パンツァーファウスト
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この項目では、第二次世界大戦中のドイツの対戦車兵器について説明しています。

第二次世界大戦中のハンガリー王国におけるクーデター計画については「パンツァーファウスト作戦」をご覧ください。

第二次世界大戦後の西ドイツ製の対戦車兵器については「パンツァーファウスト44」をご覧ください。

ドイツ連邦軍などで採用されている、ドイツ製の現用対戦車兵器については「パンツァーファウスト3」をご覧ください。

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出典検索?: "パンツァーファウスト" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2014年6月)
1944年フィンランド国防軍に提供されたパンツァーファウスト30
専用に4本収納されている。砲身の後半には噴焔への注意書きがある。また丸いトリガーボタンが赤色に塗られている。

パンツァーファウスト(:Panzerfaust, 「戦車への拳」)は、第二次世界大戦中のドイツ国防軍が使用した携帯式対戦車擲弾発射器。「ファウストパトローネ(Faustpatrone, 「拳の弾薬」)」とも呼ばれた。使い捨て式の無反動砲の一種であり、弾体はロケット弾とは異なり、推進剤を内蔵しない。後方爆風による危険性は他のロケットランチャーや無反動砲同様に存在し、マニュアルでは射撃時に後方10m以内に入らないよう指示されていた。例えば伏せ撃ちの場合、真後ろに脚があると火傷を負うことになるため、体を捻るように構える必要があった。
概要 パンツァーファウストを装備する東部戦線のドイツ兵(1945年)

フーゴ・シュナイダー社(HASAG)で開発され、1943年夏から生産された。シュリーベン強制収容所(KZ Schlieben)が量産を担当し、月産150万発の要求を満たすために収容者が酷使された。1945年ドイツ敗北までにいくつかの改良型が生産された。構造の単純さとその有効性から大量生産され、末期のドイツ陸軍を写した写真資料にも残る。複数本の携帯も可能だったため、一人で多数の車両を破壊した兵士も多いとされる。ベルリン攻防戦では国民突撃隊に一人一本提供され、はなくともパンツァーファウストはあるという状況も生じた。連合軍側にも大量に鹵獲され、同様の装備を持たないソ連軍歩兵には重宝され、主にトーチカに対して使用したり、ベルリンの市街戦では建物の壁を破壊して侵入するのに多用され、指揮官のゲオルギー・ジューコフが使用を推奨している。その一方で、アメリカ軍では誤用や安全装置の不備による事故を防ぐため使用禁止の通達が出されている。ただし、例外的に第82空挺師団マーケット・ガーデン作戦バルジの戦いで使用している。 他にも米陸軍兵士が構えている写真があり、実際は積極的に鹵獲、使用がなされていたと思われる。最後に生産された150型と終戦に間に合わなかった250型は、戦後にソビエト連邦で模倣され、RPG-2やその発展型RPG-7として大量生産された。また、スウェーデンもコピー型のPansarskott m/45や46を生産した。

戦後のドイツにおいてもパンツァーファウストの名称は引き継がれており、ドイツ連邦軍はデュナミット・ノーベル社(Dynamit Nobel AG)により開発されたパンツァーファウスト3を配備し、日本陸上自衛隊でもIHIエアロスペース社によるライセンス生産品が使用されている。これは、旧来のパンツァーファウストよりもソ連で独自に発展したRPG-7に近い、弾頭ロケット推進機能のある携帯無反動砲となっている。
構造 パンツァーファウストとパンツァーシュレックの8.8cmロケット弾(右)

軍用車両トーションバーカバーを転用したとされる直径5cm、長さ1mの鉄パイプ製発射筒の上面に簡素な照準器と発射装置を備える。発射筒内には発射薬として少量の黒色火薬が充填され、先端には直径15cmの成型炸薬弾頭が装着されている。弾頭の後部には信管と安定翼を取り付けた棒があり、ここが発射筒に挿入され、板ばねで固定されている。クルップ式無反動砲であり、弾体に推進力は無い。発射筒は使用後に破棄される使い捨て兵器だが、これを回収して工場で再生することができ、150型では使用者による約10回の再装填が可能になった。

製造の簡単な個人用使い捨て兵器として開発されたため、照準器に空けられた穴を照門、穴を通して見える弾頭の頂点を照星とする簡素な構造となっている。発射姿勢は筒の部分を上腕と脇の間に挟んで構えるもので、照準器を使わず至近距離から発射する場合は肩に担ぐ場合もあった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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