パトロールカー
[Wikipedia|▼Menu]
日本の警ら用パトロールカー。車種はトヨタGRS214クラウン。色は国や地域によって異なる。

パトロールカー(: patrol car、略称: パトカー)は、警察官が乗車して巡回を行う自動車[1]
概説

日本語における「パトロールカー」とは、犯罪の予防や検挙交通の指導や交通違反の取り締まりを目的として、警察官が乗車して巡回する際に用いる自動車を指す[2]。正確な呼称は「警邏車」(けいらしゃ)であるが、一般には「パトカー」という略称が広く浸透している[2]

なお英語では、日本語における「パトロールカー」よりもやや広い範疇を指す「police car」(警察車両)という名称や概念を用いることが一般的である。
各国のパトカー

警察は行政機関であるので、しっかりした自動車産業が育っている国では基本的には自国の産業を優遇すべく、自国の自動車メーカーの車種を優先的に採用しようとしている。例えばドイツではドイツ車、つまりBMWベンツフォルクスワーゲンなどが用いられている。フランスではフランス車であるルノーシトロエンプジョーなどが用いられている。ただし、自国の自動車メーカーで実用的な車種が消滅してしまったり、警察組織にもコストや環境性能が求められたりするようになると、耐久性や環境性能で優位性がある日本車が導入されることも増えているほか、韓国車を導入するケースも散見される。多くは大型セダンで、これに警察公務用装備(無線機と速度測定用レーダー)と、サイレンと拡声器、赤色や青色や緑色(国法によって異なる)の閃光灯が追加される。

イタリア警察では式典や広報、また高速道路での活動用に国産のスーパーカーを使うことがあり、大量導入が必要な現場向けには日本車を使っていることもある。2020年10月、臓器緊急輸送対応のランボルギーニ・ウラカン(LP610-4ポリツィア・ストラダーレ)が、北部のパドバから移植手術を行なう病院のあるローマまで500キロメートルを2時間強にて無給油で走破し任務を無事完遂した話は世界を驚かせた。ローマの病院にもその周辺にもヘリコプターが離着陸出来る場所がなかったため、緊急走行での陸送が選ばれたという[3]

アメリカ合衆国では「Marked」(日本で言うと一目で警察とわかる白黒の車両)と「Unmarked」(覆面車両)に大別される。米国の自動車メーカーのGMFordクライスラー製のものが大半である。 →#アメリカ合衆国

日本では、昭和25年(1950年)6月に当時の自治体警察としての警視庁が無線警ら車を3台導入したのが最初である[2][4]。その前年の1949年11月、第二次世界大戦敗れた日本占領統治していた連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が警視庁に対して自動車によるパトロールを指示した。警視庁はトヨタ自動車日産自動車いすゞ自動車の3社から試作車を導入した。鉄シャーシに真空管部品という、当時の重い無線機を積んで坂道を登攀(とうはん)するためにトラックを改造した。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:279 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef