ヴィクトリア湖
ヴィクトリア湖の衛星画像
所在地 ケニア
ウガンダ
タンザニア
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}南緯1度 東経33度 / 南緯1度 東経33度 / -1; 33
ヴィクトリア湖(ヴィクトリアこ、英語: Lake Victoria、スワヒリ語: Nyanza-Viktoria)は、ケニア、ウガンダ、タンザニアに囲まれたアフリカ最大(68,800 km2)の湖である。 ナイル川の主流の1つ、白ナイル川の源流となっている。面積は68,800 km2と、世界第3位、アフリカ1位の湖水面積を誇り、湖の中には北部に浮かぶウガンダ領のセセ諸島
概要
形成ヴィクトリア湖とグレート・リフト・バレー
ヴィクトリア湖は、ちょうどグレート・リフト・バレーに囲まれているが、ヴィクトリア湖の形成はこのグレート・リフト・バレーが原因であると考えられている。グレート・リフト・バレーは、約1000万?500万年前から地表が隆起し始めたと考えられているが、ちょうどヴィクトリア湖の両側に隆起が発生し、その間が陥没することで湖ができたという説が有力である。その誕生は長く100万年前とされていたが、地質学の研究から40万年前頃の誕生という説が有力となっている。湖底から採取されたボーリングによるコアサンプルの解析から誕生後少なくとも3回干上がったという説が提唱され、これによると最新では17300年前に完全に干上がったとされる。これによってヴィクトリア湖は古代湖の定義である100万年以上の歴史を持たないことになり、古代湖として紹介されなくなりつつあるが、多様な固有生物群の存在のため、完全に干上がったのではなく小さな湖沼は残存しており、古代湖の条件は残っているという説もある。
1万4000年前には現在よりも水位が26m低く、周囲にはサバンナが広がっていた[3]。1万2500年前には最終氷期の終わった影響によって水位は急激に上昇し、それまで閉鎖湖だったものが北のナイル川水系へとあふれ出した[4]。このときに、ヴィクトリア湖は現在のナイル川水系に接続された。その後も気候変動により、湖の水位は上下を繰り返した。
水系ウガンダのカンパラ側から見たヴィクトリア湖
面積は広いものの水深はかなり浅く、最深部でも84mしかない。湖全体の平均水深も40mにすぎない[5]。これは周辺のタンガニーカ湖やマラウイ湖、アルバート湖のようなリフトバレーの裂け目に直接水がたまった構造湖とは違い、リフトバレーの隆起に伴い間接的に陥没した中間部分に水がたまったものであるためである。周囲の降水量が多いため、ブルンジから流れるルヴィロンザ川を合わせたルワンダから流れてくるカゲラ川などの多数の河川が流入するが、流出河川は北部のジンジャから流れ出すナイル川しかない。このため、ヴィクトリア湖はナイル川水系としてナイル川の長さに計上され、ヴィクトリア湖に流れ込む河川のうちで最大最長のものであるカゲラ川の、その最長の支流であるルヴィロンザ川の源流がそのままナイル川の源流とされている。ジンジャの流出口には記念碑が建てられているほか、オーエン・フォールズ・ダム(ナルバーレ・ダム)が建設され、水力発電を行っている。ヴィクトリア湖からナイル川への流出量は毎秒600tにのぼる[6]。
ヴィクトリア湖の受け取る水の80%が湖面への直接の降水である[1]。湖からの蒸発は年間で平均2.0mから2.2mであり、湖畔地域の降水量のほぼ倍量に当たる[7]。湖水の滞留期間は約140年である[8]。ケニア国内では、シオ川、ンゾイア川、ヤラ川、ニャンド川、ソンドゥ・ミリウ川、モグシ川、ミゴリ川などがヴィクトリア湖に流れ込む。これらの川を合わせた流入量は、湖の西側に流れ込むヴィクトリア湖水系最大の支流であるカゲラ川よりも多くなる[9]。このほか、タンザニアでは湖東部にマラ川、グルメティ川、ムバラゲティ川、シミユ川、湖西部では最大支流のカゲラ川、ウガンダでは西部にカトンガ川などが流れ込む。