パーキンソン症候群
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パーキンソン症候群
概要
診療科神経学
分類および外部参照情報
ICD-10G20-G21
ICD-9-CM332
DiseasesDB24212
MedlinePlus000759
MeSHD020734
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パーキンソン症候群(パーキンソンしょうこうぐん、英語: Parkinson's syndrome)は、パーキンソン病以外の変性疾患や薬物投与、精神疾患等によりパーキンソン様症状が見られる疾患・状態を指す。パーキンソニズム (英語: Parkinsonism) ともよばれるが、パーキンソニズムは症状そのものをも意味する。
定義

症状はパーキンソン病のそれと全く同様であり、すなわち安静時振戦アキネジア(無動)・寡動、筋強剛(筋固縮)、姿勢反射障害の主要な4つの症状のうち2つ以上が認められる場合をいう。文献によっては四肢体幹の屈曲位、すくみ現象を含めた六徴のうち安静時振戦、アキネジア(無動)・寡動のほかもうひとつがあった場合を指す場合もある。筋強剛を中核症状と考えることが多い。UK PARKINSON’S DISEASE SOCIETY BRAIN BANK CLINICAL DIAGNOSTIC CRITERIAでは動作緩慢に加えて、筋強剛、安静時振戦、姿勢保持反射障害の3つのうち少なくともひとつが認められるときパーキンソン症候群としている[1]。International Parkinson and Movement Disorder Societyは2015年に新しいパーキンソン病の診断基準を定め、その中でパーキンソン症候群も定義し直している[2]
症状詳細は「パーキンソン病#症状」を参照
4大症状
安静時振戦

筋強剛(筋固縮)

アキネジア(無動)・寡動

姿勢反射障害

その他の主な症状

自律神経症状

精神症状

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出典検索?: "パーキンソン症候群" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2016年3月)

本態性パーキンソン症候群、二次性パーキンソン症候群、症候性パーキンソン症候群に分類される[3]
本態性パーキンソン症候群

パーキンソン病のほか若年発症パーキンソニズム、遺伝性パーキンソニズムが含まれる。パーキンソン病 (PD)、パーキンソン病-認知症 (PDD)、レビー小体型認知症 (DLB)をまとめてレビー小体病と呼ぶこともある。
パーキンソン病
詳細は「パーキンソン病」を参照
遺伝性パーキンソン病

遺伝性パーキンソン病は単一遺伝子の変異で起きるパーキンソン病であり2012年現在で18の遺伝性病型が報告されており、原因遺伝子は10個発見されている。遺伝形式は常染色体優性遺伝と常染色体劣性遺伝が知られている。これら遺伝性パーキンソン病に共通するのは中脳の黒質に障害があること、L-DOPAが有効な点である。中には知的機能障害、核上性眼球運動障害、錐体路徴候などを伴う症例もある。
PARK1/4
PARK1/4-linked PDはαシヌクレイン遺伝子の変異で起こる常染色体性優性遺伝のパーキンソン病である。αシヌクレイン遺伝子は4番染色体の長腕にあり117kbの長さで6個のエクソンからなるαシヌクレインをコードする。αシヌクレインは分子量14460であり140個のアミノ酸からなるタンパク質で二次構造を持たず、核と細胞質に発現している。シナプス伝達に何らかの役割を果たしていると考えられているが詳細は不明である。2012年現在PARK1/4-linked PDの原因として3種類の点変異と3重重複、2重重複が報告されている。重複症例はαシヌクレインの発現量が高く、それ自体がパーキンソン病の引き金になる。点変異はαシヌクレインが凝集しやすくなるため発症すると考えられている。
DYT3
DYT3はフィリピンのPany Islandの住民にみられる伴性劣性のジストニア・パーキンソニズムである。発症年齢は20から50歳で99%は男性である。臨床徴候は20代から30代に始まるジストニアで最初は一肢にはじまり、全身に及ぶ。最初始まる部位は下肢か頭頸部が多い。病理学的には尾状核と被殻が著明に萎縮している。
二次性パーキンソン症候群

