ヒュンダイ・エラントラ
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CN7型エラントラ(フェイスリフトモデル)

ヒョンデ・エラントラ(Hyundai Elantra)は、韓国ヒョンデ自動車が生産するセダンを中核とした小型乗用車である。4代目は韓国車で初のハイブリッドカーが設定された車種である。

なお、韓国国内ではエラントラは初代のみを指す呼称であり、2代目以降はヒョンデ・アバンテ(Hyundai Avante)を名乗っている。また、過去のモデルとの併売が間々ある中国では4世代のエラントラが併売されており、2016年5月現在、北京現代の公式サイトにはXD系(Elantra)、HD系(Elantra Yuedong)、MD系(Langdong)、そして最新型のAD系(Elantra Lingdong)が掲載されている。
歴史
初代(J1型、1990年-1995年)初代エラントラ(前期)初代エラントラ(後期)1991年式のG4CR(=4G61)エンジン

1990年10月、ステラの後継車種として登場。ただしこの車名に関して、ヨーロッパでは英ロータスから、オーストラリアでは三菱自動車の現地法人から、それぞれクレームがついたため、これらの地域では2代目まではラントラ(Lantra)の名称が使用された。

発売当時はそれほど人気モデルではなかったが、経済性や性能で次第に評判を得て、最後は国内・海外合わせて100万台以上の販売実績を誇るベストセラーとなった。また、このエラントラ並みの大きさや性能を持つ車を韓国では「準中型車 (????) 」または「中小型車 (????) 」と呼び始めたが、後にこれは韓国でCセグメント車を称する名称になった。韓国国内でのキャッチコピーは「"??????(ヒューマンタッチ・セダン)"」(発売初期)「"??? ????(高性能エラントラ)"」「"??? ??(高性能神話)"」(後期最終型)。

1993年4月にマイナーチェンジ。フェイスリフト等の変更が行われ、「ニューエラントラ」と名付けられた。
2代目(J2型、1995年-2000年)2代目エラントラ(前期)

1995年3月登場。この代から韓国ではアバンテ(Avante)に車名が変更された。同年9月にステーションワゴン「アバンテ・ツーリング(AVANTE TOURING)」も発売されたが、韓国国内では人気が低かったため、後継となるXD型では設定されなかった。

1998年2月にマイナーチェンジ、前期モデルと区別するために「オールニューアバンテ(All New AVANTE)」と呼ばれるようになる。同時にアバンテツーリングもマイナーチェンジし「オールニューアバンテツーリング(All New AVANTE TOURING)」と呼ばれるようになった。また、オールニューアバンテには韓国国内初となるリーンバーンエンジンを搭載したモデルが設定された(ちなみに、新型アクセントにも同時期にリーンバーンエンジンが搭載された)。

ステーションワゴン(北米仕様)

後期型セダン(北米仕様)

3代目(XD型、2000年-2006年)3代目エラントラ(2005年モデル)

2000年4月登場。韓国ではアバンテXDとして発売されている。開発コード名の「XD」は「エクセレント・ドライビング」の略称であり、後期型韓国仕様CMではその旨が言及されている。前作と異なり、かなり直線的な外観を特徴としている。ボディタイプは4ドアセダンおよび5ドアハッチバック(エラントラユーロ)が用意されている。韓国市場ではアルファ1.5Lガソリンエンジンとベータ2.0Lガソリンエンジンを搭載しており、韓国以外の市場では1.5Lディーゼルエンジンを搭載したモデルも販売された。 1.5Lには、SOHCのリーンバーンとDOHCの2種類のバリエーションが存在した。 同年11月にはハッチバックの5ドアモデルが韓国市場で発売。 基本仕様は1.5Lを搭載しており、「レーシング」グレードでは2.0Lを搭載し、より強力な性能を追求した。

2002年には日韓ワールドカップを記念した3000台限定の「ワールドカップエディション」が韓国市場で販売された。2003年にマイナーチェンジが行われ、フロントマスクが大幅に手直し(フェイスリフト)された。初期型と異なり、曲線を多用したデザインに変更された。韓国仕様での変更点としては、それまで2.0L仕様のみであったVVTを1.5L仕様にも採用したことや、ABSを最下位グレード以外の全グレードに搭載したことなどがある。2004年には従来の1.5Lを1.6Lに置き換え、2005年には1.5Lのディーゼルエンジンを韓国仕様に追加した。

