パイプオルガン
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オルガン
別称:風琴
各言語での名称

organ
Orgel
orgue
organo
管?琴(簡体字)
管風琴(繁体字)


パイプオルガン
分類

気鳴型鍵盤楽器

オルガン(: organ)は、加圧した空気鍵盤で選択したパイプに送ることで発音する鍵盤楽器であり、パイプオルガンとも呼ばれる。パイプオルガンに準じた鍵盤楽器である、リードオルガン電子オルガンもオルガンの名で呼ばれる。
概要

オルガンは鍵盤で操作される管楽器である。多数のパイプを発音体として備えるが、1本のパイプに異なる音高を発生させることはなく、各パイプの音高は固定的で、少なくとも鍵盤のすべての鍵に対応する数のパイプを持つ必要がある。基準音高や音色の違うパイプ群を複数備えていることが多く、その場合ストップと呼ばれる機構によって、発音するパイプ群を選択できるようにしている。

オルガンは安定して持続する音と、多彩な音色を持ち、これがオルガンならではの魅力となっている。しかしパイプに機械的な仕組で一定の空気を流して発音するために、一般の管楽器に比べて強弱や音色の変化を微細に行うことはできない。そのため、たとえばストラヴィンスキーは「呼吸をしない怪物」と評したことがある[注 1]。オルガン演奏における強弱表現は、ストップの切り替えや、複数の鍵盤の使い分け、スウェル・シャッターの使用などの他に、各音の持続時間の長短や、発音の終始速度の制御によって心理的に音の強弱をもたらすこともできる。
日本語の「オルガン」学校のオルガン(二十四の瞳映画村

日本では単に「オルガン」と言った場合、学校などで使用されていた、足踏み式のリードオルガンのことを意味する場合もあり、パイプによるオルガンのことは、あえて区別して「パイプオルガン」と呼ぶことが多い。

一方、西欧の言語では、たとえば英: organ、独: Orgel、仏: orgue、伊: organo、西: organo とだけ言った場合には、一般にパイプによるオルガンを指す。リードによるオルガンを指す場合は、英: reed organ などと明示的に呼ぶ必要がある。

なお、明治から昭和初期までの日本語では、オルガンの和訳「風琴(ふうきん)」が広く用いられた。なお日本語の「風琴」は、広義ではアコーディオンも含む。

(本節のオルガンに関する詳細は後述の「リード・オルガン族」を参照のこと)
歴史ドイツのネニッヒの水オルガンを描いたモザイク(117年 - 138年)

ギリシャ語の "οργανον"(オルガノン)とは、本来は道具・器官のことを意味し、演奏するための組織的道具という意味で、楽器についてもこの言葉が適用されるようになった。後にこの言葉が、各言語でのオルガンという単語になっていった。現在も "organ" の語義は「機関」「器官」という意味である(en:Organを参照)。
起源

オルガンの起源は非常に古く、紀元前数世紀からオルガンの原形にあたる楽器の存在が認められる。これらは、「パンの笛」や「シリンクス」(en)などのように、複数の笛を束ねて吹くもので、中国や日本などの「」も同族の楽器と見なされる。
水オルガン「en:Water organ」も参照クテシビオスの水オルガン

紀元前264年にアレキサンドリアに住むクテシビオスが、水力によって空気を送り込み、手で弁を開閉させることによって音を出す楽器「水オルガン」(ヒュドラウリス (Hydraulis)(en))を製作したことが記録に残っている。水オルガンは青銅と木でできており、大理石でできた円筒状の基礎に乗っていた。大理石の中には貯水槽とピストンが備えつけてあり、圧縮空気を上部のパイプに送り出した。外見はパンパイプを機械化し、直立させたものに近い。これをアレキサンドリアのヘロンローマ人建築家ウィトルウィウスが改良し、地中海地方に水オルガンは普及した[1]

水オルガン奏者たちは演奏会で腕を競いはじめ、デルフォイの演奏会ではアンティパトロスという奏者が、丸2日間休むことなく演奏を続けて栄光を勝ち取った。結婚式、競技場、宣誓就任式、晩餐会、劇場などでも水オルガンが演奏された。水オルガンの奏者は女性が多かったが、剣闘士の試合などでは男性が演奏したことがわかっている。また、ネロ帝も水オルガンを好んで演奏した。水オルガンはローマ帝国の勢力が衰えるにつれて地中海地方では衰退したが、ビザンティン帝国では宮廷の儀式用に用いられ続けた(続テオファネス年代記には、皇帝テオフィロスが宝石がちりばめた黄金製オルガン2つと、60個のブロンズ製のパイプをもつオルガン1つを作らせたとの記載がある)。一方、アラビアにも伝播して改良が重ねられていった。
古代の水オルガンの遺物の出土例

ギリシアのピエリア県のディオン村(英語版)には、ヘレニズム時代の都市ディオンの古代遺跡が残り、同村にあるディオン考古学博物館(英語版)に出土した1世紀の水オルガンが展示されている。ディオン考古学博物館(英語版)に展示されている1世紀の水オルガン

ハンガリーの首都ブダペスト市内にある古代ローマ都市アクィンクム遺跡でも水オルガンが出土しており、復元品がアクィンクム博物館に展示されている。
ふいごによるオルガン

紀元前1世紀はじめ、水オルガンとは仕組みの異なるふいごによるオルガンが出現していることが確認されている。ふいごを用いる改良は、オルガンにとって大きな進化となった。音を途切れさせないためには複数のふいごを設置することでそれを防いでいた。
中世

