バレー(Barre)またはセーハ(西: Ceja)とは、ギター・ウクレレ等の撥弦楽器において用いられる、一本の指で同フレット上の複数の弦を同時に押弦する奏法のこと。バレーを用いたコードフォーム(和音を演奏する際の弦の押さえ方)をバレーコード(Barre chords)と呼ぶ。
目次
1 解説
1.1 人差し指でのバレー
1.2 薬指でのバレー
2 コード表
2.1 凡例
2.2 Fコード・F#コード・Gコード
2.3 Fmコード
2.4 Bコード・Bmコード
解説 Fコード型のコードフォーム例
バレーコードでは、指一本で複数の弦を押さえるため、通常の押弦より強い力を要する。コツを掴めば、必要以上に力をかけずに押さえる事ができるが、一般に初心者には難しいテクニックとされる。特に、Fコードのようなローポジション(ヘッド側)ほど難しく、Fコードを覚える事はギター初心者にとって最初の難関とも言われる。
バレーコードのフォームにはいくつかの形があるが、一つのフォームを覚えれば、その形のまま押さえるポジションをハイポジション(ブリッジ側)あるいはローポジションに移動するだけで多数のコードを鳴らす事が可能になり、指板上をくまなく使用できる。例えば、コード表に示した「Fコード・F#コード・Gコード」の例では、Fコードのフォームをそのまま移動することでF#コード・Gコードを押さえている。また、同じコードネームでもハイポジションで別の押さえ方をすることが可能になり、演奏の表現の幅が広がる。 (各コードのフォームについてはコード表を参照。) 人差し指バレーの典型的な目的は、いわば人差し指にカポタストの役目をさせる事だと言える。例えば、人差し指で1?6弦1フレットをバレーし、その上にEコードの形を中指・薬指・小指で作ればFコードとなる。また、人差し指で1?5弦(あるいは1?6弦)2フレットをバレーし、その上にAコードの形を作ればBコードとなる。 ロックなどでは、Fコードを押さえる際に人差し指は1,2弦だけをバレーし、6弦1フレットは親指で押さえて指の負担を減らす等、しばしば代替法や簡略化したフォームも使用される(いわゆるロックフォーム)。これは、ロックではチョーキングを多用するためネックを深く握るフォームが有利であり、エレキギターやスティール弦アコースティックギターはクラシックギターよりネックが細いため親指を使用しやすいという事情のためでもある。 その他、ローポジションのAコードでも人差し指先の腹の部分を使って2?4弦をバレーするプレイヤーもいる。 ローポジションのBコード等で使用する。力が入りにくい左手薬指でのバレーを人差し指バレーと同時に行うため、Fコードなどより難易度が高い。Bコード型のフォームでは薬指で3,4弦をバレーし、2弦は小指で押弦する代替法もある。薬指バレーを使用せず、中指・薬指・小指で通常の押弦を行うプレイヤーも多い。 上から1弦、2弦、3弦の並びで表す。また、押弦する指の一般例を各弦の右に、各弦のチューニングを各弦の左に示す。------ : 弦。 : フレットX : ミュート● : 人差し指バレーで押さえるポジション◎ : 薬指バレーで押さえるポジション○ : バレーではない通常の押弦をするポジション 1?6弦をバレー。 FE |--●--|------|------|-- 人(バレー)B |--●--|------|------|-- 人(バレー)G |--●--|--○--|------|-- 中D |--●--|------|--○--|-- 小A |--●--|------|--○--|-- 薬E |--●--|------|------|-- 人(バレー) 1 2 3 F#(またはG♭)E |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)B |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)G |------|--●--|--○--|------|-- 中D |------|--●--|------|--○--|-- 小A |------|--●--|------|--○--|-- 薬E |------|--●--|------|------|-- 人(バレー) 1 2 3 4 GE |------|------|--●--|------|------|-- 人(バレー)B |------|------|--●--|------|------|-- 人(バレー)G |------|------|--●--|--○--|------|-- 中D |------|------|--●--|------|--○--|-- 小A |------|------|--●--|------|--○--|-- 薬E |------|------|--●--|------|------|-- 人(バレー) 1 2 3 4 5 1?6弦をバレー。 FmE |--●--|------|------|-- 人(バレー)B |--●--|------|------|-- 人(バレー)G |--●--|------|------|-- 人(バレー)D |--●--|------|--○--|-- 小A |--●--|------|--○--|-- 薬 E |--●--|------|------|-- 人(バレー) 1 2 3 1?5弦を人差し指でバレー。Bコードでは2?4弦を薬指でバレー。2弦を小指で押さえたり、薬指バレーせずに中指・薬指・小指で通常の押弦をするプレイヤーもいる。 BE |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)B |------|--●--|------|--◎--|-- 薬(バレー)G |------|--●--|------|--◎--|-- 薬(バレー)D |------|--●--|------|--◎--|-- 薬(バレー)A |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)E |------|--X---|------|------|-- ミュート 1 2 3 4 薬指バレーを使用しない例(B♭コード: Bコードを1フレット分ヘッド側に移動) ウィキメディア・コモンズには、ギターのコード
人差し指でのバレー
薬指でのバレー
コード表
凡例
Fコード・F#コード・Gコード
Fmコード
Bコード・Bmコード
BmE |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)B |------|--●--|--○--|------|-- 中G |------|--●--|------|--○--|-- 小D |------|--●--|------|--○--|-- 薬A |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)E |------|--X---|------|------|-- ミュート 1 2 3 4
更新日時:2018年8月19日(日)09:04
取得日時:2018/08/23 19:07
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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