ビジュアル系
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ヴィジュアル系
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文化的起源 日本 1980年代中期
使用楽器ボーカル
ギター
ベース
ドラムス
キーボード
サブジャンル
オサレ系
黒系
コスプレ系
コテ系
白塗り系
ソフトヴィジュアル系
耽美系
ネオヴィジュアル系
ネタ系
キラキラ系
密室系・地下室系
地域的なスタイル
名古屋系
関連項目
サブカルチャー
ロリータ・ファッション
ゴス (サブカルチャー)
ゴシック&ロリータ
バンギャル
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ヴィジュアル系(ヴィジュアルけい)[1]は、日本ロックバンド[2] 及びミュージシャンの様式の一つ。bounce.comの出嶌孝次は、「特定のサウンドを示す言葉ではなく、化粧ファッション等の視覚表現により世界観や様式美を構築するもの」と定義している[3]。一方で音楽ジャンルの1つとして扱う文献も存在しており[4][5][6]グラムロックパンク・ロックヘヴィメタルと関連づけられている[7][8][9][10]。「ビジュアル系」とも表記され、「V系」(ブイけい)[1]、「V-ROCK」(ブイ・ロック)とも呼称される。
呼称に関して
起源

「ヴィジュアル系」という呼称はX JAPANの『BLUE BLOOD』のキャッチコピー「PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK」が起源だとされることが多い[3]星子誠一は、雑誌『SHOXX』を創刊する際に、HIDEの言葉を引用して「ヴィジュアル&ハードショック・マガジン」というサブタイトルをつけ始めたのが始まりだと主張している[11]。また、ヴィジュアル系という言葉が定着する前は、「お化粧系」という言葉が使われていたとも証言している[11]

1997年、SHAZNAのブレイク期に一般にも定着するようになり、「新語・流行語」[12]化した。その後、『日本俗語大辞典』では、谷恒生の小説『闇呪』の文章を引用し、音楽や男性に限定せず、少女に対しての使用例を挙げている[13]。なお、この語は日本国外においても「Visual-Kei」で通用する言葉となっている[2][14]

しかし、1998年にデビューしたPIERROTの元ギタリストであり、LM.Cの現ギタリストでもあるAijiは、シーンに属していた当事者の視点からこう語っている。

「ヴィジュアル系っていう言い方は、ライヴハウス界隈では93年ぐらいからあったはあったんですけど、それが市民権を得た後にデビューした自分らであっても、ヴィジュアル系という言葉には違和感がありました。それよりも、“お化粧系”のほうがしっくりくるというか。やっぱり10代で一番使ってた言葉だから[15]。」

蔑称としてのヴィジュアル系

上記の通り、当初この言葉自体に侮蔑的な意味合いは込められていなかった。当時のミュージシャンの多くが優先していたのはあくまでサウンドであり、メイクは世界観を表現するためであったり[16][17]、観客を喜ばすためのものだったが、1990年代から2000年代にかけて、ヴィジュアル系という用語は中身よりも外面重視というような批判を込めた[18]差別的な言葉だととらえられていた[19]。音楽評論家の市川哲史は、当時ヴィジュアル系という言葉がシーンでどのように受け止められていたかについて、「僕が仕事的に関わっていた黎明期から隆盛期――あの時代のバンドたちはそもそも自分たちをV系だとは思ってなかったし、表立ってヴィジュアル系といわれることに否定はしないけど『今に見てろよコラ』みたいな、差別語・侮蔑語的な捉え方をしているバンドが多かったですねぇ」と証言している[20]。このように1990年代のヴィジュアル系バンドの中にはヴィジュアル系と称されるのを嫌がるものも多く[21][16]、実際にL'Arc?en?Cielが番組内で「ヴィジュアル系バンド」と呼ばれたことを理由にポップジャムへの出演をキャンセルする事件が起きている[22]

ヴィジュアル系が差別された要因としてはさまざまなものが考えられる。音楽雑誌が各々ジャンルを区別し、バンドの掲載可否を決めたことが結果的にはファンや関係者の意識に作用したという説もある一方[23]、「コスプレ的」「キャラクター的」な側面が嫌悪されたのではないかという説もある[24]
再評価

2010年代になると、90年代ヴィジュアル系の再評価が進み[25]、差別用語としてとらえられることは少なくなった[19]。ヴィジュアル系という言葉の意味合いが変わった経緯について、市川は現在大物のキッスも出てきた当初は批判されたので、ヴィジュアル系が最初は批判されてのちに評価されたのもそれと同じようなものではないかと述べている[26]
傾向・特徴神宮橋でヴィジュアル系(2006年3月26日)
音楽的な特徴

音楽性は多岐にわたっており、明確な定義をあげるのは困難である[2]。しかし、基本的には日本国外のハードロックヘヴィメタル日本のパンク・ロックビートロック等から影響を受けたロックバンドが地下だといえる[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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