9世紀に、ヨーロッパでオルガン製作が再び始まるようになった。当初は宗教とは特に関係はなかったが、13世紀には教会の楽器としても確立された。一方で、世俗にも比較的小型の楽器が普及した[2]
ルネサンス

15世紀後半から16世紀のルネサンス時代には、ストップの多様な組み合わせによって音色の変化が効果的に用いられるようになった。現在のほぼすべてのオルガンに採用されている「スライダー・チェスト」が発明されたのはこの時代で、スライダーを用いてストップを選択するという方式が定着していった[3]。オルガンが日本に伝来したのはこの時期で、1581年に高山右近統治下の高槻の教会に設置されたパイプオルガンが日本で最初とされる[4]
バロック

17世紀から18世紀前半のバロック時代はオルガン文化の全盛期にあたる。特に北ドイツでは、新教が大オルガンを建造することを競い始めるようになり、巨大化が加速された。オルガン建造家として現在も伝説の巨匠とされるアルプ・シュニットガー[5]ジルバーマン兄弟もこの時代に活躍した。世間にも広まった時期で、新興階級の部屋に置かれることもあった。
シンフォニック/ロマンティック・オルガン

19世紀から20世紀初頭には、多様な8'の音色による交響楽的な設計のオルガンが作られ「シンフォニック・オルガン」や「ロマンティック・オルガン」と呼ばれる。作曲家たちの間ではオルガン・ソロのための交響曲を書くことが流行したことからも、この時代のオルガンがどのような傾向を持っていたかが窺える。建造家としてはアリスティド・カヴァイエ=コルが特に有名である[6]
ネオバロック・オルガン

20世紀にドイツに起こった「オルガン運動」によって古い時代のオルガンが見直されるようになり、バロック時代のオルガンを模倣した「ネオバロック・オルガン」が数多く造り出された[7]。しかし、当時は過去のオルガンに関する研究が不十分であり、歴史的オルガンの修復にあたって多くの過ちを犯した。

現在は、古い時代のオルガン建造技術が尊重され、歴史的楽器の本来の音に近づくために、より慎重な修復や複製が行われるようになっている。
パイプオルガンの種類

おもに教会コンサートホールに設置される大オルガンのほかに、小型の据え置き型のポジティフ・オルガン(w:en:Positive organ)や、可搬型のポルタティフ・オルガン(オルガネット)(w:en:Portative organ)などがある。

用途や設置場所を特に意図したい場合には、「教会オルガン」「コンサート・オルガン」「ハウス・オルガン」「劇場オルガン」「シアター・オルガン」「シネマ・オルガン」などの呼び方が使われることもある。最後の3つは音楽鑑賞を主目的としないもので、録音・再生装置が広く出回る前の時代に、劇場の効果音や雰囲気づくりに使用された。たとえば映画で、音楽を奏するほか、蒸気機関車の蒸気や汽笛の音、動物の鳴き声、爆発音まで、さまざまな音をオルガンの多彩なストップを応用して模倣して出す。
オルガンの例

スイスシオン、ノートルダム・ドゥ・ヴァレール教会、1400年ごろ(演奏可能なもののうち最古)

フランスストラスブールノートルダム大聖堂、1489年

イタリアローマサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂、Luca Blasi、1599年

ドイツリューベック、聖ヤコビ教会、Stellwagen、1636年

北ドイツ・シュターデ、聖コスメ教会、B. Hussおよびアルプ・シュニットガー、1688年

北ドイツ・ノアデン、聖ルドゲリ教会、A. シュニットガー、1688年

フランス、マルムーティエ修道院教会、アンドレアス・ジルバーマン、1709年

ドイツ・ヴァインガルテン、聖マルティン教会、ヨゼフ・ガブラー、1750年

ヴァインガルテンのガブラー・オルガン(クローズアップ)

南ドイツ、オットーボイレン修道院教会、カール・ヨゼフ・リープ、1766年

ドイツ、アーモーバッハ修道院教会、Stumm工房、1774年

カナダモントリオール、ノートルダム聖堂、Casavant Freres、1891年

ポルタティフ、ドイツ、1979年

レガール、ドイツ、1978年

テーブル・ポジティフ、ドイツ、1978年

日本、横浜みなとみらいホール、1998年

日本、ポジティフ、横浜みなとみらいホール、2011年

パイプ詳細は「ストップ (オルガン)」を参照

パイプはオルガンの発音の主体であり、おもにの合金や木材で作られる。一般に装飾を兼ねて前面に配置されるパイプよりもはるかに多くのパイプがケース内部には配置されている。パイプの発音構造は大きく分けて2種類あり、それぞれフルー(英語: flue)管とリード(英語: reed)管と呼ばれる。フルー管はリコーダーと同じく歌口により発音するもので、リード管はクラリネットと同様の1枚リードの構造で発音する。またパイプの太さや、開管、閉管、半開管などの構造の違いにより多様な音色のパイプが存在する。

鍵盤に対応した一揃いのパイプ列は、それぞれに名称がつけられ、ストップと呼ばれる選択機構によって使用が選択される。またパイプ列自体をストップと呼ぶことも一般的である。パイプ列の音高はフィート律で示される。すなわち標準の音高のパイプ列は8'と表現され、それよりも1オクターヴ高いあるいは低い音高のパイプ列はそれぞれ4'、16'となる。これは一般に鍵盤の最低音であるC音のパイプの長さが、おおよそ8フィートになることに基づいている。

一般に大規模なオルガンでは、パイプ群はそれぞれが独立した小オルガンともいえるディヴィジョンに組織される。各ディヴィジョンごとに鍵盤が設けられ、それによって音色や音量の対比が可能となる[8]

パイプ3種 金属管 木製管 リード管


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