ヒューストン美術館
The Museum of Fine Arts, Houston
ヒューストン美術館(オードリー・ジョーンズ・ベック棟)
ヒューストン美術館(英語: The Museum of Fine Arts, Houston、略称 MFAH)は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンにある、全米屈指の規模の美術館である[2]。美術館の収蔵品は60,000点近くにのぼり、世界各国の6,000年前から現代に至る様々な作品を収集している[2]。
美術館は展覧会などのプログラムや出版などを通じてヒューストンの社会に恩恵を与えており、展覧会、ワークショップ、リソース・センターなどを訪れる客は年間125万人に及ぶ。また美術館の館外活動には50万人以上が参加する[3]。 ヒューストン美術館の展示面積は30万平方フィート(28,000平方メートル)であり、アメリカでも5本の指に入る規模をもつ。美術館はダウンタウンのメイン・キャンパスに5つの施設を、さらに館外に2つの施設を有する。 1900年に、公立学校での芸術および文化教育を強化する目的でヒューストン・パブリック・スクール・アート・リーグ(Houston Public School Art League)が設立されたことに美術館の起源がある。1913年にヒューストン・アート・リーグと改称し、1917年に美術館建設のための用地を取得した[4]。1924年にウィリアム・ウォード・ワトキンの設計で美術館本館が開館したが、これはテキサス最初の美術館でアメリカ合衆国南部でも3番目の美術館だった[5]。2年後には早くも増築が行われた。 美術館の収蔵品は、その後テキサス州の石油ブームを背景に多数の市民による寄付で拡大していった。
施設
メイン・キャンパスの施設リリー・アンド・ヒュー・ロイ・カレン彫刻庭園の入り口
キャロライン・ワイス・ロウ・ビルディング(Caroline Wiess Law Building) - この展示棟はウィリアム・ウォード・ワトキンの設計により1924年に完成した新古典主義建築の建物で美術館の本館にあたる。ミース・ファン・デル・ローエの設計により1958年にカリナン・ホール(Cullinan Hall)が、1974年にブラウン・パビリオン(Brown Pavilion)が増築された。
オードリー・ジョーンズ・ベック・ビルディング(Audrey Jones Beck Building) - スペインの建築家ラファエル・モネオの設計で2000年に開館した建物で、その展示面積は14,693平方メートルに達しメイン・キャンパスの展示面積を倍増させた。
リリー・アンド・ヒュー・ロイ・カレン彫刻庭園(Lillie and Hugh Roy Cullen Sculpture Garden) - 日系アメリカ人の彫刻家・造園家イサム・ノグチの設計による彫刻庭園で、1986年に公開された。
グラッセル美術学校(Glassell School of Art) - 1979年創立の美術大学で、建物はS.I.モリスの設計による。
管理棟及びグラッセル・ジュニア・スクール・オブ・アーツ(Central Administration and Glassell Junior School of Art Building) - 美術館全体の管理部門と、アメリカの美術館でも唯一の子供向け美術教室を主催するグラッセル・ジュニア・スクール・オブ・アーツが入居する。1994年に、地元建築家カルロス・ヒメネスの設計で開館した。
メインキャンパス外バイユー・ベンド
バイユー・ベンド・コレクション(Bayou Bend Collection and Gardens) - この建物と庭園は、ヒューストンの慈善活動家・美術品収集家・パトロンで、20世紀のテキサスで広く尊敬された女性アイマ・ホッグ(Ima Hogg)の邸宅であった。ジョン・F・ストウブ(John F. Staub)の設計で1928年に完成した邸宅には、全米有数のアメリカ装飾美術および家具のコレクションがおさめられている。ホッグは1957年にコレクションと邸宅を美術館に寄付し、1966年に公開された。
リエンツィ(Rienzi) - 美術のパトロンであったキャロル・スターリング・マスターソン(Carroll Sterling Masterson)とハリス・マスターソン3世(Harris Masterson III)夫妻の邸宅およびヨーロッパ装飾美術のコレクションからなる。1991年、死後に美術館に寄贈されるという契約が交わされ、ハリス・マスターソンが没した1997年に美術館に引き渡されて1999年に公開された。
歴史バイユー・ベンドの庭園