シアノコバラミン
識別情報
CAS登録番号68-19-9
> 300 ℃
沸点
> 300 ℃
水への溶解度Soluble
危険性
安全データシート(外部リンク)External MSDS from Fisher Scientific
EU分類無し
NFPA 70411
SフレーズS24/25
引火点N/A
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
シアノコバラミン(cyanocobalamin)は、ヒドロキソコバラミンなどと共にビタミンB12とも呼ばれる代表的なコバラミンの一種であり、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。コバルトを含むため赤色又はピンク色を呈する[1]。 B群ビタミンのひとつだが、12は発見された順番を表す数字ではない。 シアノコバラミンは化合物を単離する際に得られる人工産物で、喫煙者などの特殊な場合(煙中のシアン化水素代謝産物が活性型ビタミンB12と結合しシアノコバラミンを生ずる。ただし活性型ビタミンB12の不足を招き有害[2]。)を除き、人間の体内ではシアノコバラミンは合成できない。草食動物は腸内細菌としてプロピオン酸生産菌(プロピオニバクテリウム属[3])等を保有し、これがビタミンB12を生産するので、これらの菌からビタミンB12を摂取している[4]。 アミノ酸や脂肪酸の代謝および葉酸の生合成に用いられる。これ自体に補酵素活性はなく、生体内で補酵素型であるメチルコバラミンおよびアデノシルコバラミンに変換される。 ポルフィリン類似のコリン環とヌクレオチドの構造をもつ、コバルトの錯体である。 シアノコバラミンは合成が極めて困難であるため、現在は放線菌(プロピオニバクテリウム属[3])などの細菌の培養液から生産されている[5]。「ビタミンB12全合成」も参照 ビタミンB12は代謝に関与しており、特にDNA合成と調整に加え脂肪酸の合成とエネルギー産生に関与している。しかしながら、体内でビタミンB12が葉酸(ビタミンB9)の再生産に利用されているため、全てではないが多くのビタミンB12の機能は十分な量の葉酸によって代替される。チミンやプリン体の合成のための十分な量の葉酸が体内に存在しない場合にはDNA合成障害を引き起こし、その葉酸欠乏症状は悪性貧血症状や巨赤芽球性貧血を引き起こすため、ほとんどのビタミンB12欠乏症状は実際には葉酸欠乏症状である[6]。十分な量の葉酸が利用できる場合には、メチルマロン酸(MMA)を代謝するビタミンB12依存酵素であるメチルマロニルCoAムターゼ(MUT)やホモシステインを基質としてメチオニンを合成する酵素として知られている5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ(MTR)を助けることになり、ビタミンB12欠乏症として知られるほとんどの症状は正常化される。
名称
生合成
構造
機能テトラヒドロ葉酸(THFA)による代謝とビタミンB12によるTHFAの再生産、Folsaure