ビスフェノールA
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ビスフェノール A


IUPAC名

4,4'-(propane-2,2-diyl)diphenol
4,4'-(プロパン-2,2-ジイル)ジフェノール
別称4,4'-ジヒドロキシ-2,2'-ジフェニルプロパン
4,4'-イソプロピリデンジフェノール
識別情報
CAS登録番号80-05-7 
PubChem6623
ChemSpider6371 
UNIIMLT3645I99 
EC番号201-245-8
国連/北米番号2430
DrugBankDB06973
KEGGC13624 
ChEBI.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul{line-height:inherit;list-style:none none;margin:0;padding-left:0}.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol li,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul li{margin-bottom:0}

CHEBI:33216 

ChEMBLCHEMBL418971 
RTECS番号SL6300000
SMILES

Oc1ccc(cc1)C(c2ccc(O)cc2)(C)C

CC(C)(c1ccc(cc1)O)c2ccc(cc2)O

InChI

InChI=1S/C15H16O2/c1-15(2,11-3-7-13(16)8-4-11)12-5-9-14(17)10-6-12/h3-10,16-17H,1-2H3 Key: IISBACLAFKSPIT-UHFFFAOYSA-N 

InChI=1/C15H16O2/c1-15(2,11-3-7-13(16)8-4-11)12-5-9-14(17)10-6-12/h3-10,16-17H,1-2H3Key: IISBACLAFKSPIT-UHFFFAOYAI

特性
化学式C15H16O2
モル質量228.29 g mol?1
外観白色固体
密度1.20 g/cm3
融点

158-159 °C, 431-432 K, 316-318 °F
沸点

220 °C, 493 K, 428 °F (4 mmHg)
への溶解度120-300 ppm (21.5 ℃)
危険性
NFPA 704030
RフレーズR36 R37 R38 R43
SフレーズS24 S26 S37
引火点227 °C
関連する物質
関連物質フェノール類
ビスフェノール S
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ビスフェノールA (bisphenol A, BPA) は化学式 (CH3)2C(C6H4OH)2 の有機化合物である。白色の固体であり、有機溶媒に溶けるが水には溶けにくい。一般には粉体であり、粉塵爆発を起こす[1]ことがあるため扱いに関して注意が必要[2]。2つのフェノール部位を持っており、ポリカーボネートエポキシ樹脂をはじめ、さまざまなプラスチックの合成に使われている。
合成

ビスフェノールAは2当量のフェノールと1当量のアセトンの反応によって合成される。この反応はによって触媒されるが、触媒として塩酸のような無機酸やスルホン酸型の陽イオン交換樹脂スチレンジビニルベンゼン共重合体を硫酸などでスルホン化したもの)のような固体酸が使われる。さらに反応速度や選択性の向上のために、チオールのような含硫黄化合物を触媒に共存させることが一般に行われている。一般に、フェノールは大過剰にして反応を行う。合成された大過剰のフェノールを含む反応液を冷却すると、ビスフェノールA : フェノール= 1 : 1 の付加物結晶(アダクト)が得られるので、これを分離・洗浄した後、結晶を加熱・溶融し、フェノールを蒸留などで除去すると、高純度のビスフェノールAが得られる。工業的にはこれを 1 - 2 mm 程度の球状に粒子化(プリル)して製品化している。

多くのケトンは同様な縮合反応を起こす。この合成法では副産物が水しか生成しないため効率的である[3]

2008年度日本国内生産量は 533,842t、消費量は 58,330t である[4]


歴史・用途

1891年にロシアの化学者アレクサンドル・ディアニン (A. P. Dianin) によって初めて合成された[5][6]。1930年代には合成エストロゲン(女性ホルモン)の1つとして研究されていたが、当時ジエチルスチルベストロールがエストロゲンとして強い活性を持つことが明らかにされたため、ビスフェノールAが合成エストロゲンとして使われることはなかった。
樹脂原料としての利用

現在ではポリカーボネート製のプラスチックを製造する際のモノマーや、エポキシ樹脂の原料として利用されている。抗酸化剤、あるいは重合禁止剤としてポリ塩化ビニル可塑剤に添加される。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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