ビットレート(英: bit rate, bitrate)は、電気通信やコンピューティングにおいて、単位時間あたりに転送または処理されるビット数である。変数R [1]として表される。ビット速度[2]とも呼ばれる。
ビットレートには、通常ビット毎秒(bit/s)の単位が用いられ、キロ、メガ、ギガ、テラなどのSI接頭語と組み合わせて使用される[3]。非公式な略称"bps"が"bit/s"の代わりに使われることが多く、例えば「1 Mbps」は100万ビット毎秒を意味する。
1バイト毎秒(1 B/s)は8ビット毎秒に相当する。 大きなビットレートを表す場合、SI接頭語が使用される。1,000 bit/srate = 1 kbit/s
接頭辞
1,000,000 bit/srate = 1 Mbit/s
二進接頭辞が使用されることもある[4][5]。国際規格(IEC 80000-13)では、SI接頭語と二進接頭辞で異なる略語を指定している(例えば、1 KiB/s = 1024 B/s = 8192 bit/s、1 MiB/s = 1024 KiB/s)。なお、正しい用法ではないが、SI接頭語を、それに近い二進接頭辞の値の意味で使用することが広く行われている。二進接頭辞を参照。 デジタル通信システムにおいて、物理層の総ビット速度[6](英: gross bitrate)[7]とは、有用なデータおよびプロトコルオーバヘッドを含む、通信連結上の物理的に転送された毎秒のビットの総数である。変数Rb [7][8]またはfb [9]で表される。生データ速度(英: raw bitrate)[8]、データ信号速度
データ通信において
総ビット速度
シリアル通信の場合、総ビット速度Rbはビット伝送時間Tbと以下の関係がある。Rb = .mw-parser-output .sfrac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .sfrac.tion,.mw-parser-output .sfrac .tion{display:inline-block;vertical-align:-0.5em;font-size:85%;text-align:center}.mw-parser-output .sfrac .num,.mw-parser-output .sfrac .den{display:block;line-height:1em;margin:0 0.1em}.mw-parser-output .sfrac .den{border-top:1px solid}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1/Tb
総ビット速度は、ボー(baud)や符号毎秒(sps)で表される符号伝送速度(英語版)[13]に関連する。しかし、総ビット速度とボーの値は、符号当たり2つの水準(0と1で表われさる)しかない場合にのみ等しくなる。これは、データ伝送機構の各符号が正確に1ビットのデータを運ぶことを意味する。モデムやLAN機器で使用される現代の変調機構ではそうなっていない[14]。
ほとんどの伝送路符号と変調方式では、符号伝送速度より総ビット速度の方が速い。より具体的には、2N個の異なる電位でパルス振幅変調を使用してデータを表す伝送路符号(基底帯域送信方式)は、1パルスあたりNビットを転送することができる。2N個の異なる符号、例えば2N個の振幅、位相、周波数を使用するデジタル変調方法(通過帯域送信方式)は、1符号あたりNビットを転送することができる。すなわち、総ビット速度 = 符号伝送速度 × N
である。
例外として、マンチェスタ符号やゼロ復帰符号(RTZ)などの自己同期伝送路符号がある。各ビットは2つのパルス(信号状態)で表され、次のようになる。総ビット速度 = 符号伝送速度/2
特定のスペクトル帯域幅(ヘルツ単位)に対するボー、符号毎秒、パルス毎秒の符号伝送速度の理論上の上限は、ナイキストの法則によって与えられる。符号伝送速度 ? ナイキスト速度 = 2 × 帯域幅
実際には、この上限は、伝送路符号方式およびいわゆる残留側帯波デジタル変調を使用したときのみ近づけることができる。ASK、PSK、QAM、OFDMのような大部分の他のディジタルキャリア変調方式は、二重側帯波変調として特徴付けることができ、その結果、以下の関係が得られる。