ビギナー_(テレビドラマ)
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ビギナー
Beginner
ジャンル
テレビドラマ
脚本水橋文美江
演出水田成英
川村泰祐
松山博昭
出演者ミムラ
オダギリジョー
堤真一
奥菜恵
我修院達也
横山めぐみ
北村総一朗
松雪泰子
音楽吉俣良
オープニング吉俣良「The Strongest Beginner」
エンディングカーペンターズトップ・オブ・ザ・ワールド
製作
プロデューサー山口雅俊
制作フジテレビ

放送
放送国・地域 日本
放送期間2003年10月6日 - 12月15日
放送時間月曜 21:00 - 21:54
放送枠フジテレビ月曜9時枠の連続ドラマ
放送分54分
回数11
フジテレビ番組基本情報
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『ビギナー』は、2003年10月6日から12月15日まで毎週月曜日21:00 - 21:54(初回と最終回はそれぞれ15分拡大で21:00 - 22:09)に、フジテレビ系の「月9」枠で放送されていた日本のテレビドラマ。主演はミムラオダギリジョーであるが、主人公は8人(ミムラ、オダギリ、堤、奥菜、我修院、横山、北村、松雪)の司法修習生たちである。月9ドラマではこの作品からハイビジョン制作に変わった。
概要

月9枠のドラマでは前例が無い「ヒロイン演技素人芸能事務所・プロダクションに所属していても演技経験がなければこれに含まれる)を対象にオーディションで選んだ」ことで注目を浴びた。選ばれたミムラはこのドラマで女優デビューした。

ドラマ様式としては平凡な元OL、元不良、リストラされかけた元管理職など、年齢も境遇も異なる8人の男女が、司法試験旧司法試験)合格後の司法修習で葛藤・奮起する姿を、コミカルにあるいはシリアスに描いた「青春群像劇」である。特定の人物の恋愛サクセスストーリーだけではない描き方が、他の月9ドラマと異なる趣をみせている。

後述のドラマと実際の修習の違いの項を参照とするが、主人公の司法修習生たちをとりまく環境は、実際とは異なり、ドラマとして一部脚色されている。ドラマの背景や重要なテーマを視聴者に分かり易さを伝えるための手段と考えられるが、一般に誤解されがちな「被害者または加害者が同情に値するから厳罰または減軽に処すべきだという主に感情的側面の判断は、司法判断上では最も避けるべきであること」というテーマを全話を通して視聴者にわかりやすく伝えている。

身の周りで起きた事件や実際の判例をもとに司法修習生たちが討議していく場面では、「事例の再演(実際にそれをみることができるのは視聴者のみである)」「主人公たちが黒板に人物相関図などを記入しわかりやすく説明する」「主人公たちが検証しながら理解を深めていく」など、視聴者にわかりやすい構成・演出の工夫もなされていた。しかし、一番の特徴は、ほぼ毎回のように挿入されていた五月女ケイ子によるイラストであった。視聴者にコミカルさと何かしらの不安を与えるイラストは、ドラマ「ビギナー」が他の月9やテレビドラマと大きな違いをみせる要素の一つであった。他にも挙げられる特徴は主人公の司法修習生にはそれぞれ「実在のモデル」が存在することがあげられる。

