バーコードバトラー
[Wikipedia|▼Menu]

バーコードバトラー
メーカーエポック社
発売日 1991年
対応メディアバーコード印字物(紙製カードなど)
コントローラ入力内蔵
テンプレートを表示

バーコードバトラー(Barcode Battler)は、1991年エポック社から発売された電子ゲーム機。または、そのシリーズ
概要

本体に備わったスリットにバーコードの付いたカードを読みとらせ、その数値情報からキャラクターやアイテムのデータを生成し、1vs1(バーコードバトラーII2 C0では最大4人)で遊ぶゲーム。専用のカードが同梱されてはいるが、一般商品などについているバーコードを使ってオリジナルキャラクターを作ることができるというのが肝である。

初期型である白色のバーコードバトラーの他、システムを一新した黒色のバーコードバトラーII(-ツー)がある。IIおよび後述のバーコードイレブンには通信用の端子が存在し、専用の拡張機器であるバーコードバトラーII2 C0(-ツーダブルシーゼロ)およびバーコードバトラーII2 C2(-ツーダブルシーツー)や、後述のテレビゲーム機と接続することが出来る。2005年8月にはiアプリとして復刻した(開発はエクシング)。

自作のカードを作る場合は商品のバーコードを切り取り(バーコードを直接扱うよりは、コントラストや反射などの面から一度コピーした上での利用が推奨された)、カード状のものに貼り付ける(専用の「ホワイトカード」が発売されていた)。基本的にはJANコード(日本国内でのバーコード。当時は先頭が49に限られていたためユーザー間では「49バーコード」と呼ばれた)をターゲットにしているが、8桁または13桁のWorld Product Codeに属していれば海外のバーコード(UPCEANなど)やISBNでも読み取ることができた。

ゲーム画面は最低限の文字の他は全て7セグメントのデジタル英数字のみで構成され、キャラクターの姿や舞台設定などはカードのイラストや漫画版などで補われる。同時期の他のコンピュータゲームと比較しても非常に単純であるが、それだけプレイヤーにとって想像の余地が大きい。

子供達の間に熱狂的に迎えられ、小学館の『月刊コロコロコミック』に「バーコードファイター」や学習雑誌の小学1 - 3年生にバーコードバトラーを題材とした作品が連載されるに及び、全国の玩具店では対戦のイベントが行われた。イベントでは限定カードが配布されバーコードバトラー本体には付属されていなかったチャーハン帝、チャーシューファンやデンターラ等が配布された。(後にチャーシューファンとデンターラは小学館の雑誌で騎士フラッペのカードと一緒に再配布された。)また、エポック社から定期的にバーコードバトラー新聞を購入することもできた。

しかし、悪意ある大人が“強いバーコード”を生成し、無知な子供に販売する、店の商品からバーコードのみが切り取られるなどの問題も発生した。また、攻略本によっては複数のバーコードを継ぎ合わせたり、さらにパソコンソフトを使うことで思い通りのバーコードを作る方法を紹介していた。
遊び方

ゲームモード選択後、カードを本体にスライドさせることでデータを読み取らせ、液晶に生命力(HP)、攻撃力(ST)、守備力(DF)などのデータを持つキャラクターを表示させる。対戦モードの場合、二人がそれぞれ持ち寄ったバーコードを読み取らせた後、ランダムあるいは潜在能力(液晶に表示されない隠しパラメータ)により先攻・後攻が決められる。その後、戦闘が開始される。

ゲーム自体は非常にシンプルであり、プレイヤーの操作はゲームモードを選択すること、バーコードを読み込ませることと、交互に訪れる各自のターンに「攻撃」か「回復」を選択することのみである(バーコードバトラーII以降は魔法の使用も可能となった)。

キャラクタとキャラクタを「合体」させることができるというシステムがある。合体には相性もあり、その良し悪しによって数値以上の効果が出たり、見かけ倒しに終わることもあった。

攻撃の際液晶の表示や攻撃音に合わせて攻撃(BATTLE)ボタンをタイミングよく押すことで攻撃力が増す裏技も存在した。これはもともと初期製品には無く、その普及過程で生じた都市伝説だったが、IIで正式に実装された。
能力の決定

