ビデオテープレコーダ
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「VTR」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「VTR (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ビデオテープレコーダー(: video tape recorder、VTR)は、映像信号(ビデオ信号)を記録するテープレコーダーである。アンペックス(AMPEX)社がアメリカ合衆国で商標として用いたことや家庭に普及したのはカセットテープ型だったことから、家庭用のビデオデッキなどの呼称としてはVCR[注 1]と表記されることもある。家庭用VTRの1機種、ソニーWV-DR7。標準/Mini DV&SVHS-ET 両対応据置式ダブルデッキ(1999年)
家庭用VTRの例
アナログ記録

1/2インチ

統一I型

ソニーCV方式

松下電器方式

シバデン方式

日本ビクター方式

その他


1/4インチ

アカイ方式

フナイ方式


Uマチック

VHSVHS-CS-VHSS-VHS-C

W-VHS

8ミリビデオHi8

ベータマックス(ハイバンドベータ、ED-Beta)

Vコード、VコードII(東芝三洋電機

VX松下寿

CVC船井電機キヤノン

カートリビジョン(Avco)

ビデオカートリッジ(EIAJa型)

VK方式

VCR方式

VCC

セレクタビジョン

インスタントビジョン

アナログ記録(音声はデジタル記録)

S-VHS DA

8ミリビデオ、Hi8(
PCMオプション)

デジタル記録

DV(標準DV、MiniDV)、HDV

D-VHS

Digital8

MICROMV

放送用・業務用VTRの例
アナログ記録

2インチ、ソニーPV方式

1インチ

U規格、U-matic SP

BETACAM、BETACAM-SP

M規格

MII

1インチ・アナログ・ハイビジョンVTR

UNIHI(アナログハイビジョンVCR)

デジタル記録

D1

D2

D3

D5

D6

D7(DVCPRO

D9(Digital-S)

D10(MPEG IMX

Digital BETACAM

HDCAMHDCAM SR

BETACAM-SX

DVCAM

1インチ・ハイビジョン・デジタルVTR

歴史
初期の機材とフォーマット

ビデオテープレコーダの歴史は全般にわたってビデオテープへの記録の歴史である。アンペックスが最初に商業的に成功したビデオテープレコーダであるAmpex VRX-1000を1956年に発売した。これは2" Quadruplex フォーマットで2インチ(5.1cm)幅のテープを使用しており[1]、価格は当時50,000ドルで導入は大規模のテレビ局や大きな製作会社に限られた[2]1963年フィリップスがビジネス及び家庭ユーザー向けにEL3400 1"ヘリカルスキャンレコーダを、ソニーが最初のオープンリール式VTRであるPV-100をビジネス・医療・航空業界・教育用に発売した[3]。当時の価格は12,000ドルで、対米向け主体。トランジスタ化により放送用の50分の1の容積にし、ヘッドは従来の5倍の1000時間に耐えるようにし、スチル(静止)機能を搭載した[4]。ソニーのCV-2000は1965年4月に価格19万8000円という当時としては驚異的な安さで売り出された世界最初の家庭向けとして発売されたビデオデッキで、重量15kg、消費電力は60wだった[5]。アンペックスとRCAは1965年、独自仕様のオープンリール式モノクロVTRを1,000ドル以下で家庭用市場に続いた。

交換式ビデオカセットの開発は続き消費者向けではオープンリール式を置き換えた。4トラックオーディオカートリッジが1962年コンパクトカセットインスタマチックフィルムカートリッジが1963年、8トラックが1965年、そしてSuper 8が家庭用映画カートリッジとして1966年に発売された。
Sony Uマチック詳細は「Uマチック」を参照

Uマチックは、世界初の商業用ビデオカセットフォーマットである。1969年10月、ソニーがビデオカセットの試作機を発表。1970年3月にソニー・松下電器産業日本ビクターと海外メーカー5社によりU規格として規格統一が合意され、生産が開始された。Uマチック1971年9月東京で発表ののち、正式に販売が開始された[6]

カートリッジは後のVHSカセットより大きく似ており、3/4インチ(1.9cm)幅のテープを使用して最大60分再生でき、後には90分に拡大された。ソニーは同様に新しいテープを使用したVP-1100 ビデオカセットプレイヤーと、VO-1700 ビデオカセットレコーダーを発売した。

Uマチックはその使いやすさにより、日本と北米においてたちまち他のビデオシステムを時代遅れにし、テレビのニュースや学校や商業において幅広く使用されたが、値段はTV/VTR一式で1,395ドル(2005年の価値に換算して6,362ドル)[注 2]で家庭用としては高価すぎ[7]、個人での所有は芸能関係者などに限られた。
フィリップス VCR フォーマット木製外装のN1500ビデオレコーダ

1970年、フィリップスは家庭用ビデオカセットフォーマットを開発した。紛らわしくもフィリップスはそのフォーマットを「VCR」と名づけた。そのため、後に最初のレコーダの機種番号である「N1500」と呼ばれている。

同社はフォーマットの開発にあたってグルンディッヒレーベの支援を受け、正方形のカートリッジと半インチ(1.3cm)幅のテープを使用して同軸リールにマウントする形を採用した。記録時間は1時間だった。

最初の機種はイギリスで1972年に販売され、回転ダイヤル式のタイマーがつけられていた。600ポンド(2,087ドル、日本円では当時のレート(1ドル=308円)で約64万円)近い価格は高すぎて家庭用としては失敗した。デジタルタイマー式のN1502が1975年に続いた。1977年には同じテープで長時間再生可能な新型で互換性を持つVCR-LPもしくはN1700が発売され、学校や大学向けに販売された。
Avco カートリビジョン詳細は「カートリビジョン」を参照

Avcoのカートリビジョンシステムは、TVセット(テレビ受像機)とVCRを組み合わせた装置で、1972年、カートリッジ・テレビジョン社が1,350ドルで販売した。

正方形のカートリビジョンカセットは正方形で、フィリップスのVCRフォーマットのように、2個の2分の1インチ幅のテープが互いの上にマウントされ、録画時間の上限は114分であった。

このシステムにおいては、人気のある映画を既に録画されたテープをメールオーダーで借りることができた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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