パタリロ!
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「パタリロ」はこの項目へ転送されています。この作品の主人公については「パタリロ・ド・マリネール8世」をご覧ください。

パタリロ!
ジャンルギャグ漫画
漫画
作者魔夜峰央
出版社白泉社
掲載誌1. 花とゆめ(1978年 - 1990年)
2. 花とゆめPLANET増刊号(1990年 - 1997年)
3. 別冊花とゆめ(1991年 - 2016年)
4. MELODY(1997年 - 2001年、2009年 - 2016年)
5. 花LaLa online(2016年 - 2017年)
6. マンガPark(2017年 - )
レーベル花とゆめコミックス
発表期間1978年 - 連載中
巻数既刊104巻(2022年6月現在)
文庫版:50巻
アニメ:パタリロ!→ぼくパタリロ!
監督西沢信孝(チーフディレクター)
脚本辻真先酒井あきよし
金春智子筒井ともみ
音楽青木望
アニメーション制作東映動画
製作フジテレビ東映
放送局フジテレビ系列→フジテレビほか
放送期間1982年4月8日 - 1983年5月13日
話数全49話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『パタリロ!』は、魔夜峰央ギャグ漫画。『花とゆめ』(白泉社)で1978年に連載を開始し、2020年現在、『マンガPark』にて連載中[1]
1982年にはアニメ化もされた。1999年に第28回日本漫画家協会賞優秀賞受賞。2016年には舞台化作品が上演され、2018年にも第2弾の舞台が公演されている[2]。実写映画版が2019年6月28日公開[3]。2019年7月時点でシリーズ累計発行部数は2500万部を突破している[4]
作品解説

バミューダ=トライアングルの真ん中に存在する架空の島国マリネラ王国を舞台に、その国王パタリロが、側近のタマネギ部隊や、イギリスの諜報機関MI6(エム・アイ・シックス)の少佐スパイバンコランやその愛人マライヒ等を巻きこんで起こす騒動を描く。舞台はマリネラ王国だけでなく、バンコランやマライヒの住むロンドンも多用されている。

基本的には一話完結の形式なのだが、連作エピソードもいくつか存在している。毎話で描かれるストーリーは単なるドタバタギャグなノリだけにとどまらず、プロットが高度に練られたものも多く、作品が長年支持されているゆえんでもある。ストーリーはギャグ作品の懐の広さを生かしてジャンルを越えた多彩な内容になっており、007シリーズめいたスパイアクションがあれば推理小説並みのミステリーバカミス)もあり、宇宙人が出てくるSFもあれば黒魔術が絡むオカルトもある。

1970年代、少女漫画界では耽美的な少年愛を題材に取り上げることが流行したが、その時期に連載が始まった本作でもその要素は多分に盛り込まれている。少年愛をコメディに取り入れたことでは『エロイカより愛をこめて』(作・青池保子)と並ぶ先駆的な作品である。

スピンオフ作品として『家政夫パタリロ!シリーズ』、『パタリロ西遊記!』、『パタリロ源氏物語!』、『パパ!?パタリロ!』がある。これらは『パタリロ!』とは別作品として扱われており、単行本も別シリーズとなっている。また、パタリロ本編でも外見が同一の別キャラクターによる時代劇版があるが、これは本編の一部として扱われ、『パタリロ!』の単行本に収められている。
長期連載

1978年の初掲載以来、掲載誌の変更に伴う短期間の中断があったものの連載を継続しており、少女漫画界のギャグマンガ作品としては第1位の長編漫画となっている[注 1][5]2021年8月時点で、花とゆめコミックスの正編のみで104巻まで刊行されている。スピンオフ作品まで含めればコミックスの巻数は120巻を超えている。

掲載誌は白泉社系列の少女雑誌を渡りあるいており、複数の雑誌に同時連載している時期もある。長期連載した雑誌には『花とゆめ』(1978年 - 1990年)、『別冊花とゆめ』(1991年 - 2016年)、『花とゆめPLANET増刊号』(1990年 - 1997年)、『MELODY』(1997年 - 2001年2009年 - 2016年)などがある。

各エピソードには作品番号がつけられているが、雑誌に掲載された順ではなく、単行本(花とゆめコミックス)に収録された順につけられている。すなわち、古い番号のエピソードが新しい番号のエピソードより新しいことがときどきある。なお、白泉社文庫版では作品番号は省略されている。

単行本に掲載されているエピソードの中には外伝として作品番号がふられていないものがある。1979年から1980年に『花とゆめ増刊号』や『別冊花とゆめ』などに掲載された時代劇編(猫間天狗シリーズ。単行本1、2、4、7巻に収録)と単行本16巻に収録されたバンコランが主役のエピソード「バンコラン─MI6にて」は、「パタリロ! 番外編」と名づけられ作品番号がふられていない。また、平成3年から平成5年ごろに『花とゆめPLANET増刊号』に掲載された11話分の推理小説風味のエピソード(単行本48巻から53巻に収録)には「パタリロ! ミステリー」として本編とは独立した作品番号がふられていた。それ以前にもその後にも推理小説風味のエピソードは数多く描かれているのだが、これらについては本編として作品番号がふられている。これらのほかにも単行本18巻に収録された楽屋オチ的なオマケ漫画も「パタリロ! EX編」とされ作品番号が省略された。巻数が若い単行本には『パタリロ!』とは関係がない読みきり短編作品が併録されているものがあるが、これらにも当然作品番号はふられていない[注 2]

近年では、花とゆめコミックス『パタリロ!』に掲載される作品は外伝的な内容であろうとも全て本編として作品番号がふられるようになっている。『パタリロ西遊記!』などのスピンオフ作品については、独立した別シリーズとして単行本が出版されているため、『パタリロ!』の単行本にこれらのエピソードが載ることはない。例外的なケースとして、『パタリロ!』以外のコミックスに『パタリロ!』の外伝的な作品が掲載されることがある。それには作品番号はふられない[注 3]。なお、単行本5巻に収録されている「スターダスト」は、当初は「パタリロ! シリーズ」と名づけられ、作品番号がふられていなかった。これについては#欠番エピソードの節を参照。
パタリロはみだしファンクラブ

『花とゆめ』に連載されていた当時、ページの外枠部分に設けられていた読者投稿コーナー。略称「パタはみ」。

活発な投稿があり単行本(花とゆめコミックス)にも収録されていたが、『別冊花とゆめ』への連載移行に伴い消滅した。このコーナーへの投稿を元ネタにしたと考えられるエピソード(「紫タマネギ」など)も散見される。
宝石・妖怪・落語

作者自身は本作を構成する主要な要素を「宝石妖怪落語」の三つであると語っており[6]、実際に作品中ではこれらの要素が頻出する。
宝石
作者は宝石収集を趣味としており、その知識が作品に取り入れられている。本作の舞台であるマリネラ王国はダイヤモンドの採掘・輸出を基幹産業としており、ダイヤにまつわるさまざまなトラブルが物語のきっかけとして用いられている。
妖怪
『パタリロ!』の番外編である時代劇シリーズでは妖怪絡みの話が多い。本編でも日本の妖怪が騒動を起こす話が多数描かれている。また、各話の扉絵や単行本の表紙では本編の内容に全く関係なく妖怪が描かれることがある。
落語
作者は自身が手がける漫画作品のルーツに志ん生の落語の影響が大きいことをたびたび発言しており[7][8]、長期連載作品である本作の各エピソードの創作手法を「三題噺」になぞらえていることもインタビューで答えている。落語のパロディも多く用いられている[9]。マリネラ国歌は落語の出囃子風である(“チャカチャンリンチャンリン”と表現されることが多い)。また『粗忽の釘』のネタがパタリロの定番のギャグとして繰り返されている(「なんだい、やぶからぼうに」「いいえ、壁から釘です」)。そのほか、作中の都市伝説の怪物・パイライフも、桂米朝の十八番である『植木屋娘』のネタが出自である。
推理小説登場人物の名前が、欧米の名探偵や作中人物に由来するものが複数ある(バンコラン[注 4]ヒューイット[注 5]ブラウン神父、ファイロ・ヴァンスとマーカム検事、メグレ警視など)。パタリロたちが歌う『クックロビン音頭』の歌詞も、『マザーグース』の「見立て殺人」としてミステリでしばしば使われる(フィルポッツ(ハリントン・ヘクスト名義)『だれがコマドリを殺したのか?』、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』ほか)。作中の国際ダイヤモンド輸出機構は、イアン・フレミングの『サンダーボール作戦』における犯罪組織を連想させる(詳細は第4項「組織」を参照)。また、サブタイトルにも『ロシアより愛をこめて』などをもじったものがある。
美少年

登場する美少年はがかなり長く(背中や腰まで届くキャラクターもいる)、美女と見紛う容姿の子がよく出てくる。女物のミュール・ハイヒール・ロングブーツ[10]長靴[11]・ノースリーブ・ホットパンツ・ハイソックスなどを着用しているが、実際に70年代後半に流行した「髪の長い美少年が女物を着るファッション」である[12]マントを着せたのは魔夜独自のセンスだという(ただし、宝塚の影響もある。作中にもベルばら関連のエピソードもある)[13]

アニメでは多くが女性の声優によって演じられているが、21世紀の舞台や映画では男性俳優が演じる趣向を採った[14]
登場人物.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

記事の体系性を保持するため、リンクされている記事の要約をこの節に執筆・加筆してください。(使い方
パタリロ!の登場人物一覧」を参照
アイテム

SFやオカルトの要素も内包する本作では、さまざまな不思議な道具が登場する。それは古代文明の遺産であったり、錬金術や魔術の産物であったり、宇宙人の超絶科学兵器であったり、パタリロ国王の発明品であったりする。ただし、それらの多くは登場したエピソードでの1回限りの活躍しかせず、別のエピソードで再利用されることはほとんどない。ここでは、本作に登場するアイテム類のうち何度も登場するもののみを挙げる。
流星号
本作の主人公・パタリロが独自のオーバーテクノロジーで開発した高速飛行機である。その名は、アニメ『
スーパージェッター』で登場した同名の高速航空機・兼タイムマシンに由来する(『パタリロ!』ではパタリロ自身が自力でタイムワープできるため時間遡行機能は持たない)。機体は小さいため数人しか搭乗できないが、移動する目的があった場合、これで直接目的地に向かうことが多い。外見は薄汚れた絨毯をクロワッサンのように丸めた形状をしており、劇中では「絨毯型飛行ユニット」と呼称されることが多い[注 6]。ただしその外見とは裏腹に性能は極めて高く、内部に反重力装置を搭載し光速の約90 - 95%での飛行が可能。さらに事実上、放出エネルギーに限界を持たないとされる超光学兵器「可動メイザー砲」や、不可視プロテクターと呼ばれ、あらゆるエネルギーをはね返す強力な防御装備を持つ(作中ではバリヤー等の概念を上回ると評している)など、現代科学技術を超越した装備を誇る。コンピュータも搭載しており学習能力もある程度備わっている。電話等の電波を探知し逆探知もなしに現地へ直行できる。光速巡航中は人間の目は役に立たないため、障害物の検知はレーダーで行い、パタリロがよくやる窓をぶち破っての突入はこれが大いに役に立つ。ただし当初コンピュータに「目標地点に窓がない場合は回避する」ことを覚えさせてなかったため、壁に激突したことがある。また、光速巡航中の機体は保護バリヤーによる大気中の原子の崩壊に伴う発光現象で、強い光を放つ。反重力機構の制御により、建造物を丸ごと持ち上げたり重力圏を脱出することも可能。特殊な繊維で作られているため、洗濯した後乾きにくいらしい。ある事件の際、機体が金に変質してしまったことがある。なお後継機に「銀星号」(ぎんせいごう)が存在し、流星号より速い速度での飛行が可能である。
電送機(でんそうき)
パタリロが独自のオーバーテクノロジーで開発した瞬間移送装置。人間を分解し電話回線を通して別の場所にまったく同じ状態で再構成することにより実質的に長距離を瞬間移動させる。初期は使用すると電送先の電話が爆発し壊れるという欠点があったが、のちに改良された。物語の比較的初期、流星号の登場以前にたびたび使用されており、前述の爆発のほか故障によってパタリロが何人にも増えてしまうといった問題が発生したこともあった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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