バレアレス級フリゲート
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バレアレス級フリゲート (F-70型)

基本情報
艦種ミサイルフリゲート (DEG)
命名基準スペインの自治州の名
就役期間1974年 - 2006年
原型艦 ノックス級
前級ピサロ級 (F-40型)
次級サンタ・マリア級 (F-80型)
要目
基準排水量3,015トン
満載排水量4,177トン
全長133.59 m
最大幅14.33 m
吃水7.52 m
ボイラーV2M型水管ボイラー×2缶
(84.4 kgf/cm2、538℃)
主機蒸気タービン×1基
推進器スクリュープロペラ×1軸
出力35,000 hp (26 MW)
速力最大28ノット
航続距離4,500海里 (20kt巡航時)
乗員256名
兵装

Mk.42 5インチ単装速射砲×1基

メロカ 20mmCIWS×2基

Mk.22 単装ミサイル発射装置×1基
(ターターまたはSM-1MR SAM)

ハープーンSSM 4連装発射筒×2基

アスロック 8連装発射装置×1基

Mk.25 mod.1 魚雷発射管×2基
(Mk.37魚雷用; 後日撤去)

Mk.32 mod.9 連装短魚雷発射管×2基
(Mk.44/46魚雷用)

C4ISTAR
TRITAN-1戦術情報処理装置 (後日装備)

WDS Mk.4

FCS
Mk.74 mod.2×1基 (SAM用)

Mk.68×1基 (5インチ砲用)

Mk.114 水中FCS

レーダー
AN/SPS-52B 3次元式×1基

RAN-12L/X 対空捜索用×1基 (後日装備)

AN/SPS-10F 対水上捜索用×1基

デッカ1226 航海用×1基

AN/SPG-51C SAM射撃指揮用×1基

AN/SPG-53B 砲/SAM射撃指揮用×1基

AN/VPS-2 CIWS射撃指揮用×1基

ソナー
AN/SQS-23 船首装備式
DE-1160LFに後日換装

AN/SQS-35 可変深度式
※後日装備

電子戦
対抗手段
エルサーグMk.1000 電波探知妨害装置

Mk.137 チャフフレア発射機

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バレアレス級フリゲート(バレアレスきゅうフリゲート、スペイン語: fragatas clase Baleares)はスペイン海軍が運用していたミサイルフリゲートの艦級。F-70型フリゲートとも称される。

アメリカ海軍が装備していたノックス級フリゲートの設計をもとに、航空運用能力を撤去するのと引き換えにターター・システムを搭載したものである。1973年から1976年にかけてスペイン国内で5隻が建造され、艦隊の中核的な戦力として活躍した。
来歴

1953年スペインアメリカ合衆国は米西防衛協定に調印した。これは、スペイン領内の基地の使用権をアメリカ軍に与えるのと引き換えに、アメリカがスペインに経済援助や軍事援助を与えるというものであった。当時、スペインの艦隊は全体に老朽化が進んでいたことから、資本主義陣営の一翼を担うためにも、その後10年間でフレッチャー級駆逐艦(レパント級)やブルーバード級掃海艇など26隻の艦艇がスペイン海軍に対して供与された[1]

そして1961年より、スペイン政府は艦隊近代化の第2陣として、新型戦闘艦の建造計画の検討に着手した。当初は対潜艦が望まれていたこともあり、まずイギリス製のリアンダー級フリゲートの建造が計画され、イギリス政府との協議が行われたものの、当時の労働党政権がフランシスコ・フランコ総統を是認していなかったため、1964年、これは頓挫した。

その後、計画は防空艦に修正され、交渉先もアメリカに変更された。1966年5月、当時アメリカ海軍が建造を進めていた新鋭護衛駆逐艦であるノックス級の設計をもとにした防空艦の建造として合意が成立した。これに基づいて建造されたのが本級である[1]
設計

本級の設計はギブス・アンド・コックス社によって行われており、上記の経緯により、基本的にはノックス級フリゲートのものを踏襲している。事実上、QH-50 DASHの発着甲板にMk.22 単装ミサイル発射機を、またそのハンガーのかわりにMk.74ミサイル射撃指揮装置(GMFCS)を設置したものであり、従って、船型は同じく中央船楼型である[1]

主機関も同様で、ノックス級と同じく、高圧のV2M水管ボイラー2缶と蒸気タービン1基によって1軸の推進器を駆動している。ノックス級において、同ボイラーの蒸気性状は圧力84.4 kgf/cm2 (1,200 lbf/in2)、温度538℃であった[2]
装備

本級は主兵装としてターター・システムを搭載していた。本級の搭載システムは、アメリカ海軍のブルック級とほぼ同構成であり、武器管制システム(WDS)はMk.4、ミサイル射撃指揮システム(GMFCS)はMk.74 mod.2を1基、ミサイル発射機(GMLS)はMk.22 mod.0艦対空ミサイル(SAM)はRIM-24ターターと、ミサイルと射撃指揮装置の装備数はミサイル駆逐艦のほぼ半分程度であった[1]。このことから、主砲用のMk.68 GFCSに2基目のMk.118-2コンピュータを追加することで、同時2目標対処を可能にした。また、後にSAMはRIM-66 SM-1MRに、Mk.74 GMFCSはmod.6に更新され、AN/SPG-51CイルミネータとMk.152コンピュータによってデジタル化された[3]

また対潜兵器としては、原型艦と同様のアスロック8連装発射機(Mk.16 GMLS)、後部上部構造物両舷に艦首尾線に対して45度の交角を持って配置された固定式のMk.32 mod.9短魚雷発射管に加えて、艦尾にMk.25魚雷発射管を装備した。これは有線誘導式のMk.37対潜魚雷を使用するためのもので、アメリカの護衛駆逐艦でも当初は搭載されていたものの、誘導ワイヤーが絡むなどの問題が生じて撤去されたものであった。


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