ヒドロキシル化(ヒドロキシルか、英: hydroxylation、現IUPAC名称にならうとヒドロキシ化)は、有機化合物に酸化あるいは置換反応させながら1つ以上のヒドロキシ基(ヒドロキシル基)を導入する反応である。生化学では、酸化還元酵素の一つであるヒドロキシラーゼによって容易に起こる。
タンパク質のヒドロキシル化ヒドロキシプロリンヒドロキシリシン
プロリンのヒドロキシル化はタンパク質において重要で、Cγ原子に起こり、ヒドロキシプロリンとなる。これは、コラーゲンの架橋結合にとって必須要素である。プロリンのヒドロキシル化反応は、低酸素誘導因子(英:HIFs
)にとっても必要不可欠な反応である。また、プロリンのヒドロキシル化反応がCβで起こる場合もある。リシンにヒドロキル化反応が起こると、C5の位置で反応し、ヒドロキシリシンとなる。これら3つの反応は、プロリル 4-ヒドロキシラーゼ、プロリル 3-ヒドロキシラーゼ、リシル 5-ヒドロキシラーゼの3つの酵素を活性化させる。これらの反応は酸化を実行させるために補因子に鉄(または、酸素分子・α-ケトグルタル酸塩)を必要とする。また、酸化された酵素活性中心である鉄の還元にはアスコルビン酸(ビタミンC)が使われる。アスコルビン酸塩の欠乏は、プロリンのヒドロキシル化反応の不足に繋がり、不完全なコラーゲンが生成する。これは壊血病として症状が現れる。
柑橘類はビタミンCを豊富に含んでいるため、昔、イギリスの船員達には遠洋航海のとき、壊血病予防のためにライムが与えられていた。そのため、イギリス海軍の水兵はライミーズと呼ばれるようになった。
関連項目
フェニルアラニンヒドロキシラーゼ
チロシンヒドロキシラーゼ
ヒドロキシリシン
ヒドロキシプロリン
水和反応
表
話
編
歴
タンパク質の一次構造と翻訳後修飾
全般
タンパク質生合成
ペプチド結合
タンパク質分解
ラセミ化
N末端
アセチル化
ホルミル化
ミリストイル化
ピログルタミン酸
メチル化
糖化反応
C末端
アミド化
GPIアンカー
ユビキチン化
SUMO化
リシン
メチル化
アセチル化
アシル化
ヒドロキシル化
ユビキチン化
SUMO化
デスモシン
ADPリボース化
脱アミノ
酸化的脱アミノ
システイン
ジスルフィド結合
プレニル化
パルミトイル化
セリン/トレオニン
リン酸化
グリコシル化
チロシン
リン酸化
チロシン硫酸化
ポルフィリン環結合
リボフラビン結合
アスパラギン
脱アミド
グリコシル化
アスパラギン酸
スクシンイミド形成
リン酸化
グルタミン
アミノ基転移