ビスケット
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、洋菓子のビスケットについて説明しています。その他の用法については「ビスケット (曖昧さ回避)」をご覧ください。
クッキーとビスケット

ビスケット(: biscuit[注 1])は、小麦粉を主材料に焼いた洋菓子である。小麦粉に牛乳ショートニングバター砂糖などを混ぜて、サクサクした食感に焼いたもの。チョコレートナッツ果実加工品などが加えられる場合もある。
名称左がアメリカ式、右がイギリス式のビスケット

本来の英語圏では日本でいうところのクッキー: cookie[注 2])と区別は存在せず、英国では両者をビスケットと呼び、米国では両者をクッキーと呼ぶ。米国のビスケットは速成パンの一種で英国のスコーンに近く、日本ではケンタッキーフライドチキンなどを通して知られている(後述)。

ビスケットの名はフランス語のビスキュイ(: biscuit[注 3])から来ている。フランス語でbisは「2」を意味する接頭語もしくは「2度」を意味する副詞であり、cuitは動詞cuire(「焼く」を意味する)の過去分詞形であるため、全体として「二度焼いた」という意味を表す。さらに遡っての語源はラテン語の「二度焼いたパン」パーニス・ビスコクトゥス(panis biscoctus)より。これは保存食として作られた堅パンを指し、ビスケットもまた本来は軍隊用・航海用の保存食であった。現代フランスにおいても、ビスキュイの語には焼菓子のそれと堅パンの両義がある。なお、Dr. Johnsonの英語辞典(1755年初版)には「遠洋航海用に(保存性を高めるため)四度焼く」との説明がある。

さらにフランスではビスキュイの一種としてサブレー: sable[注 4])と呼ばれるものも存在する。これはビスキュイ(ビスケット、クッキー)に比べてバターあるいはショートニングの量が多く、よりさっくりした食感のものを指す。

クラッカーもビスケットの一種で、全くあるいはほとんど糖分を含まず、軽い食感のものを特にその名で呼ぶ。菓子として食べられるほかに、カナッペなど軽食の食材として、また近年では乾パンに替わる軍隊食としても利用されている。

広義にはラスクや乾パンもビスケットに含まれる。
種類
旅行用
行軍や航海などの長期の旅行の際に、栄養価が高く、保存が効き、携帯性のある
堅パンとして加工され利用された。そういった需要からエジプト人は dhourra と呼ばれるパンを、ローマ人は buccellum と呼ばれるビスケットを作った[1]。長期の旅の場合は、通常2度焼くビスケットを4度も焼き水分を飛ばし、水分が入らないよう保存した[2]。食べる際には塩水やコーヒー等に漬けて柔らかくしたり、調理してから食された。
医療用
ビスケットは消化に良いものと考えられ、滋養と病気の予防に良いものと考えられた[3]。医学初期の医者は、そこで更に消化に良くして患者に提供しようと、ダイジェスティブビスケット、アバネシー・ビスケット(英語版)、バースオリバー(英語版) などが考えられた。これらのビスケットは、工夫の効果がないとされた後も菓子として販売されている。その一方、つわり乗り物酔いなどの吐き気に対してジンジャービスケットに一定の効果が確認されている[4]
菓子
もともとは無糖で、質素な層の人間が食べる食べ物であった。紀元前7世紀になると、ペルシア帝国の料理人は、祖先から卵、バター、クリームを使い軽く、蜂蜜や果物を使い甘くする技術を継承した[5]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:35 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef