『パソコンウォーズISAMI』(-いさみ)は、1982年に公開された、サルボウ・カンパニー
製作による、日本映画である。当時、自主映画などで一部に知られた、橋本以蔵の第一回監督作品である。当初、文芸座「ル・ピリエ」で『ISAMI』として単館上映され、さらに下北沢のアートスポット「風」での上映を経て、全国一般公開された。一般公開に際し、タイトルを『パソコンウォーズ ISAMI』と改めた。当時出はじめだった、8ビットパーソナルコンピュータを物語の中に取り入れ、無人の都会の風景などを巧みに使い、低予算ながら、近未来的な世界を醸し出している。アクションはJACが全面協力。 近未来、管理社会が行き過ぎ、表情を失っている人と街に、エネルギッシュに生きているローティーン・ギャングたち。Bエリアの圧倒的な組織である「ソルティジェッツ」率いる「ジェッツ連合」に対抗するAエリアの組織「フライングポップコーン」のリーダー・キクオと仲間は、ジェッツのサブリーダー格であるショウコに戦いの末チームバッジを奪われ、引退を余儀なくされる。その上アジトから組織の象徴であるチームプレートをも奪われ、完全に意気消沈する中、ポップコーンのサブリーダーであるイサミが敢然と立ち上がり、単身敵地であるBエリアのジェッツ本拠地に侵入。自らのチームプレートが破壊されたことを知ったイサミは逆上、ジェッツのチームプレートを奪い、同時に隠されていたカセットテープをも入手し逃走するが、ショウコにチームプレートは奪い返されてしまう。Aエリアへ急ぐ最中にイサミの仲間となった3人の少年少女のうち、チヨとデクがジェッツの手に落ち人質となる。なんとか持ち帰ったカセットテープを、イサミの相棒でメカニックのシロウが解析するが、表向きはゲームデータであったそのテープの裏には、ジェッツのリーダー・タツオとブレーンのヒロシらがショウコ達には無断で、ギャング達の世界では裏切り行為とされている『犯罪組織「マラケシュアロー」へジェッツ連合を売り渡す』という密約の内容が録音されているものだった。タツオからチヨ達とテープとの交換を要求されたイサミは、再びジェッツ連合が仕切るBエリアへ向かうことに。
物語
スタッフ
プロデュース:伊藤公洋
監督・脚本:橋本以蔵
撮影:佐々木原保志
照明:水野研一
キャスト
イサミ:坂井徹
主人公で、父親と二人暮らし。Aエリアの組織「フライングポップコーン」のサブリーダー。ショウコから「はねっかえり」と言われるほど血の気が多く、非常に短気で無鉄砲だが情は厚く
運動神経は抜群。キクオ達が抜けても組織を存続させることを宣言し、シロウが製作したロッド状の武器で戦う。
ショウコ:矢島由紀
Bエリアを仕切る「ソルティジェッツ」のサブリーダー格。チームの紅一点ながら多くの手下を従え常に最前線で指揮を執るなど、カリスマ性が高く男勝り。格闘技とボーラ状の武器で戦う。
密約の内容は知らされておらず、内容が録音されたテープを奪われたタツオの態度に不信感を抱くようになる。チヨの女性らしさを内心羨ましく思っている。
チヨ:生田智子
中学生。わけあってデクとチビの血縁ではないが、母親代わりを務めている。2人の母親に会いに行くためBエリアにいたところ、イサミと出会いギャング達の争いに巻き込まれる。優しく正義感が強い。
誘拐されても動じないなど、気丈な一面も。イサミと意見を対立させつつも淡い想いを抱くようになる。
デク:岡部純