ヴィジョン
Vision
出版の情報
出版者マーベル・コミック
初登場『The Avengers
ヴィジョン(Vision)は、マーベル・コミックの出版作品に登場する架空のスーパーヒーローおよびアンドロイド。『The Avengers』#57(1968年10月)で初登場したアベンジャーズのメンバー。マーベル・シネマティック・ユニバースでは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で初登場した。日本では原作においてはビジョンとも表記される[1]。
マーベルの前身のタイムリー・コミックス(英語版)の同名のキャラクター「The Vision」におおむね基づいている。 最初のヴィジョン
出版上の歴史
数十年後、作家スタン・リーとロイ・トーマス(英語版)は、アベンジャーズに新しいメンバーを追加することを決めた。トーマスは黄金時代のヴィジョンを取り入れようとしていたが、スタン・リーはアンドロイドのメンバーを入れようとしていた。トーマスは最終的に、アンドロイドのヴィジョンという新しいキャラクターを作り出し折衷案となった[2]。この新しいヴィジョンは『The Avengers』#57(1968年10月)に初登場した。トーマスは、ヴィジョンのぼんやりとした名前にふさわしいような白いキャラクターにしたいと考えたが、当時の印刷技術の制限もあったため、紙面でインクが乗らない部分を使い無色の肌となった。その後、ハルクのような緑や、アトランティス(ホモ・マーマナス(英語版))のような青を避け、最終的に赤い肌に落ち着いた[3]。スタートレックのスポックと比較されることがあったが、トーマスは当時のテレビシリーズをほとんど知らなかったと語っている[4]。ただし、ロボットのキャラクターを機械的ではなく同情的なものにした先駆者のアダム・リンク(英語版)とオット・バインダー(英語版)の影響を受けていることは認めている[4]。
『The Avengers』#75(1970年4月)では、スカーレット・ウィッチ(ワンダ)がチームに加入し、すぐにヴィジョンとの恋愛関係が描かれた。トーマスは「ワンダのアベンジャーズでのキャラクターを掘り下げるために何らかのロマンスが役立つと考えた。ヴィジョンはワンダと同じマガジンにしか登場していなかったため、最終候補だった。そういった実用的な事情で彼らはペアになった。ヴィジョンが“人間”になろうとする良い要素でもあった」と述べている[2]。トーマスはさらに、ヴィジョンはアンドロイドのヒューマン・トーチ(英語版)(ファンタスティック・フォーのヒューマン・トーチとは異なる)から生み出されたキャラクターというアイデアを思い付いたが、『The Avengers』#93で曖昧な手がかりを残すだけに留まり、そのままシリーズの担当を去ることとなった。最終的に『The Avengers』#134-135で設定が活かされた。当時の作家スティーヴ・エングルハート(英語版)は「そのプロットは社内で長年よく知られていたが、トーマスやニール・アダムズ(英語版)の時には活かす機会がなかったので、僕の担当時にそのトーマスの贈り物を活かした」と語っている[5]。
1972年、クリー・スクラル・ウォー(英語版)からの巨大偵察ロボットが現れてヴィジョンの脳波を妨害する『マーベル・チームアップ』#5("A Passion of the Mind")にて、ヴィジョンはスパイダーマンとともに登場した。
『Giant-Size Avengers』#4(1975年6月)にて、ヴィジョンとスカーレット・ウィッチは結婚した。さらにこのカップルは、ビル・マントロ(英語版)とペンシラーのリック・レオナルディ(英語版)による期間限定シリーズ『The Vision and the Scarlet Witch』#1-4(1982年11月 - 1983年2月)にも登場した。これに続き、スティーヴ・エングルハートとペンシラーのリチャード・ハウエル(英語版)による続刊の#1-12(1985年10月 - 1986年9月)では、スカーレット・ウィッチは魔法の力によって、ヴィジョンとの子とされる双子の男の子を生み出した。
作家のジョン・バーン(英語版)による『West Coast Avengers』#42-45("Vision Quest"、1989年3月 - 6月)では、彼の初期の「人造人間」としての描写が抽出され、アンドロイドの性質が強調された。
その後、作家のボブ・ハリス(英語版)とペンシラーのマニー・クラーク(英語版)によるヴィジョンの単独シリーズ『Vision』#1?4(1994年11月 - 1995年2月)が制作された。