パシフィック・ミュージック・フェスティバル
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公益財団法人パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会団体種類公益財団法人
設立2010年
所在地北海道札幌市
法人番号3430005006343
ウェブサイトhttps://www.pmf.or.jp/
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パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌(Pacific Music Festival Sapporo 略称:PMF、ピー・エム・エフ)は、1990年に20世紀を代表する指揮者、作曲家のレナード・バーンスタインロンドン交響楽団とともに北海道札幌市で創設した国際教育音楽祭[1]PMFのコンサート主会場の一つ、札幌芸術の森・野外ステージ(2017年)
概要

毎年7月の約1カ月間、札幌市を中心に開催され、アメリカの「タングルウッド音楽祭」、ドイツの「シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭」とともに、世界三大教育音楽祭のひとつとされる[2]公益財団法人パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会と札幌市が主催する。

「PMFアカデミー」が音楽祭の中核をなし、オーディションで選ばれた若手音楽家(アカデミー生)が、世界一流の指揮者や、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団シカゴ交響楽団などの現役団員らで構成された教授陣の指導を受け、札幌コンサートホールKitara札幌芸術の森・野外ステージを主会場とした演奏会で成果を披露する[3]。毎年7月?8月に約3週間の会期で開催される。
創設の経緯と存続

バーンスタインは、環太平洋地域の若手音楽家を集めたアジアでの教育音楽祭を企画していた。彼は長年故郷に近いボストンの「タングルウッド音楽祭」で若手演奏家の指導に尽力してきたが、それをアジアにも拡大したいと願った。最初の構想では開催地は北京であったが、1989年6月の天安門事件の発生により、当地での開催を断念。PMFアカデミーの研修場所にふさわしい札幌芸術の森やオーケストラの演奏会ができるホールの存在、北海道には予定した開催時期に梅雨がない、などの理由によって札幌が開催地に選ばれた[4]。6月26日に開幕した第1回の音楽祭には、約900人のオーディション受験者の中から123人の若手演奏家がアカデミー生として招かれ、バーンスタインは彼らにシューマンの交響曲第2番を教えた[5]

バーンスタインは第1回の開催後、肺癌により急逝(10月14日)したため、PMFにはこの時が最初で最後の参加となった。彼の死後、札幌市が以後の開催と協力を宣言し、1991年の第2回以降は札幌市が中心となり任意団体「PMF組織委員会」を発足。指導体制としても、バーンスタインと共に第1回に参加したマイケル・ティルソン・トーマスと、ヒューストン交響楽団音楽監督(当時)のクリストフ・エッシェンバッハが芸術監督を引き継ぎ、ウィーン・フィル首席奏者らが教授を引き受けた。なおPMF組織委員会は2002年に文部科学省(文化庁)許可の財団法人、2010年に内閣府所管の公益財団法人へ移行し、毎年の音楽祭の運営にあたっている。

これまでにPMFで学んだアカデミー生(PMF修了生)は、世界78カ国・地域から延べ約3,800名を数え、200を超える世界各国・地域のオーケストラに在籍している。

2019年6月、第30回の節目を迎えるにあたり、音楽祭の名称を「パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌」に変更することが発表された。[6]

2020年は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け音楽祭を中止。[7]2021年は新型コロナ終息が見通せないため、指揮者、教授陣、アカデミー生とも海外勢が来日しない態勢で開催し、音楽教育をオンラインで行うとともに、国内在住の修了生を中心にオーケストラを編成したが、音楽祭開催期間中に一部出演者、スタッフのコロナウイルス感染が判明し、会期後半9公演を残し中止した(7月28日)。[8][9]2022年は3年ぶりに海外からアーティストらが参加して本来の形での開催となった。[10]
主な参加音楽家
PMFオーケストラ指揮者

芸術監督

レナード・バーンスタイン(1990年)

マイケル・ティルソン・トーマス(1990年-2000年)

クリストフ・エッシェンバッハ(1991年、1993年-1998年)

シャルル・デュトワ(2000年-2002年)

ファビオ・ルイージ(2010年-2012年)

ヴァレリー・ゲルギエフ(2015年-2019年)

首席指揮者

ベルナルト・ハイティンク(2003年)

ヴァレリー・ゲルギエフ(2004年、2006年)

ネルロ・サンティ(2005年)

リッカルド・ムーティ(2007年)

ファビオ・ルイージ(2008年)

準・メルクル(2013年、2015年、2017年)

ジョン・アクセルロッド(2016年、2018年)

マリン・オールソップ(2019年)

ラハフ・シャニ(2022年)

マンフレート・ホーネック(2024年)[11]

客演指揮者

エド・デ・ワールト(2003年)

ファビオ・ルイージ(2004年)

準・メルクル(2005年、2008年)

ヤコフ・クライツベルク(2006年)

フィリップ・ジョルダン(2007年)

アンドレイ・ボレイコ(2007年)

尾高忠明(2008年)

シエン・ジャン(2009年)

クシシュトフ・ウルバンスキ(2011年)

エイヴィン・グルベルグ・イェンセン(2012年)

アレクサンドル・ヴェデルニコフ(2013年)

アンドリス・ポーガ(2015年)

エドウィン・アウトウォーター(2018年)

ケン=デイヴィッド・マズア(2022年)

エリアス・グランディ(2024年)[11]

指揮者

マリン・オールソップ(1990年)

リーフ・ブヤランド(1990年)

佐渡裕(1990年、1992年-1999年、2001年、2014年)

大植英次(1990年、2021年)


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