パリ〜ルーベ
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パリ?ルーベ ゴールとなるヴェロドローム
概要
開催時期4月中旬
開催地域 フランス北部
地域名Paris-Roubaix()
愛称北の地獄(The Hell of the North)
クラシックの女王(Queen of the Classics)
地獄の日曜日(A Sunday in Hell)
分野ロードレース
カテゴリーUCIワールドツアー
形態ワンデイレース
主催者アモリ・スポル・オルガニザシオン
歴史
初回開催年1896年
開催回数117(2019年)
初代優勝者 ヨーゼフ・フィッシャー
最多優勝者4回
ロジェ・デフラミンク
トム・ボーネン
直近優勝者 フィリップ・ジルベール(2019年)
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パリ?ルーベ (Paris - Roubaix) とは、自転車プロロードレースの一つ。フランスパリ[1]からルーベまで、およそ260Kmを走るワンデーレース。1896年から行われているクラシックレース。最多優勝者はロジェ・デフラミンク(1972、74、75、77年)とトム・ボーネン(2005、08、09、12年)の各4回。

レースの最後はルーベの街中にあるヴェロドロームのトラックコースを1周半し、ゴールとなるのが恒例。
目次

1 概要

2 パヴェについて

2.1 パヴェのセクター一覧


3 アランベールについて

4 機材について

5 エピソード

6 歴代優勝者

7 関連項目

8 脚注

9 外部リンク

概要 ヴェロドロームの前にある100回開催記念碑。デザインはこのレースの象徴である石畳をモチーフとしている。 大きく波うつパヴェ。中には土がむき出しになり陥没したところさえある

ワンデーレースの中では最も格式あるレースの一つであり、これを明らかに越えるものは世界選手権自転車競技大会のみ。ほぼ同格のレースもロンド・ファン・フラーンデレンだけであることから「クラシックの女王」と呼ばれる。

だが、その優雅な異名とほぼフラットなコースレイアウトとは裏腹に内容は過酷そのもの。コース自体は平坦だが、そこには総数30弱、総延長で50Km前後にも及ぶ未舗装の道路に握りこぶし大の石が敷き詰められたパヴェ(石畳)が登場し、強烈な振動で選手を苦しめたかと思えば、風雨にさらされ露出した鋭い角や段差でパンクや落車を発生させる。

その上、雨が降ろうものなら、はじけ飛ぶ泥のせいで、選手たちは泥まみれとなり、誰が誰だかわからなくなるほど[2]。泥が変速機やチェーンに降り注ぐため、メカトラブルも多発。おまけにぬかるみにタイヤをとられたり、濡れていっそう滑りやすくなった石が原因でパヴェでは大落車が発生。幾度となく阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられる。

また、晴れていれば晴れていたで、巻き上がる凄まじい土埃が選手の眼や喉に容赦なく襲い掛かり、視界の確保や呼吸もままならない。しかも乾燥した路面ではスピードが出やすくなるため、逃げやアタックを仕掛けようものなら、ただでさえシビアなバイクコントロールがいっそう困難になり、パンクが多発。バランスを失って落車しようものなら猛烈な勢いで石の上に叩きつけられて打撲を負うか、石畳にこすり付けられて重度の擦過傷を負うことになり、いずれにせよ無事ではすまない。

毎年のように落車して骨折したり、土や泥が口や擦り傷に入って感染症にかかる選手が発生するすさまじさゆえ、このレースには「北の地獄」というもう一つの異名が冠せられている(4月中旬の日曜日に開催されることから「地獄の日曜日」とも呼ばれる)。

いつ誰に何が起こるかまったく予想のつかないこのレースにおいては、一般的なレースのセオリーである「大勢のアシストがエースを勝たせるために働く」やり方がまったく通用しない。ゴール間際まで幾度となく繰り返されるアタックとアクシデントの末に勝利のチャンスを手にすることができるのは、果敢に先頭を走り続けるだけの実力を持ち、かつ致命的なトラブルを回避する幸運に恵まれた真の強者のみである。
パヴェについて

パヴェには番号が振られており、荒れ具合や距離などをふまえ、五つまでの星の数でその過酷さが表される。完走者でパンクを経験しないのは2割前後と言われており、最も過酷な五つ星がつけられるラーブル、モンサン・ペベル、カルフール・ダルブルなどのパヴェは一流のバイクコントロールを誇るプロ選手たちですら、パンクや落車が起きないよう、天に祈って走るほどである。

こうしたリスクを少しでも避けるため、パヴェ区間に入ると、選手は比較的路面の荒れが少ない路肩を選んで走るのが通例であるが、路肩は非常に面積が狭いため、自然と選手が一列棒状になる。

この時に先行する選手たちがアタックをかけると、そのまま路肩を走っていては置き去りにされてしまうため、後方にいる選手たちは、パヴェ上を走って追撃しなくてはいけないが、アスファルトで舗装された道と異なり、段差のあるパヴェを走行する場合、常に落車やパンクの危険を伴うことになり、加速・追撃することは困難を極め、通常のロードレースに比べて集団が分断されやすい。

そのため風圧を受けるのを承知で先頭に立ち、パヴェの特に荒れた箇所に突入するところでアタックをかけて、人数を絞り込んでいく、あるいはひたすら先頭についていき、アタックの繰り返しや段差による振動、プレッシャーによって相手を肉体的・精神的に消耗させてから、終盤でのアタックやヴェロドロームでのゴールスプリントに持ち込む、といったパヴェ区間を利用した各種の駆け引きがレースの重要なポイントとなっている。
パヴェのセクター一覧

パヴェ(
石畳)は全行程に27セクター用意されている[3]

始点(スタート地点)はコンピエーニュ

カテゴリ ? の数が多いほど難度が高い。

セクターNo.始点からの距離(km)行程長さ(km)カテゴリ
2797.5トロワヴィユ > アンシュイ2.2
26104.0ヴィエスリ > キエヴィ1.8
25106.5キエヴィ > サン=ピトン3.7
24115.5サン=ピトン1.5
23119.0ヴェルテン > サン=マルタン=スュレケヨン2.3
22126.0カプル=スュレケヨン > ル=ビュア1.7
21138.0ヴェルシェン=モグレ > ケレネン1.6
20141.0ケレネン > メン2.5
19144.0メン > モンショー=スュレケヨン1.6
18155.5アヴリュイ > ワレル2.5
17164.0トルエ・ダランベール
(アランベール)2.4
16176.0オルネン > ワンディニェ=アマージュ3.7
15183,5ワルレン > ブリヨン2.4
14187.0ティヨワイ > サルセ=ロジエール2.4
13193.5ブヴリ=ラ=フォレ > クロイエ1.4


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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