パカパカパッション
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パカパカパッションは、プロデュースが開発し、ナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)がアーケードゲームとして発売した音楽ゲーム、および一連のシリーズである。

キャッチフレーズは「バトルでセッション 音楽は戦いです」(インストラクションカードより)。「パカパカパッション」の権利は、現在株式会社D4エンタープライズが所有している[1]。また同社により商標も出願され、2011年に登録されている[2]
概要

本作は、1曲に対して1つの楽器で難度別の譜面をプレイするという当時の主流の音楽ゲームを逆手に取り、

1つの楽曲につき、
ピアノキーボードギタードラムなど4つの中から好きなパートを選択可能。

2人プレイのみならず、1人プレイにおいても対戦を主体としたルール。

専用筐体が存在せず、アーケードゲームの汎用筐体(サイバーリード、ブラストシティ、ニューアストロシティなど)で稼働可能[3]

従来の音楽ゲームのように判定線が1ヶ所に固定されておらず、逆に譜面が固定表示されて判定線が動く(後述)

などの特徴がある。コントロールパネルは大きめのボタンを備えた本作専用のものを用いる(通常の汎用ボタンでも可能)[4]

同タイトルの楽曲を収録したサントラCDは、有限会社ツーファイブより発売されている(後述)。
シリーズ作品

業務用は全3作。SYSTEM12基板を使用している[5]

パカパカパッション(1998年11月稼働)

記念すべきシリーズ第1作目。業務用販促チラシには「PCBキットだから人気のリズムアクション(音楽ゲーム)がローコスト」と謳っており、低価格の基板により通常筐体でプレイ可能であること、対戦相手との攻防、演奏するパートが違うことなどを積極的にアピールしていた。また、そのチラシ内では「全7ステージ構成」となっていたが、実際の製品版は6ステージ(6曲)となった。当時の音楽ゲームは大型筐体が主流で高額であったことやその販売方法などから入荷できる店舗が限られていたため[6]、ナムコ直営店や個人経営のロケーションを中心に広く稼働することとなった。

パカパカパッション2(1999年7月稼働)

2作目。前作とは収録曲をすべて入れ替え、全9曲となった。前作ではキャラクターの位置がチップの上で固定されて背景だけが変わっていたものからステージ演出が大幅に進化。フルポリゴンによって様々な角度から映し出す演出となった。また、2人協力プレイモード、「裏キャラクター」(後述)と呼ばれる隠しキャラクターが登場したのもこの作品から。開発中のパカ2は、現在のような攻撃チップの高さではなく「ダメージゲージ」と呼ばれるシステムを使っていた。これは後の協力プレイ時のゲージデザインに近い。ロケテストでも使用することを前提とした為、この開発中の画面を用いたインストカードも製作されていた。

パカパカパッションスペシャル(1999年12月稼働)

3作目。全収録曲が変更され(曲数は9曲と変わらず)キャラクターの衣装も新たなものとなった。後述の大会モードを搭載している。また、タイトル画面のイラストを変更する機能が搭載されており、四季折々のものから正月バレンタインデー雛祭りクリスマスなどのイベントに合ったものも用意された。

いずれの作品もPlayStation(以下、PS)向けに移植版が発売された。パカパカパッションは1999年6月24日に、パカパカパッション2は2000年4月27日にそれぞれプロデュースから発売された。しかしパカパカパッションスペシャルについては、発売前にプロデュースが業務を停止してしまったために発売が危ぶまれていた。結果的には2002年4月4日に発売元をサイバーフロントに引き継いだ上で発売された。
PS版パカ1については、隠し曲を使えるセーブデータがメディアワークスのゲーム雑誌「電撃Playstation D23」(1999年10月22日号増刊)の付録CDに収録されたことがある。隠し曲を出す条件(後述)が判定の厳しさも相まって難しい為、重宝された。なおこのセーブデータを使うと各パートの%の記録が全てデフォルトで80%になる。

また、PlayStation Store にてゲームアーカイブス向けとしても有料配信されている(当初の発売元はコトブキソリューション)。レイティングは全てCERO:A(全年齢対象)

パカパカパッション - 2011年3月25日より配信開始。開始1週間でゲームアーカイブスランキング3位になり、根強い人気を見せつけた。

パカパカパッション2 - 同年4月13日より配信開始。

パカパカパッションスペシャル - 同年7月6日より配信開始。これによって全作品が復刻された。

これにより、PlayStation 3PlayStation PortablePlayStation Vitaでも本作がプレイできるようになった。なお、このサービスのうちPlayStation Portableでの直接ダウンロードは2016年3月31日をもって終了したため、それ以降にPSPでプレイする場合はPlayStation 3など別の媒体からPlayStation Store にアクセスしてダウンロードした後にPSP本体へデータ移行させる必要がある[7]

2018年2月1日を以て全シリーズ配信が終了されたが、同年5月23日より、ガンホー・オンライン・エンターテイメントより再び配信開始された。なお、このゲームアーカイブス版をPSP・PS Vitaで遊ぶ場合は1人用のみとなり、対戦などの2人プレイには非対応。当時のリズムパッドにも公式では対応していない。
主なシステム
ステージ構成

