バードストライク
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この記事には暴力的または猟奇的な記述・表現が含まれています。免責事項もお読みください。
バードストライクで破損したF-16の風防。

バードストライク(英語: bird strike)とは、鳥類が人工構造物に衝突する事故をいう。鳥衝突ともいう[1]

特に航空機と衝突する事例を指すことが多い。このほか、鉄道自動車といった乗り物、風力発電風力原動機送電線送電鉄塔ビル灯台などにおいても起きている。高速移動中の人工構造物への衝突の場合は小鳥程度の大きさであっても非常に衝撃が大きく、重大事故に発展する可能性もある。
航空機

航空機におけるバードストライクは離陸動作中(滑走、離陸直後)もしくは着陸動作中の速度が比較的遅く、高度が低い時に起こりやすい。この期間中は特に危険な「クリティカル・イレブンミニッツ」(離陸動作中3分、着陸動作中8分の計11分、「魔の11分」とも)と呼ばれる[2]

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ジェットエンジンが主流の現在は、鳥がエアインテークに吸い込まれる航空事故が多く、特に旅客機ターボファンエンジンは、エアインテークの直径と推力が大きく、かつ地面に近いため、バードストライクが起こりやすい。近年は更に、燃費低減のためファンの直径が大きくなる傾向にあり(例として、ボーイング777のエンジンゼネラル・エレクトリック GE90は、ファンの直径が3m以上、プラット・アンド・ホイットニー PW4000でも2m半ある)、余計にバードストライクが発生しやすくなっていると言える。これらの対策として遠心力を利用した異物の除去対策が用いられている。[独自研究?]

海上空港では、敷地内に海鳥が集まりやすく、バードストライクの危険性がより高い[3]

日本国内における航空機のバードストライクは、2006年度は1,233件の報告があった。内訳として羽田空港では118件、神戸空港では94件などである。羽田は国際化やLCCの導入などにより、2014年には約200件に増えた。中部国際空港では、2007年に1万羽近いウミネコが集まったために、滑走路が使用不能になったことがある[3]

アメリカ連邦航空局によると、2021年にアメリカ国内で野生動物と航空機の衝突した件数は14,368件にのぼっており[4]大半が鳥と見られている。
防止対策

バードストライクによるエンジンの損傷や事故機が空港へ引き返すことで発生した損失は、国内だけで年間数億円とされるため、航空会社空港はさまざまな対策を講じている[5]。空港によってはバードストライク対策専門の「バードパトロール」が車で巡回し、散弾銃空砲爆竹の音により定期的に鳥を追い払ったり、車に搭載したスピーカーから鳥の苦しむ鳴き声(ディストレス・コール)を流す、訓練された犬を使い、航空機とは正反対の方向に鳥を追い立てるといった予防策も行われている。しかし、バードストライクを未然に防ぐ有効策はないのが現状である。特に日本では銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)の規定により実銃の使用規制が厳しいため、より手軽な遊戯銃紙火薬を用いたり、録音した銃声で追い払うなどが中心となるケースが多い。全日本空輸では1985年からエンジンに目玉マークを書いて鳥が近寄るのを防ごうと試みたことがあるが、効果が上がらなかったために中止された。高知空港高松空港松山空港ではハヤブサを放して空港周辺から鳥を追い払う試験が行われたことがあるが、これも効果が上がらなかったため、実用化には至っていない。

国土交通省航空局では「鳥衝突防止対策検討会」を立ち上げ、バードストライクの対策に取り組んでいる。その一環として、日本で発生したバードストライクの情報の共有を目的とし、『鳥衝突報告要領(平成21年7月14日制定、国空用第91号)[6]』に基づくバードストライクまたは鳥とのニアミスがあった場合に報告するための「鳥衝突情報共有サイト」が公開されており[7]、国土交通省 航空局 安全部 安全企画課 空港安全室によって運営されている[8]

日本電気では、バードストライクの危険性を軽減するための装置群「鳥位置検出ソリューション」を開発しており、東京国際空港で採用されている[9]。ただし、この装置については2015年に「システムの検知機能や利用体制の不備」により見込んだ効果が上がっていないと報じられた[10]

メーカー側の対策として、ジェットエンジンのメーカーは、エンジン開発の際に鳥[注釈 1][12]を吸い込ませて、耐久テストを行なっている場合もある[12]。また、かつてはファンブレードに燃費を考慮して軽量な複合材料の採用もあったが、金属材に比べて耐衝撃性に劣るため、近年は重量が増加するのを承知で前縁部をチタンで覆って補強する設計が増えている。例としてロールス・ロイスRB211エンジンの開発時に、複合材製ファンブレード(商品名ハイフィル)を採用したものの、バードストライク試験を通過できず、改良のための費用がかさんだことで資金繰りが悪化、倒産して国営化された。この教訓を踏まえ、後に開発されたトレントでは、チタン製の中空ファンブレードを採用した。

航空機メーカーではチキン・ガンを使って強度試験を行っている。

機首のウィンドシールド(風防)が多層構造になっているのも、バードストライクが理由の1つである。たとえばボーイング747のウィンドシールドは5層構造であるが、これはガラス層の間に樹脂層が挟まれている「合わせガラス」となっており、衝突時の衝撃を吸収できるようになっている。被害の程度はウィンドシールドの形状にも影響され、リアジェット機のように強く傾斜している場合は衝突した鳥が突き刺さらず、潰れながら後方に弾かれるなど、避弾経始のように作用することが判明している[13]
航空事故

1960年10月4日、イースタン航空375便墜落事故(英語版) - ローガン国際空港を離陸した直後だったイースタン航空375便(ロッキード L-188)がムクドリの群れと衝突し墜落した。乗員乗客72人中62人が死亡。

1975年11月12日オーバーシーズ・ナショナル・エアウェイズ032便大破事故 - ジョン・F・ケネディ国際空港から離陸しようとしていたオーバーシーズ・ナショナル・エアウェイズ032便(マクドネル・ダグラス DC-10-30CF)がカモメの群れに衝突した。


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