パーフェクトブルー
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この項目では、竹内義和の原作によるアニメ映画について説明しています。

宮部みゆきの小説およびそれを原作にしたテレビドラマ・実写映画については「パーフェクト・ブルー」をご覧ください。

Base Ball Bearのシングル曲については「PERFECT BLUE」をご覧ください。

パーフェクトブルー
PERFECT BLUE
監督今敏
脚本村井さだゆき
原作竹内義和
『パーフェクト・ブルー 完全変態』(1991年)[注 1]
製作総指揮鷲谷健
出演者岩男潤子
松本梨香
辻親八
大倉正章
音楽幾見雅博
撮影白井久男
制作会社マッドハウス
配給レックスエンタテインメント
公開 1997年7月(ファンタジア
1998年2月28日
2023年9月15日(4K版)[1]
上映時間81分
製作国 日本
言語日本語
製作費9000万円(音響制作費を除く)[2]
興行収入 $541,756[3]
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『パーフェクトブルー』(PERFECT BLUE)は、1997年日本アニメ映画。監督は今敏[4]竹内義和の小説『パーフェクト・ブルー 完全変態』[注 2]を原案としているが、内容は大幅に異なる。国内でのレイティングはR-15指定、その他ほとんどの国では18禁。コンセプトの「現実と虚構」は、今が平沢進のアルバム「Sim City」を聴いたことからインスピレーションを得たとしている[4]
あらすじ
序盤
アイドルグループの「CHAM」に所属する霧越未麻は、あるミニライブの最後に突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。未麻は事務所の方針に流されつつも、かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させる。初出演のドラマ『ダブルバインド』は途中出場でセリフが一言だけの端役から始まり、続いてレイプシーンを演じることとなる。さらにはヘアヌード写真集のオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。「CHAM」以来のファンたちは未麻の厳しい現状を嘆くが、彼女の女優生活は次第に軌道に乗り始める。
中盤
しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。レイプシーンやヘアヌードは本当の自分の姿なのか、自分が望んだことなのか。そんな疑問を抱く中、インターネット上に未麻になりすました何者かが「未麻の部屋」と題するウェブサイトを開設していることを知る。その内容は虚実を織り交ぜつつも、まるで未麻本人が書いたかのように詳細を極めていた。未麻はストーカーに監視されていたのだった。 「アイドルとしての未麻」が更新を続けるウェブサイトを見て、未麻は精神的に追い詰められる。また、未麻の事務所に手紙爆弾が送りつけられたり、『ダブルバインド』の脚本家を皮切りに関係者が次々と殺される事件が発生し、未麻の自宅にも取材陣が押し寄せる。
終盤
『ダブルバインド』は未麻が演じる女性が多重人格障害に陥ったとの形で結末を迎える。収録を終えた未麻は、途中からの出演ながら関係者一同から祝福を受けるが、打ち上げ会場に向かおうとした矢先、ストーカーの内田に出くわし、本物の未麻からメールを送られたと告げられる。ストーカーは目の前にいる未麻を偽物だとしてレイプして殺そうとするも、未麻の反撃を受けて気絶する。未麻が我に返ると、目の前には誰もおらず、後から来たマネージャーのルミによって車で送ってもらう。自室に戻ってきたと思った未麻だったが、水槽の中の熱帯魚や、窓から見える景色が異なることに気づく。振り向くと、アイドル時代の未麻の衣装を身にまとい、ウィッグを被ったルミが目の前に立っていた。
ラスト
実は事件の背後にいたのはルミだった。未麻にかつてアイドルだった頃の自分を重ね合わせていたルミは、未麻がアイドルの道から逸れることが許せず、アイドルとしての未麻のイメージを汚す者たちに制裁を加えるため、未麻になりすまして内田を利用していた。未麻への偏執的な思い込みをこじらせた末に、ルミはついには自分自身が未麻に成り代わらんとして、未麻を殺すべくアイスピックと傘を手に迫りくる。ルミの魔の手から必死で逃げる未麻。そして彼女を追うルミ。2人は逃走と追跡の末に街へと飛び出していく。しかし、もつれあった拍子にルミのウィッグが外れ、彼女は慌ててそれを拾おうとして、割れたガラス窓の破片で腹部を突き刺してしまう。苦しみに耐えかねて車道に飛び出したルミにトラックが迫りくるが、トラックのライトをスポットライトだと思い込んだルミは笑みを浮かべ微動だにしようとしない。未麻はとっさに駆け出してルミをかばい、共に重傷を負って病院へと救急搬送される。
