ヒュムノス語
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ヒュムノス語

Hymmnos
創案者土屋暁
設定と使用コンピュータゲーム『
アルトネリコ』シリーズ中の架空世界言語。楽曲の歌詞。
話者数?
目的による分類人工言語

ヒュムノス語

表記体系ヒュムノス文字(ラテン文字の翻字)
言語コード
ISO 639-3?
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ヒュムノス語(ヒュムノスご)とはバンプレストガスト原作のコンピュータゲーム『アルトネリコ』シリーズ(PlayStation 2およびPlayStation 3用ソフト)およびその関連作品に登場する架空の言語である。また、作品外において単にヒュムノスと称する場合はヒュムノス語そのものでは無くヒュムノス語で綴られた楽曲を指す場合もある。
概要

アルトネリコシリーズは、過去の人災によって文明の一部が失われ、残ったテクノロジーの一部が魔法として認知されている世界を舞台としたSFファンタジー作品である(詳細は「アルトネリコ」を参照)。ヒュムノス語は、同作における魔法の詠唱シーンなどの台詞や劇中歌、背景グラフィックなど全編に渡って登場する、同作オリジナルの人工言語であり、その単語の意味や文法には詳細な設定が用意されている。これらヒュムノス語のメッセージの多くは、作中ではその意味が明かされていないものの、公式サイト内のコンテンツなどの[1]作品外の媒体で翻訳のための手引きが用意されており、プレイヤーはこれらのメッセージを翻訳することによって、劇中歌に秘められた登場人物の心情などといった、隠された意味を解き明かすことができるようになっている[2]

作中では想音言語、感情言語とも呼ばれるが、通常は単に「ヒュムノス」と呼ばれることが多い。しかし、ヒュムノスとはアルトネリコの世界では「詩」という意味も持つので、両者の違いが紛らわしい時には用いない。日常生活では別の言語(Shell(シェル)言語)が使用されており、ヒュムノス語は一般人からは古代語と認識されているため、レーヴァテイル以外が使用することは稀であるが、呪文・隔壁操作・塔の管理などの用途にも使用されている。

以下の内容はゲームの世界における理論、物理法則、歴史などを含む文章で構成されている。なお、本項目においては第一塔を『アルトネリコ』、第二塔を『ソル・マルタ』、第三塔を『ハーヴェスターシャ』と記述する。また、それぞれの塔がある地域は『ソル・シエール』、『メタ・ファルス』、『ソル・クラスタ』、世界全体をさす場合は『アルシエル』と記述する。
歴史
ヒュムノス語全体
紀元前
ある特定の言葉を発すると、特異な効果が得られることが人々に知られ始める 
A.D.91年
他地域とは隔絶されたメタ・ファルス文明圏で、言葉の力を操る『謳掌術』が誕生する。
A.D.348年
現在確認できる最古のヒュムノス語 "chs"「?になる」が誕生する。
A.D.421年
最古のヒュムノス語文章 "Was yea ra chs hymmnos mea."「私は謳になる。至高の喜びを噛みしめながら」が確認されている。
A.D.440年
月奏という言葉の載っている最古の記述。
A.D.768年
エル・エレミア地方のヴァルナ王国が奇妙な魔法を使い始める。
A.D.770年
エル・エレミア地方の残り二国ブラストとシルヴァにも魔法が伝わり、「祈祷詩」と呼ばれるようになる。
A.D.1228年
祈祷詩の使い手達が「月奏」と呼ばれるようになる。
A.D.1883年
実証主義社会が形成され始め、月奏は衰退。
A.D.1919年
宗主国メタ・ファルスが音の力を国家の力とするため、世界中の月奏を集める。古メタファルス律の原型が誕生。
A.D.1998年
月奏の奏でる詩を敬意を表して「ヒュムノス」と呼称するようになる。
A.D.2022年
ソル・クラスタからエル・エレミア地方に使節が来訪する。
A.D.2050年
価値観の違いからかソル・クラスタとエレミア諸国との間で「エル・エレミア千年戦争」が始まる。
A.D.2665年
国土が荒廃する中でエレミアの三国が手を結び、統一国家「エル・エレミア」が建国される。
A.D.2912年
全ての始まりとなる年。後に「音科学の父」と呼ばれる月奏によって、唄石の力が発見される。
A.D.2934年
月奏が衰退し、ごく僅かな家系がひっそりと続くのみとなる。
[3]
A.D.2940年
レーヴァテイル計画が発足する。
A.D.2973年
唄石の力と共にヒュムノスに注目が集まり、本格的な研究がはじまる。
A.D.3016年
メタ・ファルスとエル・エレミアが遭遇し、交流が始まる。
A.D.3040年
グラスノインフェリア発生。大地を失い、人々は3本の塔周辺でしか生活できなくなる。アルシエルではこれ以降を第二紀と呼んでいる。
ソル・シエール(主に中央正純律)
A.D.2968年
『原初の塔』運用開始。ただし、この頃の塔は巨大なヒュムノスのデータベースに過ぎなかった。
A.D.2983年
アルトネリコ建設開始。
A.D.3001年
ωスペクトラム(※1)が発見され、ヒュムノスを計算で分析できるようになる。これにより、ヒュムノスは急激に発展した。
A.D.3013年
アルトネリコ完成。
A.D.3018年
エル・エレミアの塔管理局により中央正純律とヒュムノス文字が策定される。
A.D.3031年
最初のレーヴァテイル・オリジン、エオリア(シュレリア)が誕生。
A.D.3420年
ミュールの反乱が発生し、ホルスの右翼が崩落する。ソル・シエールは高度な文明を失う。ソル・シエールでは、これ以降を第三紀と呼んでいる。
A.D.3770年
現在。ヒュムノス語はもはや古代語となり、一般人は塔の存在理由すら知らない。
メタ・ファルス(主に古メタファルス律、新約パスタリエ)
A.D.3027年
ソル・マルタ建設開始。
A.D.3075年
メタ・ファルス独自の詩魔法サーバーである『インフェル・ピラ』の構想が生まれる。
A.D.3291年
インフェルがI.P.D.転写され、初のインフェル・ピラ依存体(I.P.D.レーヴァテイル)が生まれる。
A.D.3308年
インフェルにより新約パスタリエのプログラムが始まる。
ソル・クラスタ
A.D.3037年
第3塔の原初の塔の建設開始。

