非常勤(ひじょうきん)、パートタイム(英:part-time)とは、勤務形態に関する用語で、労働契約における労働時間が、フルタイム勤務者よりも短い被用者を指す。
短時間労働者(たんじかんろうどうしゃ)・短時間勤務職員(たんじかんきんむしょくいん)ともされ、1週間の所定労働時間が、同一の事業所に雇用される通常の労働者(常勤、フルタイム)の1週間の所定労働時間と比較して短い労働者である[1]。
補助的な作業が多く、アルバイト、有期雇用のような人もいれば、弁護士、会計士などの専門知識を持つ人も含まれることもある。
常勤と比較するために使われるため、看護師、警備員など変形労働時間制が敷かれる場合には、非常勤とは呼ばれない。 国際労働機関(ILO)175号条約においては、パートタイマーを労働時間がフルタイマーのそれよりも短い被用者と定義している。同条約はパートタイマーに対し、団結権、同一労働同一賃金、社会保障などを付与することを求めている。 ? ⇒パートタイム労働に関する条約(第175号) 労働者災害補償保険は、すべての労働者に適用される。 常勤者が健康保険および厚生年金に加入できる場合、以下の条件を満たす場合は非常勤者も加入する義務が生じる。 なお複数の事業所でともに健康保険適用となる場合、保険料の計算に用いる標準報酬は、複数の事業所において合算して計算される[2]。 例外条項もあるため、詳しくは以下を参照のこと。「健康保険#短時間労働者」および「厚生年金#被保険者」も参照
目次
1 国際労働機関条約
2 産業による呼称
3 日本の状況
3.1 被用者保険(社会保険)
3.1.1 健康保険および厚生年金
3.1.2 雇用保険
3.1.3 短時間正社員
3.2 フルタイムへの転換
3.3 同一労働同一賃金の推進
4 脚注
5 関連用語
国際労働機関条約
第四条
次の事項に関し、パートタイム労働者が比較可能なフルタイム労働者に対し与える保護と同一の保護を受けることを確保する措置をとる。 (a) 団結権、団体交渉権及び労働者代表として行動する権利 (b) 職業上の安全及び健康 (c) 雇用及び職業における差別
第五条
パートタイム労働者が、パートタイムで働いているという理由のみによって、時間、生産量又は出来高に比例して計算される基本賃金であって、同一の方法により計算される比較可能なフルタイム労働者の基本賃金よりも低いものを受領することがないことを確保するため、国内法及び国内慣行に適合する措置をとる。
第六条
職業活動を基礎とする法定の社会保障制度は、パートタイム労働者が比較可能なフルタイム労働者と同等の条件を享受するよう調整される。この条件は、労働時間、拠出金若しくは勤労所得に比例して、又は国内法及び国内慣行に適合する他の方法により決定することができる。
産業による呼称
国や地方公共団体では、非常勤職員ということが多い。
学校教育においては、正採用ではない教員のうち、教諭に準ずる業務を行う「常勤講師」に対して、時間が短いないしは、限定したコマ数のみを担当するものを「非常勤講師」として区別する。
日本の状況
被用者保険(社会保険)
健康保険および厚生年金「106万円の壁」も参照
1週間の所定労働時間が、同一の事業所で働いている通常の労働者の所定労働時間の4分の3以上であること。
1ヶ月の所定労働日数が、同一の事業所で働いている通常の労働者の所定労働日数の4分の3以上であること。
雇用保険「雇用保険#被保険者」も参照