パジャマゲーム
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The Pajama Game
パジャマ・ゲーム
作曲リチャード・アドラー
(英語版)
ジェリー・ロス(英語版)
作詞リチャード・アドラー
ジェリー・ロス
脚本ジョージ・アボット(英語版)
リチャード・パイク・ビゼル(英語版)
原作小説 7? Cents
by リチャード・ビゼル
初演1954年5月13日 ? セント・ジェームス・シアター
上演1954 ブロードウェイ
1955 ウェスト・エンド
1973 ブロードウェイ再演
2006 ブロードウェイ再演
2014 ウェスト・エンド再演
受賞トニー賞 ミュージカル作品賞
トニー賞 ミュージカル再演作品賞
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『パジャマ・ゲーム』(The Pajama Game)は、1953年のリチャード・ビゼル著による小説『7? Cents』を原作とするミュージカル。ジョージ・アボットとビゼルが脚本を執筆し、リチャード・アドラーとジェリー・ロスが作詞作曲した。ボブ・フォッシーの振付デビュー作である。パジャマ工場の労働者のトラブルやロマンスを描いている。

1954年5月13日、セント・ジェームス・シアターにてオリジナル・ブロードウェイ・プロダクションが開幕し、終盤にはシュバート・シアターで短期間上演しつつ計1,063回上演された。1973年に再演された他、2006年にはラウンダバウト・シアター・カンパニーによる再演が行なわれた。オリジナル・ブロードウェイ・プロダクションはフレデリック・ブリッソン、ロバート・E・グリフィス、ハロルド・S・プリンスがプロデュースし、トニー賞 ミュージカル作品賞を受賞した[1]。2006年のブロードウェイ再演ではトニー賞ミュージカル再演作品賞を受賞した。以降本作は地方劇団や学校演劇などで人気となっている。

1955年10月13日、ロンドン・コロシアムにてウェスト・エンド・プロダクションが開幕し、588回上演された。
登場人物

シド・ソロークン - ハンサムな新工場長。労働争議で対立する立場ながらベイブと恋に落ちる。

キャサリン・ウィリアムズ(愛称"ベイブ") - 労働組合苦情処理委員会のリーダー。シドと恋に落ちる。

マイロン・ハスラー(愛称"オールドマン") - 厳しい社長で秘密がある。

グラディス・ホッチキス - ハスラーの魅力的で頭の回転が速い秘書。ハインズと交際しているがプレッツから追いかけられる。

ヴァーノン・ハインズ - 工場の時間記録係。グラディスが浮気していると思い嫉妬する。

プレッツ - 労働組合長。既婚者だが女癖が悪い。

メイベル - 工場の面倒見の良い女性でシドの秘書。

メイ - 苦情処理委員会の口うるさいメンバー。プレッツの口説きに乗り驚かせる。

パップ - ベイブの優しく愛想の良い父親。

マックス - セールスマン。

チャーリー - 工場労働者で雑用係。

ジョー - 工場労働者でプレッツの右腕。

ブレンダ - 苦情処理委員会のメンバー。

ヴァージニア - 女性工場労働者で活動家。

プープシー - 女性工場労働者で組合活動家。

ガス - シドに倒される工場労働者。

あらすじ

第1幕

アイオワ州シーダーラピッズにあるスリープタイト・パジャマ工場の生産効率向上の専門家であるヴァーノン・ハインズは第四の壁を通して物語を紹介する("The Pajama Game Opening")。工場では労働者たちが過酷な状況下でパジャマを量産している("Racing with the Clock")。そんなさなか、シド・ソロークンが新たな工場長としてよその街からやってくる("A New Town Is a Blue Town")。プレッツが率いる労働組合は時給を7.5セント賃上げするよう求めているが、マイロン・ハスラー社長はこれを認めない。キャサリン・ウィリアムズ(愛称"ベイブ")は労働組合苦情処理委員会のリーダーである。シドとベイブは対立する立場でありながら、互いに一目ぼれする。同僚たちに冷やかされながら、ベイブはシドを振った形になる("I'm Not At All in Love")。ハインズは社長秘書のグラディス・ホッチキスと交際しているが、嫉妬深すぎてグラディスに嫌がられる。2人の喧嘩を目撃し、シドの秘書のメイベルはハインズが嫉妬深さを脱却できるようアドバイスする("I'll Never Be Jealous Again")。ベイブに再び振られたシドは録音再生機に愚痴を言う("Hey There")。

恒例の社員ピクニックが社歌「スリープタイト」で開幕する("Sleep-Tite")。ハインズは酔っ払って投げナイフを披露し、頭上のリンゴに当てようとしてベイブに刺さりそうになる。プレッツはグラディスを追いかけるが断られる("Her Is")。ベイブはシドと仲良くなり、皆でダンスを踊る("Once a Year Day")。ピクニックの参加者たちが帰宅し始め、プレッツがメイにちょっかいを出すと思いのほか良い反応である("Her Is (Reprise)")。ベイブの家で、シドのロマンチックな誘いはベイブの無関係な会話でそらされる("Small Talk")。やがて打ち解け互いの愛を認める("There Once Was a Man")。しかし工場に戻ると2人の距離は離れていく。ベイブの強い協力により、組合は労働ペースを落とす("Racing with the Clock (Reprise)")。シドは工場長として誠実な労働を求め、真っ当に働かない者は解雇すると脅す。しかしベイブは目的達成のために戦う決意を持ち、わざと工場ラインを乱して故障させ、シドは不本意ながらもベイブを解雇する。ベイブが去り、シドはベイブとの恋愛はやはり間違いだったのかと考え始める("Hey There (Reprise)").