エピローグ
その後、無事退院した未麻は女優業を続けて成功を収めつつ、いまだに自らを未麻と思い込んだまま入院しているルミを遠くから見守るために度々病院を訪れていた。ルミを見舞った後で乗り込んだ車内、未麻がバックミラー越しに笑顔を見せながら「私は本物だよ」と囁くシーンで物語は幕を閉じる。
登場人物
主要人物
霧越未麻(きりごえ みま)
- 岩男潤子本作の主人公。愛称はみまりん、みま姉など。山口県出身。ペットとして熱帯魚を飼っている。元々は「CHAM」というアイドルグループの一員として2年間活動していたが、事務所の意向で女優へ路線転向する。しかし現状への不満やストーカーへの恐怖などから、精神的に追い詰められていく。PCやインターネットには疎く、ルミの指導を受けてPCの基本操作やWebサイトの閲覧方法を覚えた。また、劇中に声のみだが母親(声 - 原亜弥)が登場しており親子仲は良い。
日高ルミ(ひだか るみ)
声 - 松本梨香未麻のマネージャーで、元アイドル。昔は痩せていたが、今は見る影もなく肥満体となっている。未麻を陰ひなたに支え、女優への転身に反対している。実は数々の事件の真犯人。芽が出ることのないままマネージャー業へと転身した過去から未麻にアイドル時代の自分自身を重ね合わせており、自身の描く未麻のイメージを壊した関係者たちに対して、アイスピックを用いて制裁を加えていた。その精神状態は病的な領域に達しており、自分自身が未麻だと思い込むまでになっている。謎のサイト「未麻の部屋」も彼女が未麻になりすまして運営していたものであり、サイトに入り浸っていた内田を利用して犯行を重ねていた。終盤では狂気を発露させ、未麻に成り代わるべく彼女のアイドル時代の衣装を身にまとって未麻を襲撃するが、外れたウィッグに気を取られたために大怪我を負い、痛みに耐えかねて道路に飛び出し通行中のトラックに轢かれる直前に未麻に助けられ病院に搬送される。その後は廃人同然と化し、自身を未麻と思い込んだまま病院暮らしをしている。
ドラマ関係者
手嶋(てじま)
声 -
秋元羊介サイコスリラードラマ『ダブル・バインド』を制作している放送局・KTBのプロデューサー
渋谷貴雄(しぶや たかお)
声 - 塩屋翼人気脚本家。未麻が途中から出演したテレビドラマ『ダブル・バインド』の脚本を手がける。未麻に汚れ役を与えたため、自宅マンションのエレベーター内でルミにメッタ刺しされ殺害された。
桜木健一(さくらぎ けんいち)
声 - 堀秀行『ダブル・バインド』の主演俳優。刑事の山城(やましろ)役を務める。
落合恵理(おちあい えり)
声 - 篠原恵美『ダブル・バインド』の主演俳優。主人公・麻宮?子(あさみや とうこ)役を務める。大量のファンレターが局に届くほどの人気女優で、共演したことをきっかけに未麻にとっての目標像にもなっていく。
監督、AD
声 - 梁田清之(監督)、津久井教生(AD)『ダブル・バインド』のスタッフ陣。
事務所の関係者
田所(たどころ)
声 -
辻親八未麻の所属事務所社長。未麻を積極的に女優として売り出していく。少々強引な営業でルミと何度か口論するが、根は悪人ではない。女優への転身という方針を打ち出したことがきっかけで、ファンレターに仕掛けられた爆薬で手に怪我を負わせられる。その後も怪我を負いながら未麻の売り込みとサポートを続けていた。しかし、ドラマに続いてビデオ映画の主演においても未麻にサービスカットがあることを知ったルミの怒りを買い、殺害された。
矢田(やだ)
声 - 古澤徹未麻の所属事務所の男性スタッフで、ポニーテールが特徴。未麻の抜けた新生「CHAM」のマネージャーも務めていた。
雪子(ゆきこ)、レイ
声 - 古川恵実子(雪子)、新山志保(レイ)未麻と共にアイドルグループ「CHAM」を組んでおり、未麻卒業後も二人で「CHAM」を続けていた。オリコンチャート入りやラジオで冠番組を持つ等、三人で活動していた時期よりも格段に人気が出始める。
その他の人物
内田守(うちだ まもる)
声 -
大倉正章コンサート会場の警備アルバイトを務めている男性。未麻に異常なほど執着している。劇中では最後まで名前が明かされなかった。数々の事件の犯人と未麻に疑われ、未麻に問い詰められた際にも自身が犯人であるかのようにほのめかしていた。しかし、実際はルミに利用されていただけだった。劇中終盤に未麻を襲撃し、レイプしようとしたが、彼女の反撃に合い気絶する。その後は用無しとしてルミによって始末された。
村野(むらの)
声 - 江原正士脱がせ専門」と噂されている斜視のカメラマン。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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