パカパカパッション(以後、パカ1と表記。パカパカパッションと表記されている場合はシリーズ全作を指す)はスタンダードモードで3曲設定、スペシャルモードで最大4曲設定である。パカパカパッション2(以後パカ2と表記)、パカパカパッションSP(以後パカSPと表記)はノーマル2曲(パカ2は3曲まで可能)、ハードモードは最大4曲、マニアックモードは最大3曲設定である。ただし、いずれも選べる楽曲の選択肢はステージごとに決まっている。また、BEMANIシリーズのように続編が前作の楽曲を引き継いでいるケースはない(アレンジされて収録された曲は存在する)。曲設定で「最大」としたのは、モードによっては条件を満たさないと次のステージに進めないためである。

さらにPS版では、オリジナルモードや追加曲でステージが多いモード、自由に楽曲を選択できるフリーモードもある。
譜面の見方

パカパカパッションの譜面は特殊である。縦のゲージにチップが設置されていて、そこを一定の速度でカーソルが進んでいく。プレイヤーはそのカーソルが合ったら、配置されている黄、赤、青、緑のチップに合わせて同じ色のボタンを叩いていく。タイミングが完璧に合ったらPerfect、多少ずれていたらGoodが出る(パカ2以降は早かったら赤色、遅かったら青色で表される)。さらにずれているとnice、大きくズレるか別のチップを叩くとmissと出る。また、カーソルがゲージの最下段まで進むと、再び真上からカーソルが降りてきて、それに伴いチップの配置も入れ替わる。ここが他の音楽ゲームにはない所であり、一応次のチップが分かるように残像は用意してくれているが、このタイミングを掴めないと高得点は取りにくい。

基本は4ボタンでの操作であるが、練習・ノーマルでは赤・青だけの2ボタン操作となっている。PS版では全コースにおいて2ボタン/4ボタンの選択が可能になっている。ただしここでの2ボタンの場合は本来の黄が赤に、緑が青に変化するため曲によっては逆にやりにくくなるケースもある。

譜面は練習・スタンダード・スペシャルが用意されている(パカ2以降はノーマル・ハード・マニアックと区分される)。練習(ノーマル)、スタンダード(ハード)は1Pプレイ時のみ、1曲の長さのおよそ半分の演奏時間になるように調整されている。各パートごとに初級(メロディが多い)、中級、上級、そしてパカ2以降からは超上級の4ランクがある。超上級が一番難しいが、パカ2の中には曲によって上級が超上級より遥かに難しいものがある。なお上級・超上級はチップ数が多い傾向にあるので、スコアリング上高得点を稼ぎやすい。

なお、パカパカパッションはシリーズ通して「複数のボタンを同時に押す作業」が一切ない。しかしクリアの鍵を握るPerfectのタイミングは非常にシビアであり、それ以外の判定は僅かなスコア以外の恩恵をもたらさない。その精度は業務用においては3フレーム(秒間60フレームなので、1/20秒の誤差内)であり、家庭用では差異はあるものの(秒間30フレームに対して、PS版パカ1は1フレーム パカ2以降は2フレーム)厳しいことには変わりなく、この条件下でリズムを正確に叩き込まないといけない。特に上級、超上級はゲージの大半がチップで埋まったような状態になっているので、ある程度の慣れが必要である。

曲の終了時にはパーセンテージ(%)が表示されるが、これは単純にPerfectのみがカウントの対象となる。Missはおろか、GoodやNiceが一度でも出ると100%にならない。例外的に、チップの存在しない部分でボタンを叩いた時に発生するMiss(空打ち)については%表示に影響しない。

音楽ゲームは“ミスさえしなければOK”というルールを採用しているものがほとんどのため、前述の判定のシビアさも相まって『太鼓の達人』などよりも100%を叩き出すことが極めて困難なゲームである。

全作品で、2人のプレイヤーが同じキャラクター(後述)を選ぶ(SPの裏キャラクターは除く)と譜面が正規のものと異なるものが表示され、1P・2Pの左右に分割される。

パカ1で2人のプレイヤーが同じキャラクターを使うには別途隠しコマンドが必要になる。譜面は1小節ごとに交互に表示される。

パカ2では表キャラクター同士の場合は裏キャラクターの譜面を分割したもので比較的均等になるが、裏キャラクター同士の場合は2P側だけミラー状態になるため演奏がしにくい。

パカSPでは、裏キャラクター同士の場合は左右同じ譜面が表示されるようになった。表キャラクターはパカ2同様、裏キャラクターの譜面を比較的均等に分割している。例外的にXL Techno Remixのゲロッパのみ、ゲロッパ同士でも譜面が裏キャラクター(ゲロッパZ)のものが表示される。

勝負の仕方

パカパカパッションは他の音楽ゲームと異なり、相手(CP)と小さなチップを送り合う対戦形式がメインとなっている。チップはPerfect判定を出せば相手に送ることが出来、相手が送ってくるチップは相手がPerfectを取れば相殺されるが、逆にmissを続けているとダメージが強くなる。そして、曲終了時にPerfect率のペナルティを加算した結果、小さなチップの量が少ない方が勝ち(プレイヤーが負けた場合はその場でゲームオーバー)となる。


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