バーコードの数字によりパラメータが決まる。キャラクターの場合は目に見える生命力(HP)、攻撃力(ST)、守備力(DF)の他に、特殊能力(第4能力)が存在する。これには規則性があるため、たとえば店頭で商品のバーコードを見ただけで「生命力、攻撃力、守備力いくつ」とそのキャラのステータスのみならず、特殊能力までも読み取る者も珍しくなかった。特に初代バーコードバトラーは比較的単純だったためデータを読むことは簡単だった。

バトラーIではJANコード(先頭が49のバーコード)はキャラクターしか存在せず、アイテムは付属のカードかJANコード以外のバーコードでしか存在しなかったが、IIおよびII2については、JANコードの約半数がアイテムとなり、JANコードの最後の桁が0 - 4だとキャラクター、5 - 9はアイテムという設定となった。後述のコンピュータ戦専用であるボス探索や薬草補充という特殊なアイテムも存在し、これらは専用カードにのみ存在して一般商品のバーコードからは出現しないとされる。

「回復」はバトラーIでは回数の制限が無かったが、IIでは薬草(回復アイテム)を所持している場合のみ回復できる(IIの魔法使い、II2の魔法使いおよび僧侶は魔法でも回復可能)。IIおよびII2では初期状態で5個持っている薬草を3個まで同時に使うこともできる。(ただし、公式大会ではバトラーI、IIおよびII2いずれについても薬草および魔法の使用による回復は禁止となっていた。)

特殊能力は戦闘開始時にパラメータを変化させるといった目に見えるものの他にも、画面では確認できない先攻が取りやすくなるものや、命中率100%化、会心の一撃が出やすくなるもの、相手から受けるダメージを軽減するものなどがある。II以降では相手の能力値を減少させるような新特殊能力も追加された。

バーコードイレブンにおいても、バトラーI - II2と同様にバーコードの数字によりキャラの能力値が決定される。特殊能力も存在した。(必殺シュートが打てたり、移動速度が能力値以上に早くなる等)
モード
バーコードバトラー
COMモード
1人用。読み込ませたキャラクターを使った
コンピュータRPG風のモードで、本体ROMに内蔵された敵(全10面、各面に6体ずつ配置されているので総勢60体)と戦う。キャラクターはゲーム開始時に読み込ませる主人公のみである。専用カード以外は読み込ませることはできない。アイテムは、各戦闘ごとに1種類ずつ使用可能。敵を倒してもHPは回復しないが、倒した敵の最大HPを自分の現在値に加算することができる。
B1モード
1人用。COMと戦闘システムは似ているが、敵が内蔵データではなくプレイヤーが読み込ませたカードのデータという点で異なる。COMモードをクリアすると表示される「パスコード」でデータを引き継いだ上で戦うことが前提。敵カードは本体同梱の全6体だが、980円程度で1ストーリー分の追加カードが計3種類販売されていた(「専用カードソフト」と呼称)。専用カード以外(一般商品などのバーコード)も敵として出現させることができる。
B2モード
フリー対戦モード。その場で読み込ませたカードを使い、コマンド入力は両者ともマニュアルで行う。アイテムはそれぞれ1個ずつ使える。アイテムを使う代わりに他のキャラと「合体」もでき、その場合は両者のパラメータが合算されるが、ある条件を満たさないと合体できなかった。COMモード用の主人公カードの場合、パスコードを入力してパワーアップした状態で戦わせることもできる。

この他、画面に「B3モード」なる表示も存在しており、攻略本でもその存在に触れられてはいるが、実際は選択することができず、どのようなモードであるのかも謎となっている。
バーコードバトラーII
C0モード
前作のB2モードの発展型。前作と異なり、どのキャラも無条件で合体が行えるようになった。
C1モード
前作のCOMモードの発展型。キャラクターカードは「戦士」と「魔法使い」のペアを主人公として入力する。専用カード以外を読み込ませることも可能となったが、その場合は他のモードより弱くなる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:60 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef