バーチャルボーイ
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バーチャルボーイ

メーカー任天堂
種別据置型ゲーム機
世代第5世代
発売日 1995年7月21日
CPUNEC V810 @ 20 MHz
対応メディアロムカセット
対応ストレージバッテリーバックアップ
コントローラ入力ケーブル
外部接続通信ポート
売上台数 15万台
50万台
77万台
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バーチャルボーイ(VIRTUAL BOY)は、1995年7月21日任天堂から発売された。横井軍平が発案。3Dの今までに無い全く新しいゲーム体験を楽しむことができるバーチャル・リアリティマシン。略称「VB」。その外見から「赤い眼鏡」とも呼称された。希望小売価格15,000円[1]バーチャルボーイを覗き込んだ時に見えるロゴ

遊び方はスタンドに据え付けられたゴーグル型のディスプレイを覗き込むようにして行う。視差の概念を採り入れ、左右の画面に異なる映像を表示させることで立体画面を実現する。テレビに接続せず電池で駆動するが、視界を覆う専用ディスプレイが必要となるため、室内のデスクトップでのプレイが主となる。
沿革

1994年

4月14日 - 任天堂バーチャル・リアリティをテーマにした新型ゲーム機を開発中であることを発表[2]

11月14日 - 1995年4月に発売することを発表、価格は19,800円、初年度300万台、ソフトは1,400万個出荷予定[3]


1995年

3月24日 -「ゲームエキスポ95」にて、同年7月21日に発売延期することおよび価格を15,000円に変更することを発表、ソフト開発の都合のため、出荷予定台数に変更なし[4]

7月21日 - 発売。


1996年

7月 - 北米では2次出荷に際して定価を99ドルにすることが発表されたが実現しなかった。キラーソフトにドラゴンホッパーとバウンド・ハイ!が予定されていた[1]。


ハードウェア

1992年、任天堂にリフレクションテクノロジー社からLEDを使用したバーチャルディスプレイ技術の「プライベート・アイ」の売り込みがあり、当時、山内溥からバーチャル・リアリティをテーマにした商品開発を提案されていた横井軍平の下で、リフレクションテクノロジー社との共同開発が始まった。この技術は元々、航空機の整備士などが大きく扱いにくい整備マニュアルをヘッドアップディスプレイのように専用ゴーグルに投影して作業を効率化するために利用されていた。

十字キーを2つ搭載する。アナログスティックなどを除けば方向キーを2つ搭載した家庭用ゲーム機は他に無い。

バーチャルボーイ内部には、画像の縦解像度と同じ224個の赤色LEDを並べた1本のバーが配置され、対になった鏡が2枚装備されている。LED素子を一列に並べた「LEDアレー」と呼ばれる装置をタイミングを調節して点滅させながら左右に動かし、残像で映像を結んでいる[5]

LEDバーは点滅を繰り返し、高速で振動する鏡が左右の真横から発する光と同期して光を反射することによって、点の光が線に見えるようになる。この残像効果を応用して画像を映し出している[5]。この投影システムが、右目用と左目用に個別に用意され、左右の目の視差を利用した位置に配置されることによって、立体的な映像を作り出している。

CPUPC-FXと同じNECV810を採用している。カスタムチップのV810は20MHzで動作し、浮動小数点演算処理ユニットも搭載している。サウンドはゲームボーイのサウンドとほぼ同じ。波形メモリ音源で、波形を32バイトPCMで変更できる。これを利用して短い声をPCMで発音できた。画面の解像度は384×224でファミリーコンピュータと同程度である。色数は赤色LEDによる単色で、赤?黒の4階調と少ないが、画面の明るさを32段階で調整できる。

なお、バーチャルボーイの名称はコピーライター糸井重里が名付けたという噂が広まっていたが、『ほぼ日刊イトイ新聞』のコラム「今日のダーリン」2007年7月10日付にて糸井自身が「『ゲームボーイ』と『バーチャルボーイ』のネーミングは、ぼくじゃありません」と否定している。
基本仕様

CPU:カスタムV810(20MHz)

RAM:1MB

SRAM:512KB

画面:4階調モノクロ、384×224ドット、画面の明るさを32段階で調整可能。

サウンド:16ビットステレオ 
波形メモリ音源5ch(5チャンネル目はスイープおよび変調可能)+ノイズ1ch[6]

コントローラー:ボタン6個(Aボタン、Bボタン、STARTボタン、SELECTボタン、Lボタン、Rボタン)、十字キー2個、電源スイッチ、電池ボックス付属

通信ポート:国内版では「PLAYLINK」、海外版では「EXT.」(拡張ポート)と書かれている。これを使用する周辺機器は公式では存在しないが、海外では非公式の通信ケーブルと対応ゲームが有志により後に制作された。ゲームボーイのそれよりも一回り大きい。

電源:単3電池6本使用。別売りのアダプタを利用すればファミリーコンピュータスーパーファミコン共用のACアダプタ(HVC-002)が利用可能。

周辺機器

スタンド(VUE-003)

コントローラ(VUE-005)

電池ボックス(VUE-007)

ACアダプタタップ(VUE-011)

型番などに見られるVUEは、Virtual Utopia Experienceの略で、バーチャルボーイのコードネームでもある。

型番名称備考
VUE-001バーチャルボーイ本体
VUE-003スタンド本体を設置するためのスタンド。経年劣化により飾りパーツが割れてしまう問題があり、海外では交換用パーツが作られている[7]
VUE-005コントローラ専用コントローラ
VUE-006カートリッジ専用ロムカセット
VUE-007電池ボックスコントローラの背面に接続して電力供給するボックス
VUE-010アイシェード入射光をカットして視認性を向上させる
VUE-011ACアダプタタップファミリーコンピュータスーパーファミコン、バーチャルボーイ共通ACアダプタ(HVC-002)をバーチャルボーイで使用することが可能で電池ボックスとの排他利用である
VUE-012アイシェードホルダーアイシェードを固定するパーツ
VUE-014ステレオヘッドホン本体と同色の赤いステレオヘッドフォン
不明アジャスタブルスタンドVUE-003の改良版で未発売[8]
不明通信ケーブル海外版本体のマニュアルに、Virtual Boy GameLink Cableの名称で別売品としてパーツリストに掲載されていたが、発売はされていない

ソフトウェア

全19タイトル。

1995年7月21日 - マリオズテニス任天堂) / 4メガビット(512KB)

7月21日 - ギャラクティックピンボール(英語版)(任天堂) / 8メガビット(1MB)

7月21日 - テレロボクサー(任天堂) / 8メガビット(1MB)

7月21日 - レッドアラーム(英語版)(T&E SOFT) / 8メガビット(1MB)

7月21日 - とびだせ!ぱにボンハドソン) / 4メガビット(512KB)

8月11日 - T&E ヴァーチャルゴルフ(英語版)(T&E SOFT) / 16メガビット(2MB)

8月11日 - バーチャルプロ野球'95コトブキシステム) / 8メガビット(1MB)

8月12日 - バーティカルフォース(英語版)(ハドソン) / 8メガビット(1MB)

8月25日 - V・テトリス(英語版)(BPS) / 4メガビット(512KB)

9月28日 - マリオクラッシュ(任天堂) / 8メガビット(1MB)


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