パワーアップ
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「パワーアップ」のその他の用法については「パワーアップ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

コンピュータゲームにおけるパワーアップ (power-up) とは、機能としてプレイヤーキャラクターに一時的な助力や新たな能力を与えるオブジェクトである[1]。手に入れると永続的な効果かそうでない場合があるアイテムとは対照的である。触れて手に入れることが多いが『バブルボブル』のEXTENDバブルのように複数集めるとパワーアップすることもある。よく知られているパワーアップの例として『パックマン[2]の「パワーエサ」[3]、『スーパーマリオブラザーズ』の「スーパーキノコ」があり、後者はUGO Networksの「コンピュータゲームのパワーアップトップ11」で1位だった[4]

パワーアップの効果があるアイテムは通常、ゲーム内に設置されて、ランダム出現や敵を倒すと落としたり、容器を開けたり、壊したりして入手する。RPGなど他とのアイテムと違うのは即効性、世界観には必ずしも合うとは限らないデザイン(文字やシンボルのデザインが多い)、特定のジャンルに存在することが挙げられる。パワーアップは迷路ゲーム、ラン&ガン、Shoot 'em up、FPSプラットフォーム・ゲームなどアクション系作品で多い。
歴史と影響

「パワーアップ」や「1UP」は和製英語である。日本語で「xUP」の意味は「これであなたのxが増える」で、広告などで見受けられる。これは『スーパーマリオサンシャイン』の「SHINE GET!」の「x get!」ような場合である。
初期の実例

1980年の『パックマン』はパワーアップの機能を実装した最初のコンピュータゲームとして知られる[3]。迷路にはパワーエサが4つあり、一時的にゴーストを食べられるようになり、敵に反撃することができる。パワーアップの効果は、コンピュータゲームで初めて登場したカットシーンの1つで、パックマンとブリンキーの追いかけっこする短いコミカルな様子の形で表現されている[5][6]。パワーエサは、コンピュータゲームが子供に与える影響に関する論争のジョークとして大衆文化に広まった[7]

1984年の『Sabre Wulf』では花の形をしたパワーアップが使われ、花が咲くとスピードアップや無敵などの効果があった[8]。同年の『ゼビウス』ではプレイヤーの戦闘機を隠しコマンドで無敵にする設定が「不死身」と言われ、言葉が子供にも広まったが、ゲーム関連メディアはこの無敵コマンドがゲームつまらなくしてしまう、他誌で既出の情報であるとして受け付けなくなったが、『スターフォース』の同じコマンドは紹介される事例もあり、無敵技が裏技の花形の1つになっていった[9]

1985年の『スーパーマリオブラザーズ』の「スーパーキノコ」は「典型的なパワーアップ」として大衆文化に広まった[4][10]。元々大きなマリオは存在したが、ボーナス効果として彼を「スーパー」にするためパワーアップが実装された。開発チームは『不思議の国のアリス』のように、魔法のキノコを食べてマリオが多きくなったり小さくなったりするのが面白いと考えた[11]。このゲームでは他に無敵になる「スター」と火の玉を繰り出す「ファイアフラワー」もある。同年の『グラディウス』ではインスタント効果が固定される代わりにパワーアップをプレイヤーの任意で使用するかの選択バーが初めて採用された[12]

1986年以降のアクションロールプレイングゲームでは永続的なパワーアップの概念が特典の形で登場した[13]
種類

パワーアップ状態を意味する言葉として「無敵」「無双」「不死身」がある。

1978年の『スペースインベーダー』ではシステムの欠陥を突いた「名古屋撃ち」によりプレイヤーが敵の攻撃を受け付けない攻略法があり「セーブティーゾーン」「真空地帯」と表現され、1979年4月『ゲームセンターあらし』第2話では「不死鳥(フェイニックス)」という言葉が使われている[9]。1980年の『スペースファイアバード』ではチラシにボタンを押すと宇宙船1機が「不死身」になると説明され、この言葉が公式にコンピュータゲームで使われた草分けとされる[9]。1981年『ヴァンガード』では筐体の説明に「エネルギーボックスを通過すると、宇宙船がパワーアップして無敵になり、敵に体当たりできます」とあり、パックマンのパワーアップと同様の状態を「無敵」と表現したかなり早い例とみられる[9]。同年の『ドンキーコング』でもチラシに「ハンマーを持てば無敵となります」と説明され、日本のコンピュータゲーム界で「無敵」の言葉が広まっていた[9]。なお、同作ではハンマーを敵に当て損なうとジャンプマンはやられてしまうため、正確には無敵とはいえない[9]。先述のパックマンのスーパーパワーエサを食べると巨大化、スピードアップ、モンスターを通過することが無敵と呼ばれ1982年の『スーパーロコモーティブ』ではチェンジボタンを押すと燃料消費量は増えるが一時的に「スーパーロコモーティブ」に変身して敵に接触して倒していくことが説明書きで「無敵」と表現され、ミスにならないことと敵を倒すことが「無敵」として使われていた[9]ファミリーコンピュータの登場でゲームの説明書に「無敵」が使われ、子供に広まった[9]

2001年『真・三國無双2』が大ヒットしたことで「無双」という言葉が「無敵」と同じような意味として使われるようになった[9]。「無敵」「不死身」との違いはそれらがルールに直接関係するキャラの特性や状態であり、「スタートから僅かの間は不死身」のような場合に使われるが無双はそうではなく、そういう技を使っている状態やその状況、作品全体のスタイルのような大きくみたときに使う言葉である[9]。『真・三國無双シリーズ』初期ではプレイヤーが無敵になる特殊攻撃「無双乱舞」があったが「無双モード」は複数あるモードを物語順に進めていていくことで、公式においても意味が一定ではなく、作品を特徴づけるためのキーワードであった[9]
攻撃

新たな武器を得たり、プレイヤーキャラはより攻撃的な姿にさせたり、力を高めたり、一部の敵を無防備にする。画面の全ての敵を1度に倒すNukeはビーキュラーコンバット、ラン&ガン、プラットフォーム・ゲームなどでみられる。効果には時間制限、回数制限があったり、プレイヤーに当たるまでや死亡、ゲームオーバーにまで効果が続く。

ロックマンシリーズ』:武器はボスキャラやイレギュラーを倒すと入手する。武器は電池切れ(パスワードを使用しない限り)、ゲーム終了まで残る。

ドンキーコング』:マリオ(ジャンプマン)がタル、ひのこを破壊できるハンマー。

パックマン』:パワーエサはパックマンが疲労とゴーストを攻撃可能。一時的に不死身にもなる。

スーパーマリオブラザーズ』:スーパーキノコを入手するとレンガを壊すことができ、ファイアフラワーはファイアボールを投げることができ、マリオがダメージを受けると効果がなくなる。

ジャック×ダクスター』:第1作では赤のエコを入手するとジャックの高下力が上がり、黄のエコをとるとエネルギー砲弾を撃てる。ダークエコはダークジャックに変身して強力な攻撃、追加のアンロック能力が得られる。

防御

キャラを取り囲むシールドのようなアイテムで構成され、投射物をそらしたりダメージを吸収したりする。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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