ビーダマン
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ビーダマンは、ビー玉を発射する二頭身の人形玩具。開発・発売はタカラ(現:タカラトミー)。運営はJBA(All-Japan B-daman Association)。
概要

腹部または頭部の穴、もしくはマガジンにビー玉を嵌め込み、背部にあるトリガーやサイドの持ち手でビー玉を押し、主に腹部、口部、腕部、頭部などの穴にあるホールドパーツとの反発力によってビー玉を発射する人形型の玩具。その外観、競技、技術、機構などを楽しむ。ビー玉以外にも、スーパーボール、プラスチック球、ピンポン球、鉄球、BB弾、ギミック入りの特殊な球などを発射するものもある。

最初のものは1993年発売。ハドソンのゲーム『ボンバーマン』のキャラクターを使用した商品として開発され、後に『スーパードンキーコング』、『ミュータント・タートルズ』、『ゴジラvsスペースゴジラ』、『魔法陣グルグル』、『ツインビー』などのキャラクター商品も登場した。2002年には『筋肉番付』のイメージキャラクター金剛くんを、2004年には『ロックマンエグゼ』をビーダマン化している。2007年から2010年までは商品展開を休止していた。2010年には『ペンギンの問題』の木下ベッカムをビーダマン化している。

前述の通り、当初はボンバーマンの玩具として企画が進められていたが、当時ハドソンでボンバーマンシリーズの主要開発スタッフであった藤原茂樹の「ただのキャラクター玩具では面白くないので、親の知っている遊び(ビー玉やベーゴマ)を今の技術で企画開発してはどうか」という提案を受けて開発された[1]
シリーズ一覧
スーパーボンバーマン (1993 - 1995)

すべてのビーダマンの中で最初のシリーズで、後述の爆外伝シリーズと競技用ビーダマンシリーズ双方の基礎となった。人形玩具としての側面が強く、装着型のヨロイや搭乗型アーマーが登場するようになり、その人気から爆外伝シリーズへ移行した。その後の爆外伝シリーズやバトルビーダマンシリーズに受け継がれるヒットポイント機構は、このシリーズのボンバーアーマーで「ナキドコロン」として初めて登場した。またボンバーアーマーは連射機構の始祖でもある。パッケージや説明書に「作戦」と呼ばれる競技が毎回掲載されており、この方向に特化していったのが競技用ビーダマンシリーズである。この「作戦」はこれ以降の爆外伝および競技用ビーダマンでも、『爆外伝III』の時期まで並行して掲載が続く。
ボンバーマンビーダマン爆外伝シリーズ (1995 - 1999)

物語性を重視したシリーズ。ビーダマンは意思を持つ生命体、もしくはボンバーマンが搭乗するアーマーと呼ばれる乗り物である場合が多い。シリーズ途中から競技用とされたスーパービーダマンシリーズが平行して販売され始めたため、ヒットポイントなどの競技向けの機構や「作戦」の掲載は残しながらも、ビー玉の発射能力よりもディティールや変形・合体機構などを重視した人形・ロボット玩具としての傾向が強くなっていった。ストーリーは商品の説明書やパッケージに挿絵と文章で掲載されていたが、後期になるとアニメや漫画とのメディアミックスも行われた。
ビーダマンボンバーマン爆外伝
1995年8月発売。スーパーボンバーマンシリーズでは説明書やパッケージにはスペック設定などが記載される程度だったが、このシリーズから物語が掲載されるようになった。それが(『ボンバーマン』の正史から見ての)「爆外伝」である。そのため物語はテレビゲームのボンバーマンシリーズとリンクがある。主力商品は引き続きヨロイや搭乗型のアーマーで、双方にタカラの持つ技術を活かした変形・合体をこなすものが登場した。この時期に販売されたトレーディングカードではあかボンは女の子と設定されているなど、各キャラクターに性格付けを行っている。
ボンバーマン爆外伝II
1996年発売。物語は前作の続編。同時期発売のスーパーファミコン用ソフト『スーパーボンバーマン4』とのメディアミックスが行われた。キャラクターの属性に合わせた色のビーダマが付属する商品が存在する。本シリーズから漫画とのメディアミックスが始まったが、物語や性格付けが異なる点が多い。漫画版では「勇者降臨編」とされている。各キャラクターには独自の性格が設定されている。
ボンバーマンビーダマン爆外伝III
1997年発売。『II』まで続いてきたゲームのボンバーマンシリーズとのリンクがなくなり、うって変わって宇宙劇風な世界観になった。BB弾を発射する小型のビービーダマンが主人公で、ビー玉を撃ちだすのは乗り物の「ボンバーファイター」である[2]。全ての機体はビービーダマンをコクピットに乗り込ませて遊ぶことができ、メイン商品となる「ボンバーファイター」は追加パーツの換装や「ボンバーアタッカー」二種など一部の機体との連携を楽しむことができる。ビービーダマンのセットや、ビーダマンを使ったスゴロク形式のボードゲームなども発売された。アニメ『Bビーダマン爆外伝』の1話と2話は本作品をアニメ化したものであり、アニメ版においては「伝説編」(フィルムコミックなど一部媒体では「プラネットエンブレム編」)と呼ばれる。また、漫画版では「伝説の紋章編」とされていた。本作品ではくろボンが敵側のキャラクターとして登場している。アニメ版と漫画版では、きいろボンの性格や紋章およびそれを継承するキャラクターの数、オリジナルの機体など数々の相違点がある。また、いずれも説明書に記載の正式なストーリーとも展開や設定が異なる。
Bビーダマン爆外伝(爆外伝IV)
詳細は「Bビーダマン爆外伝」を参照1998年発売。『爆外伝III』から1000年後の世界が舞台となっている。今作もビー玉を撃ち出す玩具はロボット(ビーダアーマー)であり[3]、アニメに登場するビーダマンをデザインしたビービーダマンを搭乗させることができる。コックピットが露出した移動形態「ライドモード」から、球状のコクピットを180度回転させ各部を変形することにより顔が現れ、戦闘形態「アーマーモード」に変形する機体が主流。敵側の機体を中心に、鉄球「メタルビーダマ」が付属する商品が存在した。発射機構部分が組み立て済みの製品が多かった今までのシリーズとは異なり、プラスチックモデル中心の商品構成になり[4]、「プラクション」で培われた技術が活かされている(フレアードラゴンはプラクション「パロD英雄伝」の「神聖ドラゴン」の金型流用製品であった)。今作はアニメ化されたこともあり、パッケージや説明書にストーリーが掲載されることはなくなった(機体のスペックなどは引き続き掲載されている)。また、ビーダマンは『01 しろボンバーマン』から『160 スマッシュフェニックス』まで、通し番号はシリーズの区別なく統一されていたが、『爆外伝IV』は独自の番号が1から振られている。
Bビーダマン爆外伝V(ビクトリー)
詳細は「Bビーダマン爆外伝V」を参照1999年発売。競技性重視のスーパービーダマンとは違った、サポートメカとの合体やロボット同士の合体など、物語性重視の商品ならではの機構がさらに発達している。ロボットに搭乗するのはビービーダマンではなく、発射能力のないひとまわり大きな人形に変更。ライドモードから、人形がロボットの頭部に変形してボディに合体(ヘッドオン)することでアーマーモードとなる。ビーダマの発射装置(ビーダユニット)をロボット本体から分離することが可能であり、同シリーズのロボット同士でビーダユニットを交換して遊ぶことができる。劇中には『爆外伝IV』と同じ容姿のキャラクターが多数登場するが、その役割や設定は一新されており『爆外伝IV』とストーリー上のつながりはない(ただし、漫画版とアニメ版放送終了後に発売されたゲーム『ファイナルメガチューン』で『爆外伝IV』のストーリーのことを語っており、同作からさらに未来の世界となったストーリーといえる)。
スーパービーダマンシリーズ(1995 - 2001)