二次性パーキンソン症候群とはパーキンソン病以外の神経変性疾患でパーキンソン症状も伴うものをいう。
多系統萎縮症
詳細は「
多系統萎縮症」を参照
進行性核上性麻痺
詳細は「進行性核上性麻痺」を参照
大脳皮質基底核変性症
詳細は「大脳皮質基底核変性症」を参照
ピック病
詳細は「ピック病」および「前頭側頭葉変性症」を参照
淡蒼球ルイ体萎縮症
淡蒼球・ルイ体、黒質の単純萎縮を呈する極めて稀な疾患である。
FTDP-17(MAPT)(17番染色体に連鎖する前頭側頭型認知症パーキンソニズム)
FTDP-17(MAPT)とは17番染色体長腕(17q21-22)に存在するタウ遺伝子(MAPT)の変異で起きる認知症とパーキンソン症候群を主徴とする優性遺伝の疾患である。progranulin遺伝子も17番染色体にあり、progranulin遺伝子変異による前頭側頭型認知層はFTDP(PRGN)と区別される。発症年齢は20?65歳、臨床症状は前頭葉型の認知症(性格変化、反社会的行動、自制力の欠如、性的行動異常、遂行機能障害、記銘力低下など)、振戦、固縮、無動、突進現象、歩行障害などからなるパーキンソン症候群が主体である。
FTDP-17(PRGN)(17番染色体に連鎖する前頭側頭型認知症パーキンソニズム)
FTDP-17(PRGN)とは17番染色体のprogranulin遺伝子変異によって起きる認知症とパーキンソン症候群を主徴とする優性遺伝の疾患である。progranulin遺伝子はタウ遺伝子と1.7Mb離れているだけで同じ17番染色体長腕に位置する。症状はFTDP-17(MAPT)に比べると個人差が多い。
FTLD-U(ユビキチン封入体を伴う前頭側頭型認知症)

アルツハイマー型認知症
詳細は「アルツハイマー型認知症」を参照
ハンチントン病
詳細は「ハンチントン病」を参照
PKAN(pantothenate-kinase-associated neurodegeneration)
PKANは1922年HallervordenとSpatzが初めて報告した疾患である。発症年齢は10歳から30歳程度である。臨床症状は多彩でジストニア、コレア、アテトーシスが前景にたつが、さらに動作緩慢、固縮、歩行障害、すくみ足などパーキンソン症候群を示す。症例によっては網膜色素変性、視神経萎縮、小脳失調、痙攣、筋萎縮、認知症などを示す。病理所見では鉄が淡蒼球と黒質に溜まるのが特徴である。常染色体劣性遺伝でありPANK2の変異が原因である。PANK2はアセチルCoAの生合成の酵素の遺伝子である。この遺伝子異常の結果脳に鉄が沈着するNBIA(neuronal brain iron storage disease)となる頭部MRIでは淡蒼球にT2低シグナル化とその中に等シグナルの領域が出現して虎の顔のように見える特徴がある。鉄の沈着を防ぐためキレート剤であるデフェリプロン(英語版)(サラセミア治療でも用いることがある)を用いるという治験がアメリカで行われた。
Neuroferritinopathy
Neuroferritinopathyは常染色体優性遺伝の疾患で19番染色体長腕にあるferritin light chainの遺伝子、FTL1の変異でおこる疾患である。脳にフェリチンが沈着し神経細胞死が起きる。発症年齢は13歳から63歳である。臨床症状はジストニア、コレア、パーキンソン症候群、小脳失調が知られている。特に顔面領域、口唇、舌におきるジストニア著明である。進行すると皮質下認知症も出現する。神経病理では被殻、線条体のかなりの部分は組織が崩壊し、空洞化がみられる。この空洞化は淡蒼球にまでおよぶ。組織が残存している部分には免疫染色でフェリチンと鉄の沈着が認められる。検査所見では血清フェリチンレベルが低下し、脳MRIでは淡蒼球、黒質、赤核、小脳歯状核にT2低シグナルが現れ、被殻、尾状核にはT2高シグナルが現れる。T1WIではT2WIで低シグナルになった領域が高シグナルになる。T2低シグナルは鉄の沈着を反映し、T2高シグナルは組織の変性を反映する。ドパミントランスポーターのSPECTは正常である。
セルロプラスミン欠損症
詳細は「セルロプラスミン欠損症」を参照
肝レンズ核変性症(ウィルソン病)
詳細は「肝レンズ核変性症」を参照
脆弱X関連振戦/失調症候群(FXTAS)
FXTASはX染色体にある脆弱X遺伝子(FMR1)の5'側にある非翻訳領域のCGG繰り返し配列の部分伸長による神経変性疾患である。症状の強さは伸長の強さに並行する。伸長したmRNAはtoxic gain of functionを示し、これが発症機序と考えられる。脆弱X症候群の完全変異では脆弱X症候群のタンパク質が作られず精神薄弱を呈する。発症年齢は成人男子で60歳代が多い。女性の保因者に症状が出現することはあるが軽度である。


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