韓国で2006年にHD型にフルモデルチェンジされた後も、日本・中国・インド等では引き続きXD型が販売された。
日本仕様車について

日本では2001年発売。当初はセダン(エラントラ)とハッチバック(エラントラ ユーロ)の両方が販売されていたが、2003年のフェイスリフト後はセダンのみのラインアップとなっている。ほぼ5ナンバーサイズと言っても差し支えない(全長・全高に至ってはT240系アリオン/プレミオよりもむしろ短い)が、全幅が5ナンバーサイズ上限の1700mmを25mmオーバーしているため3ナンバー登録である。

日本仕様車にはベータシリーズの直4DOHCエンジンが用意されている。2.0Lは全車ATだが、1.8Lに関しては前期型のセダン(1.8GL GH-XD18型)に5速MTが設定された時期があった。なお、当初はセダン3グレード/ユーロ2グレードでそれぞれに2種類のエンジンが設定されたが、その後のグレード整理によりユーロは1.8Lのみとなっていた。また、フェイスリフト直後も1.8Lのみの設定だった。車体価格の安さ(後期型税込み価格は約140万?165万円)から、都内の一部の個人タクシーで採用されている。

日本市場では販売の低迷から2008年4月7日に販売を取り止めることを決定し、在庫が無くなり次第販売終了となった。 ⇒[2][3]

次期型のHD系は日本に投入されていないが、それと同一のプラットフォームを使用したハッチバック及びステーションワゴンのi30が投入さたこと、その上i30自体アメリカではエラントラを名乗ることを考えると、日本やアメリカではエラントラはセダンからハッチバックおよびステーションワゴンへの完全移行を伴う実質的なフルチェンジを行ったと解釈できる。
自動車衝突安全テスト

機関試験年評価備考
EURO NCAP2001Adult Occupant ★★★☆☆
Pedestrian★★☆☆
出典フェイスリフト前
1.6L 左ハンドル 5ドア
※ただし公式資料では「4-door saloon」とされている。
NHTSA2003正面衝突 ドライバー:★★★★☆ 助手席:★★★★★
側面衝突 ドライバー:★★★★★ 助手席:★★★★☆
耐横転性 ★★★★☆
出典フェイスリフト前
サイドエアバッグ付き 4ドア

中国仕様車について

オリンピック直前に北京タクシーとしておよそ8万台が受注され、北京市内のタクシーの相当量で使用されたことがある。中国においては、MD系が登場した2012年4月現在においても、フェイスリフトを重ねながらXD系の販売が行われて続けている。中国名は「伊蘭特」。現在販売されているものは外観上基本的には他国向けの後期型と大差はない。しかしグリルとフロントバンパーが変更されており、さらにメーカー文字エンブレムは「Hyundai」ではなく現地合弁の「北京現代」となっている。北京現代のラインアップ刷新で2019年に販売を終了している。

3代目エラントラ前期・日本仕様車 1.8GL(XD18型)

3代目エラントラ後期・日本仕様車 2.0GLS(XD20型)

日本仕様1.8GL前期型に搭載されているベータエンジン (G4GB)

前期型5ドア(日本名エラントラ・ユーロ) 豪州仕様車GLハッチバック

前期型5ドア 豪州仕様車GLハッチバック

中国仕様タクシー(II型)

中国仕様車(III型)

中国仕様車(III型)

4代目(HD型、2006年-2010年)4代目エラントラ

2006年4月のニューヨーク国際オートショーで世界初公開された。続いて韓国でも同じく4月開催の釜山モーターショーで新型アバンテが発表されたが、ストライキの影響で生産が遅れ、6月にようやく販売を開始した。歴代のエラントラで初めて電動式パワーステアリングが装着された。 しかし、初期型の電動パワステはハンドルがロックする現象やカップリング耐久性不良問題などの品質問題が時間が経つにつれ浮上し、リコールが行われた。ボディタイプはセダンのみ。エンジンは北米仕様が2.0L(ベータエンジン)で、韓国仕様はこれに加えて新開発の1.6L(ガンマエンジン)、および1.6Lのコモンレールディーゼルエンジン(Uディーゼルエンジン)も用意される。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがインホイールタイプのマルチリンク。ボディーサイズ(韓国仕様車:06年6月19日現在)は全長4,505mmx全幅1,775mmx全高1,480mmで、先代型(XD系)に比べ全幅・全高が約5cmほど拡大されている。

韓国国内での車名はソナタグレンジャー同様サブネームが外れ「アバンテ」となるが、便宜上「アバンテHD」としばしば呼ばれる。


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