パンパスギツネ
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パンパスギツネ

保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))

分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
:ネコ目 Carnivora
:イヌ科 Canidae
:スジオイヌ属 Lycalopex
:パンパスギツネ L. gymnocercus

学名
Lycalopex gymnocercus (Fischer, 1814)
和名
パンパスギツネ
英名
Pampas fox


パンパスギツネ(Lycalopex gymnocercus)は、南米パンパに棲息するイヌ科の一種である。和名にキツネとあり、英語でもPampas foxと呼ぶが、キツネ属ではない。
分布

アルゼンチン北部と中部、ウルグアイボリビア東部、パラグアイブラジル南部に棲息している。
形態パンパスギツネ(右)とアカギツネ(左)の歯列

パンパスギツネの外見はクルペオギツネに類似し、大きさも近いが、相対的に鼻先がより広く、頭と首の毛皮が赤く、鼻口部に黒い模様がある。ほぼ全身に短く高密度な毛が生え、背中から尾にかけて黒い縞が走り、腹側は色が薄く白に近い。耳は幅広く相対的に大きな三角形で、外側は赤味がかるが内側は白い。脚の内側は体の腹側と同じような薄い色だが、前肢の外側は赤っぽく、後肢の外側は灰色。後肢の下部には明瞭な黒斑がある。成獣は体長51 - 80センチメートル、体重2.4 - 8キログラムで、雄は雌より体重にして10パーセントほど大きい[2]
生態

開けたパンパを好み、農地周辺にいることも多いが、低山帯や湿地、チャコの森林にも見られる。標高1000メートル以下に最も多いが、最大で標高3500mのプーナ草原(英語版)にも棲息する[3]

普段は単独生活をしているが、繁殖期には一夫一妻のペアで行動し、仔を育てる。主に夜行性だが、昼間に活動することもある。洞穴、樹洞、ビスカッチャアルマジロの巣穴など、利用可能な空洞なら何でも巣穴に使う[2]。成獣は特定の溜め糞場に排便することで縄張りのマーキングをし、ペアで子育てをしている間でも狩りは単独で行う[4]。行動圏の大きさにはばらつきが大きいが、平均で約2.6平方キロメートル[2]

イヌ科で最も雑食性が強く、日和見的に幅広い餌を食べる。主に鳥類齧歯類ノウサギ果実、腐肉、昆虫を餌とするが、トカゲアルマジロカタツムリなどの無脊椎動物ヒツジ、地上営巣性鳥類のも食べる[2]。一方でピューマイヌに捕食される[3]

年に一度、早春に発情期を迎え、交尾する。妊娠期間は55 - 60日で、最大8頭の仔を産む。仔は9月から12月に産まれ、約2か月で乳離れする。雌は1年目には成熟する。飼育下では最大14年まで生きる[2]

2021年、ブラジルイヌとパンパスギツネの交雑種が確認された。この動物はイヌと「graxaim do campo(グラシャイン・ド・カンポ)」(ポルトガル語でパンパスギツネ)の間に生まれた交雑種であることにちなんで「ドッグシム」(Dogxim)と名づけられた[5]
参考文献[脚注の使い方]^ Jimenez, J.E., Lucherini, M. & Novaro, A.J. 2008. ⇒Pseudalopex gymnocercus. The IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. < ⇒http://www.iucnredlist.org>. Downloaded on 30 May 2015.
^ a b c d e Mauro Lucherini & Estela M. Luengos Vidal. "Lycalopex gymnocercus(Carnivora: Canidae)". Mammalian Species No. 820, American Society of Mammalogists, 2008, pp. 1-9.


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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