※ A.D.とは、アル・シエルの年号。「神々しい音の時代」をあらわす "Ammue Dius" の略。この世界の紀元は音が力として認識された年である。

※1 ωスペクトラムとは、詩の一瞬間から全ての想いを汲み取る、四次元的展開法。人間がある詩を思い出すとき、脳内では一瞬でその詩を把握できる。そのことを応用した方法である。この発見により、塔がヒュムノスを紡げるようになった。

文字

ヒュムノス文字と呼ばれる独自の文字を使用している。ラテン文字の基本字(a?zおよびA?Z)、数字の0?9、および - . , : / > < = # の記号に一対一で対応しているため、ラテン文字化は容易である。ただし単語や発音においては、様々な言語をベースにつつオリジナルなものも多く含まれるため、ラテン文字に変換した後の邦訳にはまた別種の作業を要する。
ヒュムノス文字の形

ヒュムノス文字の形は、それぞれの音のエネルギーや指向性を表している。文字の中心を音源とし、その周りの円弧・鉛直水平線・放射線の3種類の要素で構成されている。円弧は『安らぎ』のα波、鉛直水平線は『緊張』のβ波、そして放射線は『刺激』のγ波のエネルギーをそれぞれ表している。

ヒュムノス文字の意味文字意味文字意味
A力N無
B世界O邪
C変化、成長P生と死
D魔、闇Q無知
E愛R生命
F伝導、伝わるS願い
G破壊、罰T己、自分
H炎、火U憎悪
I聖V喜び
J未知W精神、魂
K創造と破壊X守護
L他者、あなたY光
M慈悲Z神

ヒュムノス文字の意味

ヒュムノス文字は(数字と記号を除き)ラテン文字の基本字と同じく26文字があり、その26文字の中で6大発想元素と20小素に分類される。律史前月読の時代には文字(発音のスペクトラム)一つ一つの効果から意味が研究されていき、単語というよりは文字の組み合わせで用いていた(そのため、律史前月読の単語には同じ文字を重ねたものが多数存在する)。それぞれの文字のスペクトラムに付いて研究が進むにつれ、単語という形で使用されるようになっていった。
6大発想元素
6大発想元素とは、英語の母音にNを加えた、A/I/U/E/O/N の6文字を指す。ヒュムノス語においては、この6大発想元素が母音に当たり、新約パスタリエでは想音動詞の想母音として用いられている。それぞれの文字は、A:力音 /I:聖音 /U:憎音/E:愛音/O:邪音/N:無音を表している。
20小素
20小素とは、ラテン文字の基本字から6大発想元素を除いた文字、すなわち英語でのNを除く子音をさす。それぞれの文字に日本語に相当する意味があるが、これは月奏が律史前月読の研究によって発見していったものなので、必ずしも1つには定まらない。また、組み合わせることによって意味が変化することもある。
派生

ヒュムノス語にはそれぞれ生まれた場所や経緯によって様々な派生が存在する。この派生を『律』と呼び、共通する部分もあるが、それぞれ異なった文法体系や単語を持つ。
ヒュムノス語成立以前

ヒュムノス語の原型になったとされるものを示す。
アル・シエラ(星語)

アル・シエラとは星(アルシエル)が紡ぎだす言語で、人間のための言語ではない。律史前月読の元となった言語であり、ヒュムノス語ではないため、表記にはヒュムノス文字でない別の文字を用いる。人間の可聴域を遥かに超える周波数を持つため、発音から全ての意味を汲み取ることは不可能であり、アルキア研究所にて研究が進められているものの、ごく一部の音の表面的な意味をなんとなく把握しているのみである。
律史前月読(りっしぜんつくよみ)

最も古いヒュムノス。正確にはヒュムノスとは言えず、呪いや掛け声のようなもの。

第一期において、わずかながら言葉には力があることが知られていた。人々は、詳しいことは知らなかったが、その言葉の力を認識していたのである。やがて、様々な力を持った言葉を知る、月奏という者達が現れた。そして、文字に分解したときのアルファベットに力があることを知ったのである。すなわち、ヒュムノスの原点は各文字にある。それを発展させて単語単位まで体系化したものがクルトシエール律である。律史前月読によって、ヒュムノス動詞の語源を探ることが出来るといわれている。

律史前月読の実例としてはヒュムノスミュージカルのスピカ編の『Xa Ziqt wac s』がある。

「律詩前月読」は誤植である[4]
ヒュムノス語成立以後

上記の2つの律は正確には律とは呼ばず、ヒュムノス語でもない。正式にヒュムノス語とされるのはクルトシエール律以降の律である。現在(A.D.3770前後)では主に以下の6つの律がある。
クルトシエール律(I紀前古代語)


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