この項目では、1994年に公開されたアメリカ映画について説明しています。この映画のタイトルのもとになった20世紀前半のアメリカの大衆向け雑誌については「パルプ・マガジン」をご覧ください。
パルプ・フィクション
Pulp Fiction
監督クエンティン・タランティーノ
脚本クエンティン・タランティーノ
原案クエンティン・タランティーノ
ロジャー・エイヴァリー
製作ローレンス・ベンダー
製作総指揮ダニー・デヴィート
マイケル・シャンバーグ
『パルプ・フィクション』(Pulp Fiction)は、1994年のアメリカ合衆国のクエンティン・タランティーノ監督による映画作品。オムニバス形式でロサンゼルスで起こった犯罪エピソードが展開されるが、エピソードごとの時系列はシャッフルされており、最後のエピソードまでみると時間的な順序がわかる、という当時としては珍しい手法が使われている。この映画によりサミュエル・L・ジャクソンやユマ・サーマンがトップ俳優の仲間入りをしたとともに、当時キャリアが停滞気味であったジョン・トラボルタが再評価されるキッカケとなった。
1994年のアカデミー賞では7部門にノミネートされ、そのうち脚本賞を受賞した。カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞。その他にも多くの賞を獲得した[2]。
ストーリー
プロローグ
あるレストランにて、不良カップルのパンプキンとハニー・バニーが話をしている。2人はしばらく語った後、レストランでの強盗を企み拳銃を抜き店内に怒声を発する。ギャングの殺し屋、ヴィンセントとジュールスはくだらない話をしながら、ギャングのボスの顔に泥を塗り裏切った青年グループらの部屋を訪ねる。
Vincent Vega & Marcellus Wallace's Wife(ヴィンセント・ベガとマーセルス・ウォレスの妻)
ギャングのボスであるマーセルスから彼の愛妻ミアの世話を頼まれたヴィンセントは、彼女の望むまま食事や一緒にダンスをして時を過ごす。ミアがヘロインをコカインと間違えて鼻から吸引してオーバードースを起こしたことから、ヴィンセントは知り合いの売人を頼る。
The Gold Watch(金時計)
落ち目のボクサーであるブッチは、ギャングのボスのマーセルスから、大金と引き換えに八百長試合を持ちかけられて承諾するものの、ブッチはこれを裏切る。マーセルスからの報復を怖れたブッチは、恋人のファビアンと逃走を図る。ところが、ファビアンが形見の金時計を置き忘れてきたことが発覚し、ブッチは金時計を回収しにファビアンが住んでいたアパートに戻る。
The Bonnie Situation(ボニーの一件)
マーセルスの顔に泥を塗った青年グループからアタッシュケースを取り戻したヴィンセントとジュールスは、ヴィンセントが誤射して殺してしまったマーヴィンの死体の処理に困り組織の掃除屋のウルフを頼る。
エピローグ
プロローグのシーンに戻り、「ボニーの一件」を終えたヴィンセントとジュールスが、レストランで朝食を摂っていると、パンプキンとハニー・バニーのカップルが店内で強盗を始める。強盗はジュールスに銃を向ける[3]。
登場人物・キャスト
ヴィンセント・ベガ(Vincent Vega)
演 - ジョン・トラボルタ、日本語吹替 - 鈴置洋孝Vincent Vega & Marcellus Wallace's Wifeでの主人公。ギャングのボスであるマーセルスの部下の殺し屋。3年間いたアムステルダムから戻ってきた。短気で他人に命令される事を嫌う。マーセルスの命令で一晩だけミアの世話役をすることになる。裏設定では、ヴィンセント・ベガは『レザボア・ドッグス』のミスター・ブロンド(ヴィック・ベガ)の弟にあたるとされている。
ジュールス・ウィンフィールド(Jules Winnfield)
演 - サミュエル・L・ジャクソン、日本語吹替 - 大塚明夫マーセルスの部下。殺し屋。The Bonnie Situationとエピローグでの主人公。人を殺す前に旧約聖書の一節(実際は千葉真一主演の映画「ボディーガード牙」のアメリカ版の冒頭のナレーション)を暗唱する。相棒のヴィンセントと共に体験した出来事を奇跡と捉え、神の存在を感じた為、引退を考える。「BAD MOTHER FUCKER」と刺繍が入った財布を使用している。
ミア・ウォレス(Mia Wallace)
演 - ユマ・サーマン、日本語吹替 - 勝生真沙子マーセルスの妻。元女優。ヴィンセントと一緒に夜を過ごした時に、コカインと間違えてヘロインを吸いオーバードースを起こし一時心停止状態になった。
ブッチ・クーリッジ(Butch Coolidge)
演 - ブルース・ウィリス、日本語吹替 - 山寺宏一The Gold Watchでの主人公。プロボクサー。マーセルスに八百長試合を依頼される。
ファビアン(Fabianne)
演 - マリア・デ・メディロス、日本語吹替 - 伊藤美紀ブッチの恋人。
マーセルス・ウォレス(Marsellus Wallace)
演 - ヴィング・レイムス、日本語吹替 - 玄田哲章ヴィンセントらを擁するギャングのボス。愛妻家で、妻のミアにマッサージをしたとされる男を部下を使いマンションから突き落としたという噂がある。大物だが、ファストフード店に1人で出掛けたりもする。
マーヴィン(Marvin)
演 - フィル・ラマールジュールスの知人の情報屋。ヴィンセントの誤射によって車内で頭を撃ち抜かれる。
ブレット(Brett)
演 - フランク・ホエーリーマーセルスのギャングの青年メンバー。マーセルスのアタッシュケースを盗み、自宅アパートに篭もる。
ロジャー(Roger)
演 - バー・スティアーズマーセルスのギャングのメンバー。ブレットと共にマーセルスを裏切る。
4番目の男(Fourth Man)
演 - アレクシス・アークエットブレットの仲間。
パンプキン(Pumpkin)
演 - ティム・ロス、日本語吹替 - 安原義人カップル強盗。