パリ協定_(気候変動)
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パリ協定

起草2015年11月30日から12月12日
署名2016年4月22日
署名場所ニューヨーク
発効2016年11月4日(日本について効力発生:2016年12月8日[1]
寄託者国際連合事務総長
文献情報平成28年11月14日官報特別号外第39号条約第16号
言語アラビア語・中国語・英語・フランス語・ロシア語・スペイン語
主な内容気候変動の脅威に対する世界全体での対応の強化
関連条約気候変動枠組条約京都議定書
条文リンク和文 (PDF) - 外務省
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パリ協定[2][3](パリきょうてい、: Paris Agreement)は第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催されたフランスのパリにて2015年12月12日に採択された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定合意)。

1997年に採択された京都議定書以来18年ぶりとなる気候変動に関する国際的枠組みであり、気候変動枠組条約に加盟する全196カ国全てが参加する枠組みとしては史上初である。排出量削減目標の策定義務化や捗の調査など一部は法的拘束力があるものの罰則規定は無い[4]2020年以降の地球温暖化対策を定めている。2016年4月22日アースデーに署名が始まり、同年9月3日に温室効果ガス2大排出国である中華人民共和国アメリカ合衆国が同時批准し[5]、同年10月5日欧州連合の法人としての批准によって11月4日に発効することになった。日本の批准は、協定発効後の2016年11月8日になった[6]。2019年12月現在の批准国・団体数はヨーロッパ連合を含めて187である。参加していないのは世界でもシリア内戦失敗国家化しているシリアと、より厳しい環境規制を求めているニカラグアだけである[7]。しかしニカラグアは2017年10月に協定に署名する意向を発表し、同年11月にシリアも批准を表明した[8]

第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)での議長国であるフランスのファビウス外相は「この野心的でバランスのとれた計画は地球温暖化を低減させるという目標で“歴史的な転換点”である」と述べていたが、2016年アメリカ合衆国大統領選挙に勝利して「アメリカ第一主義」を政権運営の柱に据えたドナルド・トランプは兼ねてから地球温暖化に対する懐疑論者で「地球温暖化という概念は、アメリカの製造業の競争力を削ぐために中国によって中国のためにつくりだされた」とも主張しており[9]、2017年6月に協定から離脱する意向を表明し、正式な離脱通告が可能となった2019年11月4日に正式に離脱を表明した[10]

世界2位の温室効果ガス排出国であるアメリカの離脱の表明を受け、協定の同時批准国で発展途上国の大量離脱を招きかねない中国(世界一の温室効果ガス排出国)の対応が注目されたが[11]、2017年12月に中国は世界最大の排出取引市場となる全国炭素排出取引市場(英語版)を設立した[12]。その後、2021年1月20日にトランプから政権を引き継いだジョー・バイデンによって、アメリカのパリ協定への復帰が表明された[13]
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目的

産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑える。加えて平均気温上昇「1.5度未満」を目指す(第2条1項)。人々は節電などに気を付けて生活し、温暖化に繋がる行為は極力しないようにして、温暖化を止めるように、団体や学校で進める。
「緩和」と「適応」

一般に地球温暖化などの気候変動への対処は温室効果ガス(GHG)の排出削減と吸収の対策を行う「緩和」と、既に起こり始めている温室効果ガスによる影響への「適応」に分けられる[14]。パリ協定も2条の目的を達成するため、「今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成するために、(中略)世界全体の温室効果ガスの排出量が出来る限り速やかにピークに達すること及びその後は利用可能な最良の科学に基づいて迅速な削減に取り組むことを目的」としており(第4条1項)、「持続可能な開発に貢献し、及び適応に関する適当な対応を確保するため、この協定により、気候変動への適応に関する能力の向上並びに気候変動に対する強靱性の強化及び脆弱性の減少という適応に関する世界全体の目標を定める」(第7条1項)と規定している。
各国削減目標の提出義務

パリ協定の最大の特徴の1つとして挙げられるのが、各国が削減目標(「各国が決めた貢献」(英:Nationally Determined Contribution、略称:NDC))を作成・提出・維持する義務と、当該削減目標の目的を達成するための国内対策をとる義務を負っていることである(第4条2項)[15]。なお目標の達成自体は義務とはされていない。
各国の削減目標

下記についてはWWFジャパン及び資源エネルギー庁のホームページによるものである(日本は概要と特記事項、韓国は概要と環境用語解説、日本と韓国以外は概要のみ)[16][17]。なおアメリカにおいてはトランプ大統領によるパリ協定離脱表明で削減目標が破棄されるものの、後に結成したアメリカ気候同盟によって、州政府レベルの削減目標[18]として引き継がれた。
日本

2030年までに2013年比で、温室効果ガス排出量を26%削減する(2005年比25.4%削減、約10億4,200万t-CO2)
[19]。気候団体はこの目標について「すべての国がこのレベルの目標を採用するならば、地球温暖化が21世紀に3℃から4℃を超える可能性が高く、非常に不十分」と批判している[20]

森林・土地利用部門での吸収量を3700万トン(2013年度排出量の2.6%相当)見込んでいる。京都議定書と同じ方式で算定する。

JCM(二国間クレジット制度)については削減目標の試算には含まれていないが、JCMの下での削減量や吸収量は、適切な方法でカウントする。


2020年までに自然エネルギーの発電量を8パーセントに引き上げる。

中国

2030年ごろにCO2排出量がピークを抑えることを達成し、より早期にピークを抑えるように最大限の努力を行う。

2030年までに、2005年比でGDP当たりのCO2排出量を、60?65%削減する。

2030年までに、一次エネルギー消費に占める非化石燃料(エネルギー)の割合を20%に増やす。

2030年までに、2005年比で、森林ストック容量を約45億立方メートル増加させる。

韓国

2030年までに、BAU比で温室効果ガス排出量を37%削減する。

BAUとはBusiness As Usualの略で、特段の対策のない自然体ケースに較べての効果をいう


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