルの全自動洗濯機(BW-X120H)ではビートウィングの形状を一新し、表面に衣類を入れ替える「ビートスロープ」、裏面中央に配した「センターウィング」によってパルセーター回転時に発生する遠心力で循環水が外側に寄せられると同時に中央の穴から循環水を引き込む「スピード浸透水流」を発生する「ビートウィングプラス」を搭載した。

また、洗濯乾燥機の最上位モデル(9kg・10kg・11kg・12kg)は洗濯槽を広く浅くしている為、両手を広げても底まで届いて取り出すことも可能。投入口は約43cm(BW-D9JV以降に発売された最上位モデル)である。
湯効利用(ゆうこうりよう)

2006年7月に、これまでの洗濯機の常識を打ち破る機種(BW-D9GV)が発売された。

これまでの洗濯機は、洗濯時(洗剤洗浄)にのみ風呂水が使用でき、その他の機能では使用できなかった。しかし、世界初の「洗乾お湯取りポンプ」を搭載した「湯サイクルエンジン」により、洗濯時・すすぎ開始時・乾燥時に風呂水(すすぎ完了時には水道水)を用いることで、使用する水道水はわずか39?に削減でき、大幅の節水を実現した。2007年モデル(BW-D9HV)ではさらに性能を上げ、使用する水道水は25?となった。また、乾燥のみでも風呂水を使えるようになり、乾燥行程における水道水をゼロ(乾燥のみの場合、お湯取りポンプの呼び水に使用する350mlのみ)とした。2008年モデル(BW-D9JV)ではすすぎ行程が見直されたことで、使用する水道水がバケツ約1杯分(15L)になり、更なる節水を実現した。

なお、この「湯効利用」は2007年モデルから洗濯乾燥8kgタイプにも拡大採用され、当社のドラム式洗濯乾燥機「ビッグドラム」にも発売当初より採用されていたが、「ビートウォッシュ」では2010年モデルが最後の採用機種となり、2011年モデル以降は非搭載となった。
機種一覧
2004年モデル

「節水ビート洗浄」を採用した第3世代洗濯機として発売開始。薄型高効率熱交換ユニットも搭載されており、除湿効率を向上したことで4.5kgを洗濯から乾燥まで約140分のスピード仕上げを実現。また、洗濯槽の容積を80Lに拡大したことで乾燥容量7kgを実現。操作パネルをフタ上面に配置した関係で透明窓は設けられていなかった。カラーはブライトシルバーとシャインブルーの2色展開であった。

BW-DV8E(2004年6月発売 洗濯容量:8kg/乾燥容量:7kg)

2005年モデル

初のモデルチェンジが行われ、既存の「ビート洗浄」を進化させ、温風で衣類を温めて高濃度洗剤液の酵素を活性化させる「節水ホットビート洗浄」となって、プレミアムタイプの位置づけに。また、ラインナップを拡大し、「ビートウィング」の裏羽根でポンプアップして循環させる節水循環水流方式の「ホットビート洗浄」を採用し、「ほぐし脱水」を搭載したボディ幅56cmのスリムタイプ2機種を加えて3機種に拡大。プレミアムタイプ・スリムタイプ共に先に発表された「パワー浸透洗浄 洗乾 白い約束(NW-D7FX/D8FX)」に家庭用洗濯乾燥機で初めて搭載した「ナノチタン消臭乾燥フィルター」や花粉を除去できるコースを「ビートウォッシュ」にも搭載した。カラーは全機種ピュアホワイトのみの1色展開となった。

BW-D7FV(2005年7月発売 洗濯容量:7kg/乾燥容量:4kg(たっぷりコース時5kg))

BW-D8FV(2005年7月発売 洗濯容量:8kg/乾燥容量:4.5kg(たっぷりコース時6kg))

BW-DV9F(2005年8月発売 洗濯容量:9kg/乾燥容量:7kg)

2006年モデル

3代目はラインナップが9kgタイプと8kgタイプの2機種となり、9kgタイプは「ビートウォッシュ 湯効利用(ゆうこうりよう)」に名称変更。「ダブルビートウィング」を採用したほか、約10ナノメートルの界面活性剤の集合体分子(ミセル)を高濃度化した活性化洗剤液を循環させながら広角散布する「ナノミセルシャワー」を新たに搭載。また、本体上部のプラスチック部に傷がつきにくいUVコーティングを施し、操作パネルをフタの右側に移したことで内ふたに耐熱強化ガラス製の透明窓を新たに設け、運転中の動作が確認できるようになった。8kgタイプは既搭載の「ホットビート洗浄」に冬季の低温時に運転時間を延ばすことで洗浄力の低下を防ぐ「温度センサー制御」を新たに搭載。また、洗濯乾燥機の全機種には、乾燥フィルターにナノチタン触媒亜鉛を組み合わせることで酢酸系のニオイまで対応した「スーパーナノチタン消臭フィルター」を採用し、温風をかけながら、羽根の回転は行わず、洗濯槽をゆっくり回すことでスーツ・学生服・ぬいぐるみなどを水で洗わずに除菌消臭する「除菌消臭コース」を搭載した。さらに、温度センサー制御搭載の「ビート洗浄」、「節水循環水流」、「ナノチタン消臭アレルオフフィルター」搭載の「エアジェット乾燥」を備えた全自動洗濯機が新たにラインナップされた。

カラーバリエーションは洗濯乾燥機の9kgタイプはプラチナ、ガーネット、シャンパンの3色展開に刷新され、洗濯乾燥機の8kgタイプはブルーとゴールドの2色展開となった。全自動洗濯機は7kgタイプ・8kgタイプ共にブルーとピンクの2色展開である。

洗濯乾燥機

BW-D8GV(2006年7月発売 洗濯容量:8kg/乾燥容量:4.5kg(たっぷりコース時6kg))


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