ヒンドゥースターニー語
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ヒンドゥスターン語
ヒンドゥスターニー語
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デーヴァナーガリー文字ナスタアリーク体による「ヒンドゥスターニー」
話される国 インド
パキスタン
フィジー
ガイアナ
マレーシア
スリナム
トリニダード・トバゴ
地域南アジア太平洋カリブ海
話者数5億4000万人
言語系統インド・ヨーロッパ語族

インド・イラン語派

インド語派

中央語群

西ヒンディー語

ヒンドゥスターン語





表記体系デーヴァナーガリー
ウルドゥー文字
公的地位
公用語 インド
パキスタン
フィジー
言語コード
ISO 639-1hi(ヒンディー語)
ur(ウルドゥー語)
ISO 639-2hin(ヒンディー語)
urd(ウルドゥー語)
ISO 639-3各種:
hin — ヒンディー語
urd — ウルドゥー語
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南アジアにおけるヒンドゥスターニー語使用地域図。濃い緑が母語話者地域、緑が公用語地域、薄い緑が第二言語としての話者が多い地域

ヒンドゥスターニー語(ヒンドゥスターニーご)は、インド・アーリア語派に属する言語で、一般にはインド公用語ヒンディー語、およびパキスタンの公用語・ウルドゥー語として知られる複数中心地言語である。インド亜大陸北部に「ヒンディー・ベルト」と呼ばれる方言連続体を形成しているが、デリー方言(カリー・ボリー)が中心的な方言であり、標準ヒンディー語、標準ウルドゥー語はいずれもデリー方言を基礎としている。南アジア(特に北部)のリンガフランカであり、話者の多く住むフィジーでも公用語のひとつとなっている。また、北部インドからの移民の多かったトリニダード・トバゴガイアナスリナムにも話者が存在する。
概要

「ヒンドゥスターニー語」という語は、いくつもの異なった意味で用いられる。
デリーを含む地域で話される自然言語。インド・アーリア語派中央語群の西ヒンディー諸語のひとつで、カリー・ボーリーとも呼ぶ。ウルドゥー語ヒンディー語の基盤になった。

19世紀にインド総督ウィリアム・ベンティンクによってインドの官庁で使われる公用語に定められた言語[1]。ウルドゥー語から極端なペルシア語の影響を除いて、一般民衆の言語に近づけたもの。インドの独立後は公用語としての地位を失った。

現代におけるウルドゥー語とヒンディー語の共通部分、または両者の中間的形態、または両者の総称。

「ヒンドゥスターニー」の名称は当初第二の意味であり、「インドの言葉」を意味した。18世紀末にベンガル総督のマクファーソンの時代に、イギリス人によって命名された[2]

新インド・アーリア語のひとつである(第一の意味の)ヒンドゥスターニー語を基盤としてウルドゥー語が成立したが、この言語には上層としてペルシャ語アラビア語の語彙や文法の影響がきわめて強い。これらの借用語は多くの固有語を廃語に追いやった。後の『ヒンディー語』成立の際の言語純化でも、これらの固有語を復活させることはせず、代わりにサンスクリットからそのままの形の単語を新たに直接借用する形を取った。これらの分化は19世紀頃起こった。

現在では、ヒンディー語とウルドゥー語の総称として、また両言語の話者が日常生活に用いる両言語の混交、中間形態をさす言葉としても用いられる。これはおそらく北インドから西インドにかけての事実上の共通語であり、各地域・言語別に大別されるインド映画のうち「ボリウッド」と呼ばれるヒンディー語娯楽映画においても通常用いられる。

諸方言の中ではデリー方言がもっとも権威があり、ヒンディー語ウルドゥー語共にデリー方言を基盤にしている。その地位の高さから、インド語派に属する近縁の言語のみならず、ドラヴィダ諸語に属する南インドの言語にも強い影響力を持ち続けてきた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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