第2幕

組合の会議にて、プレッツによるスローガンの後、グラディス(2006年再演ではメイ)が男性たちを率いてダンスを披露する("Steam Heat")。会議の後、苦情処理委員会はベイブの家に集まり、わざとパジャマのサイズを上下違えたり、ズボンのボタンが外れるようにするなどの戦略を練る。プレッツとメイの関係は終わりに近づき、シドがやって来てベイブと仲直りを試みる。シドへの想いに反してベイブはシドを遠ざける("Hey There (Reprise)")。

工場において、女性労働者たちはハインズに労働ペースが落ちているのはハインズのせいではないとして安心させる("Think of the Time I Save")。ハインズは営業のマックスと会議でイリノイ州ピオリアで起きた事件について話し合う。ハインズがパジャマのズボンの試着に呼ばれるが、グラディスがやってきた途端にズボンが落ちる。グラディスはハインズがふざけていると思って怒って追い出す。ベイブの組合への熱意を確信するシドは、グラディスをナイトクラブのヘイルナンドズ・ハイドアウェイに連れ出す("Hernando's Hideaway")。シドはグラディスから帳簿の棚の鍵を手に入れる。ハインズとベイブはシドとグラディスが一緒にいるのを目撃して誤解する。ベイブは出て行き、シドは妄想が現実になったと嫉妬する("I'll Never Be Jealous Again Ballet")。

シドはグラディスの鍵を使って帳簿を入手し、ハスラーが帳簿上はすでに7.5セント賃上げし、差額を自分のものにしていることを発見する。嫉妬に狂ったハインズはグラディスの事務室に侵入し、シドとグラディスにナイフを投げ、ハスラーは自分が狙われていると勘違いする。ハインズを拘束し、シドはハスラーに賃上げの同意を得て組合争議へと急ぐ(7? Cents)。賃上げのニュースは工場に平和をもたらし、ベイブと仲直りする(There Once Was a Man (Reprise))。従業員たちは自社のパジャマを着てヘルナンドズ・ハイドアウェイで祝宴を上げる(The Pajama Game Finale)[2]
使用楽曲


第1幕


"The Pajama Game Opening" ? ハインズ

"Racing With the Clock" ? 工場労働者

"A New Town Is a Blue Town" ? シド

"I'm Not At All in Love
" ? ベイブ、女性工場労働者

"I'll Never Be Jealous Again" ? メイベル、ハインズ

"Hey There" ? シド

"Racing With the Clock" (Reprise) ? 工場労働者

"Sleep-Tite" ? カンパニー

"Her Is" ? プレッツ、グラディス

"Once a Year Day" ? シド、ベイブ、カンパニー

"Her Is" (Reprise) ? プレッツ、メイ

"Small Talk" ? シド、ベイブ

"There Once Was a Man" ? シド、ベイブ

"Hey There" (Reprise) ? シド


第2幕


"Steam Heat" ? グラディス(2006年版ではメイ)、ボックス・ボーイズ

"The World Around Us"(2006年版で追加)? シド

"Hey There" (Reprise) ? ベイブ

"If You Win, You Lose"(2006年版で追加)? シド、ベイブ

"Think of the Time I Save" ? ハインズ、女性工場労働者

"Hernando's Hideaway" ? グラディス、カンパニー

"The Three of Us (Me, Myself and I)"(2006年版で追加)? ハインズ、グラディス

"7? Cents" ? プレッツ、ベイブ、工場労働者

"There Once Was a Man" (Reprise) ? シド、ベイブ

"The Pajama Game Finale" ? フル・カンパニー



特記

「"There Once Was a Man"」と「"A New Town Is a Blue Town"」の2曲はクレジット無しであるがフランク・レッサーの作曲である[3]
"Hernando's Hideaway"

2006年再演において、シド(ハリー・コニック・ジュニア)、グラディス(ミーガン・ローレンス(英語版))、カンパニーが登場する「Hernando's Hideaway」のシーンでハリー・コニック・ジュニアがピアノを演奏した[4]。演出家のキャスリーン・マーシャルはハリー・コニック・ジュニアは演奏時間や曲調を変えずに即興でアドリブができると語った。
"Steam Heat"

オリジナル・プロダクションおよび映画版では特徴的なダンス曲「Steam Heat」はグラディスが踊っていた。2006年再演版ではグラディスでなくメイ(ジョイス・チティック)が登場した[4]。演出家のキャスリーン・マーシャルは「ハインズはグラディスを浮気していると責めるが実際は浮気をしていない。グラディスが組合員全員の前でそう宣言するのに意味があるのか。それにグラディスは社長秘書なのに労働組合の会議に出席するだろうか。グラディスがシドと出掛けて本当に酔っ払って気を許すまでそうさせない方が良いと思う」と語った。
2006年再演での新曲
"The Three of Us (Me, Myself and I)"

リチャード・アドラー作詞作曲。終盤でハインズ(マイケル・マッキーン)がグラディス(ミーガン・ローレンス)と共に演じる[4]。1964年にアドラーがジミー・デュランテのために作曲したものとされる。マッキーンによると、デュランテが自身のパフォーマンスで使用していたが、レコーディングは残っていない。1966年、この曲はスティーヴン・ソンドハイムの「Evening Primrose」も制作された『ABC Stage 67』のテレビ・ミュージカル「Olympus 7-000」で使用された。ハインズ役オリジナル・ブロードウェイ・キャストで映画版にも出演したエディ・フォイ・ジュニアはドナルド・オコーナー、ラリー・ブライデン、フィリス・ニューマンと共に「Olympus 7-000」でこの曲を演奏し、コマンド・レコードによるサウンドトラック・アルバムで歌唱した。
"The World Around Us"


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