幾何学において、パリー点 (ぱりーてん、Parry point)とは三角形の中心の一つである。 クラーク・キンバリングの「Encyclopedia of Triangle Centers」ではX(111)として登録されている。パリー点及びパリー円は1990年代初期のイギリス幾何学者シリル・パリー
の研究を賞して名づけられた[1]。△ABCについてその重心と二つの等力点を通る円をパリー円と言う。パリー円は重心座標[x,y,z]で以下の式で表される[2]。 3 ( b 2 − c 2 ) ( c 2 − a 2 ) ( a 2 − b 2 ) ( a 2 y z + b 2 z x + c 2 x y ) + ( x + y + z ) ( ∑ cyclic b 2 c 2 ( b 2 − c 2 ) ( b 2 + c 2 − 2 a 2 ) x ) = 0 {\displaystyle 3(b^{2}-c^{2})(c^{2}-a^{2})(a^{2}-b^{2})(a^{2}yz+b^{2}zx+c^{2}xy)+(x+y+z)\left(\sum _{\text{cyclic}}b^{2}c^{2}(b^{2}-c^{2})(b^{2}+c^{2}-2a^{2})x\right)=0} パリー円の中心はEncyclopedia of Triangle CentersでX(351)として表される。X(351)は三線座標で以下の様に表される。 a ( b 2 − c 2 ) ( b 2 + c 2 − 2 a 2 ) : b ( c 2 − a 2 ) ( c 2 + a 2 − 2 b 2 ) : c ( a 2 − b 2 ) ( a 2 + b 2 − 2 c 2 ) {\displaystyle a(b^{2}-c^{2})(b^{2}+c^{2}-2a^{2}):b(c^{2}-a^{2})(c^{2}+a^{2}-2b^{2}):c(a^{2}-b^{2})(a^{2}+b^{2}-2c^{2})} △ABCのパリー円は外接円と2点で交わる。うち一つはキーペルト放物線の焦点である[2]。 もう一つを△ABCのパリー点という。 パリー点の三線座標は以下の様に表される。 a 2 a 2 − b 2 − c 2 : b 2 b 2 − c 2 − a 2 : c 2 c 2 − a 2 − b 2 {\displaystyle {\frac {a}{2a^{2}-b^{2}-c^{2}}}:{\frac {b}{2b^{2}-c^{2}-a^{2}}}:{\frac {c}{2c^{2}-a^{2}-b^{2}}}} キーペルト放物線の焦点X(110)の三線座標は以下の様に表される。 a b 2 − c 2 : b c 2 − a 2 : c a 2 − b 2 {\displaystyle {\frac {a}{b^{2}-c^{2}}}:{\frac {b}{c^{2}-a^{2}}}:{\frac {c}{a^{2}-b^{2}}}} シリル・パリーに関する点の一つにパリー鏡映点(Parry Reflection Point)がある[3]。A,B,Cを通り、オイラー線に平行な直線をそれぞれBC,CA,ABで鏡映した直線は一点で交わる。この点をパリー鏡映点X(399)と言う。
パリー点
パリー鏡映点
特徴
パリー鏡映点はノイベルグ三次曲線、フェルマー軸上にある。
第一等力点Jのcirclecevian triangle(AJ,BJ,CJと円JBC,JCA,JABのJでない方の交点が成す三角形[4])と、第二等力点のcirclecevian triangleの配景
第一フェルマー点、第二等力点、パリー鏡映点、第二ヴェルナウ点は共円である。同様に、第ニフェルマー点、第一等力点、パリー鏡映点、第一ヴェルナウ点は共円である。
三角形の鏡映三角形(Reflection triangle,頂点を対辺で鏡映した三角形[6])を△A'B'C'、内心と傍心をそれぞれI,Ia,Ib,Icとすると、円IA'Ia,IB'Ib,IC'Ic,A'IbIc,B'IcIa,C'IaIbはパリー鏡映点を通る[7]。