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ヒートポンプ(英: heat pump)とは、大気中の熱を汲み上げ、熱エネルギーに転換するしくみをいう[1]。
熱媒体や半導体等を用いて低温部分から高温部分へ熱を移動させる技術である。手法はいくつかあるが主流は気体の圧縮・膨張と熱交換を組み合わせたもので、一般家庭でもみられる製品でヒートポンプを使っているものとして冷凍冷蔵庫、エアコン、ヒートポンプ式給湯器などがある。
家電製品の分類の「ヒートポンプ」は、「ヒートポンプ式給湯器」を示し、冷蔵庫やエアコンなどはヒートポンプ式とは呼ばない。 19世紀後半より、熱力学の理論としては確立されていた。当初は熱移動による冷却技術として利用が始まり、その後1970年代後半には熱回収によって加熱を行う省エネルギー技術としても利用されるようになった。 冷却にも加熱にも同じ原理が使える。熱の移送の方向を逆にして同じ装置を加熱にも冷却にも使ったり(エアコンなど)、冷温熱同時取り出し(給湯製氷機など)も可能である。 冷却(冷房・冷蔵・冷凍・製氷)には実用的な代替手段が乏しいため、全ての分野でヒートポンプが使われている。 加熱(暖房・給湯)の場合、発熱現象そのもの(燃焼など)を利用する従来の方法に徐々に取って代わりつつある。大気・地中熱・水(地下水・河川・下水道)・排熱等から、投入エネルギー(電気が多いがその他の動力・熱のものもある)よりも多い熱エネルギーを回収して利用する[2]。適切な条件下で利用すれば省エネルギーや温暖化ガスの排出量削減が可能であり、地球温暖化への対策技術の一つにも挙げられている[3]。 理論上は逆カルノーサイクルが最高効率である。
概要
原理気体液化ヒートポンプのしくみ。
1:凝縮器、2:膨張弁、3:蒸発器、4:圧縮機
赤が高温、青が低温。
気化熱+凝縮熱
冷蔵庫、冷凍庫、エアコンなどで使われるヒートポンプでは、熱媒体の気化熱および凝縮熱を用いて周辺環境中の空気、水、土、岩と熱のやり取りを行う。熱媒体は機器の用途によって呼び方が変わり、冷却機器であれば冷媒、加熱機器であれば熱媒とも呼ばれる。熱媒体を用いるヒートポンプによる熱移動では可逆(逆の順番も可能)な発熱現象と吸熱現象を共に利用する。冷暖房では、熱媒体を減圧
格子振動
ペルティエ素子などの半導体を用いたヒートポンプ機器では電流を熱電素子に流すことにより素子内部に格子振動を人工的に引き起こして熱移動を行う。主に精密な温度管理が求められる医療用機器や小型の冷温庫に用いられる。
種類ペルティエ素子(半導体ヒートポンプ)
動作原理・動力源・熱源等に応じて、下記のような分類がある。 熱の輸送原理により、下記のように分類される。
動作原理による分類
冷媒・熱媒に起こる発熱・吸熱現象を利用するもの
蒸気圧縮ヒートポンプ(気体液化ヒートポンプ) - 液体が気化する際の気化熱と、再び液体に戻る際の凝縮熱を利用する。
スターリングヒートポンプ - スターリングエンジン(温度差からエネルギーを得る)の逆現象
化学ヒートポンプ(ケミカルヒートポンプ) - 互いに可逆な発熱反応と吸熱反応を利用する。
吸収式ヒートポンプ
吸着式ヒートポンプ
化学反応式ヒートポンプ
その他 - ハイドレートヒートポンプ、水素吸蔵ヒートポンプなど。
その他の発熱・吸熱現象を利用するもの
磁気冷却 - 磁気熱量効果を利用する。
熱音響冷却 - 熱音響現象(熱と音波の相互変換)を利用する。
温度差を直接生み出すもの
ペルティエ素子(半導体ヒートポンプ) - ペルティエ効果を利用する。
ペルティエ素子は、エネルギーを費やして熱を移送するヒートポンプではあるが、通常のヒートポンプとは大きく動作原理が異なり、冷媒・熱媒を循環等させるポンプや相当する駆動部品もない。そのため、ヒートポンプに含めないこともある。 冷媒・熱媒を移送する(循環させる)動力源による分類もある。これらは動作原理を示したものではない。 熱源や用途に応じて、下記のような分類がある。
動力源による分類
電気ヒートポンプ (EHP) - 電気モーター
ガスヒートポンプ (GHP) - ガス燃料(主に都市ガスまたはLPG)を用いた産業用エンジン(ガスエンジン)
石油ヒートポンプ - 石油(主に灯油 (KHP) )を用いたディーゼルエンジン[要出典][注釈 1]
熱源・用途による分類
空気熱ヒートポンプ…空気(大気)を熱源とする[5]。エアコン等の用途で、最も広く用いられている[6]。
地中熱ヒートポンプ…地中熱、もしくは湖沼などを熱源に用いる[7][8]。