物語性重視の爆外伝シリーズと比べると、ビー玉発射能力などの競技性がより重視されているシリーズ。爆外伝シリーズと異なり、ビーダマンは人間の操る競技用の道具である場合が多い。後述のOS?PIにかけてはホビー玩具最盛期[5]でもあり、ミニ四駆ハイパーヨーヨーと並んでホビーブームの一翼を担ったとされる。公式競技では威力や連発速度などの、効率と合理性が重要になる場合が多く、人に向けて撃たないことを大前提に独自の改造が認められていた。それ以外に具体的な規則は無く、ルールも各大会によって大きく変化していたため、構成の変更や改造を施して最強の機体を造るというところに重点が置かれていた。『月刊コロコロコミック』においても毎月改造事例が紹介されていたが、中には製品に手を加えずとも、軽い補助を付けるだけでガラス瓶程度なら粉砕する威力になる危険な個体も存在する。改造例も、2000年代のホビー玩具のような「パーツ換装・カスタマイズ」といったものでなく、機体を切断し継ぎ接ぎするような、文字通りの「改造」であった。また、使用者の握力に直接比例して威力が上昇する(いわゆる締め撃ち)機構が多く存在することもこのシリーズの特徴である(後のシリーズでは、構造上締め撃ちが不可能であったり、可能であってもリミッターのようなものが付加されている場合が多い)。

1995年11月発売。外観は従来のボンバーマン型ビーダマンと変わらないが、「コンバートシステム」が採用され各部のパーツが容易に分解・交換ができるようになった。『爆外伝』ではアーマーにのみ搭載されていた連射機能がビーダマン単体に搭載され、各種パーツの装着で機能の強化が図れるようになり、競技性能が大幅に向上。発売からやや遅れて、漫画の連載も開始される。

一部の商品は、爆外伝シリーズのヨロイが装着できるほか、爆外伝シリーズのアーマーと組み合わせて遊ぶこともできる。また、競技性を持ちながら見栄え重視の組み換えも可能なヨロイ状のパーツも発売された。商品番号も爆外伝シリーズと共通である[6]ほか、「作戦」(ビーダマンの競技ルールを指す)もPIシリーズまではスーパービーダマンと爆外伝の両方に掲載されているなど、このころはスーパービーダマンと爆外伝は完全には分離されていなかった。
OSギア
1996年12月発売。ビーダマンの本体にOS(オーバーシェル)ギアという強化外骨格を装着させることによって、さらなる機能強化が可能となった。このシリーズ以降、ボンバーマン型ではなく、メーカーおよび『爆球連発!!スーパービーダマン』の原作者今賀俊によるオリジナルデザインのビーダマンが主流となるが、OSシリーズではまだボンバーマン型との互換性は残っていた。スーパーボンバーマンシリーズの機体は基本的に同一の構造であり、追加パーツでカスタマイズを行うのが主流だったが、OSギア専用に開発されたOSビーダマンでは、独特の発射システムを持った機体も多く輩出された。
PIビーダマン
1998年3月発売。PIはプラグインの略。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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