これらのように一般視聴者に親しみやすく、わかりやすくする手法とともに、専門的分野においては法律事務所等の協力・監修もあったが、制作には司法試験予備校早稲田セミナーが関わっており、法曹界・教育関係者の協力のうえになりたった上質なドラマを目指す姿勢もみせていた。
あらすじ司法試験合格者は公務員に準じた身分で司法修習生となり1年半の間[注釈 1]、実際の判例を元にした授業を受ける。 優秀な学生は大卒で司法試験に合格するが、社会人経験を積んだ後に合格する者、浪人期間の後に晴れて合格する者、主婦業の傍らで勉強して合格する者など人それぞれで、修習生たちは年齢も経歴も異なる。このドラマはそんな司法修習生たちの物語である。家電会社の苦情処理担当の元OLで、たまたま司法試験に合格してしまった楓由子は物事を納得いくまで考えてしまうせいで少々鈍くさい。ある課題で「強要罪」と「強制わいせつ罪」のいずれが該当するかの判断に迷ったせいで課題の提出が遅れてしまい、授業後に予定されていたパーティへの出席が遅れてしまう。パーティの席には二次会に誰からも誘われなかった7人の修習生たちが居残っていた。授業で馬鹿丸出しの発言をして呆れられた羽佐間旬。勤めていた会社をリストラされかけ、娘の応援で司法試験に当期最年長合格した崎田和康。授業中に彼氏とのやりとりで携帯電話をいじり教官から叱責された松永鈴希。僅かな仕送りと警備員のアルバイトで苦労の末に合格した田家六太郎。主婦業の合間に勉強して合格した一児の母黒沢圭子。教官から経歴を問われてもはぐらかした“謎の美女”森乃望。そして、週刊誌に業者からの接待を暴露され収賄容疑で財務省を追われた元エリート官僚の桐原勇平らであった。望に問われた勇平が二次会の場所を知っていると嘘をついたため、由子ら7人は勇平の後に続いて二次会に向かう。だが結局、場所を知らない勇平に連れ回された7人は課題の話題となり公園で勉強会を開く。彼らの出した共通の結論が「強制わいせつ罪が立証出来る」だった。ところが翌日の授業で厳しい女教官沢口裕子から「強制わいせつ罪が立証出来ると書いたアホが8人いる」と真っ向否定され、簡潔な模範解答をした田中一郎のコピーを貰って復習しなさいと命じられる。旬は沢口の言葉を真に受けて田中の回答をコピーして貰うが、勇平は受け取ろうとしない。東大在学中、箔をつけるために司法試験に合格していた彼にとっては今更学生の真似事など馬鹿馬鹿しくてやっていられないのだった。望を中心にまとまった他の7人はそのまま勉強会を開くことにし、勇平も渋々そこに参加する。その席で他の誰もが顛末を知る勇平以外の7人はそれぞれの身の上を語る。鈴希は現役合格者だが大学時代に裕福な親からマンションを与えられるなど苦労知らずだが、家族に関する悩みを抱えていた。望は「元ヤクザの愛人」でそうした荒んだ生活と縁を切るため独学で勉強して司法試験に合格した。敬愛する祖母のため高校中退の元ヤンキーながら5年間の独学の末に合格した旬の発言を露骨に馬鹿にしていた勇平は旬と一触即発の状態に。すると望が突如席を立ってしまう。勇平も帰ろうとするのだが、望は牛丼の包みを抱えて戻ってくる。授業中、教官に「つゆだく」を質問された勇平が咄嗟に答えられず、失笑されたのを気にしていたので望は「私も食べたことはない」と買ってきたのだった。そんな望に勇平は好意を抱くようになる。翌日、由子は沢口から回答に余計なことを付け加えていると怒られ、簡単な質問にも答えられず退席を命じられる。由子を庇ったのは同じ釜のメシならぬ「つゆだく牛丼」を食った仲の7人だった。落ち込む由子を励ますため旬は祖母から貰った手作りの栞をプレゼント。由子は旬に淡い恋心を抱くのだが、旬は勉強を優先するため「恋愛禁止」を宣言していた。彼氏と二人で司法試験に挑んだものの自分だけが合格したことで結局別れることになった鈴季も旬の優しさに惹かれる。こうして脱線ばかりだが、なぜか鋭いところをつく「アホヤンズ」と呼ばれる劣等生グループが誕生するのだった。
キャスト
主人公8人組(アホヤンズ)・司法修習生

主人公の一人である楓からの提案で8人で課題を取り組むことになった。課題検討の切り口や視点が独特であるために教官からもアホ呼ばわりされた8人組となった。自由参加のソフトボール大会参加に伴いチーム名として旬の提案で「アホヤンズ」と命名された。以後はこれが彼ら8人の固有名詞となる。議論がまとまった時などは「妥当です。」と発言し意見に賛同する。
楓由子 -
ミムラ
23歳[1]。宮崎県出身。家電会社消費者苦情処理センターの元OL(派遣社員)の修習生。司法研修所蛍雪寮の446号室に入る。性格は気性が優しくおっとりしている反面、優柔不断でどんくさい。恋愛経験も少ない。「奇跡の一発合格」だったため法律家としての基本的知識に欠けていたり、初日の課題に手間取って制限時間までに提出できなかったりと初期時は修習生の中でも劣っていた。歓迎会の後にたまたま一緒になった他の7人と共に課題の検討を行い、自身の法律知識に対する自信の無さから、その後も8人で課題に取り組むことを希望する。ここに「主人公の8人組(アホヤンズ)」が誕生する。前述のとおり専門的知識に乏しい上に、普通は見過されがちな立場の人に感情移入することが多く、司法の限界に直面することになる。法学部の学生なら誰でも知っていて当然(松永の発言)である「信玄公旗掛松事件」や「宇奈月温泉事件」でさえ、即答できなかった。相手の持つ「良心」に強く訴えかける才能があり、劇中終盤の実習で、路上生活の果てに衰弱した妻を殺害した男性の起案を泣きながら仕上げたり、他人名義のクレジットカードで換金性の高い新幹線の回数券を購入し詐欺罪で逮捕されたOLの証言から彼女に入れ知恵して犯行を行わせたホストとのやりとりを通じ、「悪い奴ほどよく眠る」のことわざから、彼らの背後にあった窃盗団の組織犯罪を暴くなど検察官としての高い資質を見せるようになる。当初から旬のことが好きで貰った栞を大事にしている。デートの誘いや告白を期待するものの、肝心な所ではぐらかされている。楓の悩みは一般の人が陥りやすい「立法・行政的役割を司法に期待する間違い」をわかり易く問題提起している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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