ビニルハウス
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ビニールハウスの外観 広大な土地を利用し多数建ち並ぶ北海道のビニールハウス(富良野市 イチゴを栽培するビニールハウス

ビニールハウスまたはプラスチックハウスとは、木材又は 材を躯体とし合成樹脂フィルムで外壁を被覆した、作物栽培のための農業施設である。被覆材料には、農業用ポリ塩化ビニルフィルム(農ビ)が使われることが多い事から、ビニールハウスと一般的に呼ばれる。また単に「ハウス」やポリ塩化ビニル以外の被覆資材も多いことから「プラスチックハウス」と呼ばれることもある。和製英語であり、英語ではGreenhouse(グリーンハウス:温室参照)の一形態である。

一般的にイメージされるビニールハウスは、 鋼管(パイプ)を躯体としたものが圧倒的に多く、パイプハウスと呼ぶこともある。構造全てをフィルムで覆う場合と、降雨による農作物への影響を防ぐためにハウス上面だけを覆う場合がある。上面だけを覆う栽培方法は、雨よけ栽培と呼ばれる。
目次

1 ビニールハウスとプラスチックハウス

2 日本で使用されるプラスチックハウスの種類

2.1 構造部材によるプラスチックハウスの区分(2014年現在の国内でのシェア[1])

2.1.1 鉄骨ハウス(鉄骨補強パイプハウスを含め約22%)

2.1.2 鉄骨補強パイプハウス

2.1.3 地中押し込み式パイプハウス(約78%)



3 フィルム

4 パイプ

5 構造と組立方法

5.1 補助的な設備


6 用途

7 税制上の取扱い

8 出典

9 関連項目

10 外部リンク

ビニールハウスとプラスチックハウス

作物栽培に利用する農業施設として「ビニールハウス」という呼称が、現在も一般的に使われる。しかし、実際にポリ塩化ビニルフィルム(農ビ)を使用する「ビニールハウス」は43%(2014年現在)で[1]減少傾向にあり、48%は農ビよりも軽くべとつかない特徴をもつポリオレフィンフィルム(農PO)を使用している[1]。また、特定波長域の光の透過を制限する資材や入射光を散乱させる資材など様々な機能性を有する資材も開発・実用化されている。こうした現状から様々な資材を包摂するプラスチックハウスの名称が正式に使用される[2][3][4]
日本で使用されるプラスチックハウスの種類

プラスチックハウスの設置面積は、昭和40年代頃から増加を続け、1999年には栽培実面積で約5万1千 ヘクタールを超えたものの、近年では農産物価格の低迷や後継者不足、高齢化に伴う農業全体の縮小傾向と歩をあわせるように、面積も横ばいないし減少傾向にある(2014年現在の実面積は約4万1千 ヘクタール[1])。これは温室の設置面積の95%以上を占める。

後述のフィルムの種類のうち、農POや硬質フィルム、硬質板を用いた鉄骨を構造部材とするハウスもあり、これはプラスチックハウスであり、同時に鉄骨ハウスであるという区分となる。被覆資材による区分はプラスチックハウスとガラス室(いわゆる温室)であり、本項ではプラスチックハウスのみを扱う。

なお、以下においてプラスチックハウスのうち、パイプハウスであるものを一般的な呼称にならい「ビニールハウス」と表現する。
構造部材によるプラスチックハウスの区分(2014年現在の国内でのシェア[1]
鉄骨ハウス(鉄骨補強パイプハウスを含め約22%)

H型鋼や角形鋼を合掌に、C型鋼を母屋に使用する。設置コストが非常に高い。
鉄骨補強パイプハウス

屋根に曲げパイプ(アーチパイプ)を用い、鉄骨と組み合わせて補強したハウス。
地中押し込み式パイプハウス(約78%)

最も簡易なハウスで、基礎を用いず、肩部で曲げられたパイプを地中に挿入し、部で2本のパイプを接続し、棟方向に配した母屋パイプで補強する構造。


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