パリで一緒に
Paris When It Sizzles
監督リチャード・クワイン
脚本ジョージ・アクセルロッド
『パリで一緒に』(パリでいっしょに、Paris When It Sizzles)は、1964年のアメリカ合衆国のロマンティック・コメディ映画。監督はリチャード・クワイン。『麗しのサブリナ』(1954年)で共演したオードリー・ヘプバーンとウィリアム・ホールデンが再び共演した作品。
原案はジュリアン・デュヴィヴィエとアンリ・ジャンソン(フランス語版)による『アンリエットの巴里祭(フランス語版)』(1952年、フランス)の台本。それをジョージ・アクセルロッド(英語版)が脚色した。 パリのホテル。映画脚本家のリチャード・ベンソン(ウィリアム・ホールデン)は、プロデューサーのアレクサンダー・マイヤハイム(ノエル・カワード)から高額の前払い金で依頼された映画『エッフェル塔を盗んだ娘 (The Girl Who Stole the Eiffel Tower)』の脚本執筆に取り掛かるが、決まっているのはキャッチーなタイトルだけだった。一方リチャードはマイヤハイムの催促をよそに、脚本を1ページも書かず、酒浸りで遊び呆ける毎日を過ごしていた。締切まであと2日となったある日、新たに雇われた若き女性タイピスト、ガブリエル・シンプソン(オードリー・ヘプバーン)がリチャードの部屋にやってくる。プレイボーイのリチャードは、彼女の美貌からインスピレーションを受け、ようやく脚本の執筆にとりかかる。2人は自分たちをモデルとした登場人物を創造し、パリ祭を舞台にしたサスペンスもののラブ・ストーリーを書きつづりながら、脚本内のストーリーにリンクするように、恋に落ちていく。ガブリエルが眠りに落ちている間、リチャードはやる気を取り戻したかのように、脚本をほとんど仕上げる。 締切を次の日に控えた夜になった。リチャードは、それまでの場面とはあまりに不釣り合いな悲劇的なラストシーンを書き上げて、仕事の完了を一方的に告げる。食い下がるガブリエルに対し「自身の女遊びや酒の原因は、脚本家としての誇りとは裏腹の、映画ビジネスに対する虚しさや疑念のせいであり、出来そこないの脚本を書くのは金が儲かるためだ」と吐露し、彼女を追い出す。 締切日の朝。リチャードが目を覚ますとガブリエルの姿はなく、ガブリエルが持ち込んだ、小鳥を入れた鳥かごだけが残されていた。くしくもその日はパリ祭の当日で、ガブリエルが「恋人とデートする約束がある」と話していたのを思い出したリチャードは、鳥かごをかかえてパリの町を探し回る。夜になって、ガブリエルを見つけたリチャードは「忘れ物をわざと置いて行って気を引く手口なんて、僕は何百回と書いたよ」と告げ、広場に仕掛けられた仕掛け花火に脚本原稿を投げ込む。リチャードは「ホテルへ戻って原稿を書き直そう」とガブリエルの手を引き、抱き寄せて口づけを交わす。 リチャードとガブリエルによる脚本案は、以下の劇中劇として展開される。 パリ祭の日。娼婦のギャビー[注 1](オードリー・ヘプバーン)は、リック[注 2](ウィリアム・ホールデン)という謎めいた男に食事に誘われ、休業中の映画スタジオでのデートに案内される。リックの本職は泥棒で、公開直前の映画『エッフェル塔を盗んだ娘』のマスターフィルムを盗み、それを種にプロデューサー(ノエル・カワード)をゆすって、大金を得る算段だった。実はギャビーもパリ市警のジレー警視(グレゴワール・アスラン
ストーリー
エッフェル塔を盗んだ娘
2人はプロデューサーがパリの繁華街で開く仮装パーティに潜入する。プロデューサーに銃を突きつけたリックは「金庫の鍵を渡せ。さもなければ『エッフェル塔を盗んだ娘』のフィルムを焼く」と脅す。鍵を手渡したプロデューサーは大笑いを始め、「あの作品は脚本のせいで大変な駄作となったのだ。公開されれば私のプロデューサー生命は終わりだから、こうしてお別れパーティを開いていたのだ。焼いてくれればむしろ大助かりだ」と明かす。リックは釈然としないまま、ギャビーを連れて逃走を開始する。飛行場についた2人はプライベート・ジェットで逃走しようとするが、タラップに手をかけたリックにフィリップ刑事(トニー・カーティス)の放った銃弾が当たり、絶命する。ギャビーは泣き崩れる。 役名俳優日本語吹き替え
キャスト
東京12ch版フジテレビ版
ガブリエル・シンプソン/ギャビーオードリー・ヘプバーン池田昌子
リチャード・ベンソン/リックウィリアム・ホールデン家弓家正羽佐間道夫