この項目では、米国のビルボード社について説明しています。日本版については「Billboard JAPAN」を、一般名詞としてのビルボードについては「看板」を、3次元コンピュータグラフィックスのビルボードについては「スプライト (映像技術)」をご覧ください。
「ビルボードランキング」はこの項目へ転送されています。米国のシングルチャートについては「Billboard Hot 100」を、日本版については「Billboard Japan Hot 100」を、カナダ版については「Canadian Hot 100」をご覧ください。
ビルボードのロゴ
ビルボード (英: Billboard) は、米国の芸能メディアのブランド。音楽業界誌『ビルボード』を出版し、世界的にも知名度の高い米国の音楽チャートであるBillboard Hot 100、Billboard 200などポピュラー音楽のヒットチャート(ランキング)を発表するほか、イベントの主催、テレビ番組の制作などを行なう。
オランダの複合企業、ニールセン・カンパニー
(英語版)傘下であったが、2009年に売却され、プロメテウス・グローバルメディア(英語版)傘下になり、2018年現在、エルドリッジ・インダストリーズ(英語版)の傘下になる。かつては『キャッシュボックス』(1942年創刊・1996年廃刊)、『レコード・ワールド(英語版)』(1964年創刊・1982年廃刊)、『ラジオ&レコーズ』(1973年創刊・2009年廃刊)を含めて米国の4大音楽チャートであった。
歴史創刊号1904年発行の10周年記念号
1894年11月1日に『ビルボード・アドバタイジング』 (Billboard Advertising) という誌名で創刊。創設者はWilliam H.Donaldson とJames H. Hennegan。オハイオ州シンシナティで産声をあげた。1897年に『ビルボード』に改称。創刊当初は、サーカスや移動遊園地などを取り上げていた。誌名はその頃の名残であり、巡業の日付を貼り付ける掲示板から付けられたものである。次第に音楽を取り扱う記事数が増え、1961年、サーカスや移動遊園地などを扱う『アミューズメント・ビジネス』 (Amusement Business)、音楽を扱う『ビルボード・ミュージック・ウィーク』 (Billboard Music Week) の2誌に分割。その後『ビルボード・ミュージック・ウィーク』は1963年に『ビルボード』に改称し、『ビルボード』の誌名が復活した。
1914年、ビルボードは初めて全米のポピュラーソングチャートを掲載。1936年1月4日には初めて全米のジュークボックスで流れたヒット曲の一覧を発表し、1940年7月27日号で初めて独自の統計から割り出したヒットチャートを「音楽人気チャート」 (Music Popularity Chart) のコーナーを設けて独立ページで掲載した(この時掲載されていたのはジュークボックス、ラジオ、楽譜、レコードの4部門であった)。1958年8月4日以後、シングルの販売とラジオ局でのリクエストなどを元にホット100 (Hot 100) という100曲の最も流行している音楽チャートを掲載している。また、2005年2月12日から2009年までホット100とは別にシングルの販売、パソコンへのダウンロード、アメリカのトップ40ラジオ局のリクエストなどを元にしたポップ100 (Pop 100) というチャートも掲載されていた。
1970年12月には日本特集号を出版し、数十ページに渡って日本の音楽業界の状況について報じた[1]。
1976年7月第1週のチャートは、本来ならば1976年7月3日付となるはずであるが、アメリカ合衆国建国200年記念日の1976年7月4日付にチャートの日付を1日ずらしている。
また、1970年から『American Top 40』というビルボード誌提供の音楽番組が毎週全米で放送され続けてきた。もっとも長くDJを務めたのは1970年から1988年8月と中断をはさんで1998年から2004年までこの番組にかかわったケイシー・ケイサムである。1988年8月から1994年2月まではシャドー・スティーヴンズ(英語版)が、2004年からケイサムに代わってはライアン・シークレストが務めている。この番組はアメリカ国内だけにとどまらず英語圏各国や日本など世界中でも放送され、番組の隆盛とともにビルボードはアメリカのチャートの代名詞として世界を席巻することになる。とりわけ日本にはビルボードに熱い思い入れを思ってるチャートファンが多く、世界で唯一ビルボードトップ40のテレビ番組(テレビ神奈川)やビルボードの名を冠したクラブが存在している。ただし、現在放送中のAmerican Top 40は名目上、ビルボードのチャートを使用していない。詳細は下記(#集計方法の変更に伴うチャートへの影響)参照。
2020年9月15日、ビルボードは世界200か国以上のダウンロードとストリーミングのデータにより集計したグローバル・チャート、グローバル200(Global 200)と、グローバル200からアメリカのデータを除外したグローバル・エクスクルーディング・U.S.(Global Excl. U.S.)というチャートの発表を開始した[2][3]。 ビルボードは音楽だけでなく、DVDやビデオ、さらにはインターネット配信まで幅広く取材し、ニュースやオピニオン記事を掲載している。内容は専門的な記事が多く、レコード会社の社員やクラブDJを対象にしたものであり、一般の音楽誌にあるような話題には乏しい。一部の書店で取り扱っているが、一般の書店で見ることはめったに無い。日本のコンフィデンス誌が同種。 ビルボードのチャートといえば、「Hot 100」(総合楽曲チャート)と「Billboard 200」(総合アルバムチャート)が広く知られているが、ジャンルごとのチャートも取り扱っている。カントリー・ミュージック、ブルーグラス、ジャズ、クラシック、R&B、ヒップホップ、電子音楽、ラテン音楽、宗教音楽、さらに着メロまでチャートとして掲載されている。
現在のビルボード誌
チャート「ビルボードHot100」1位の記念盾を手に25周年を祝うロクセット