「バリアフリー」のその他の用法については「バリアフリー (曖昧さ回避)」をご覧ください。
国際シンボルマーク
バリアフリー(英: Barrier-free)は、対象者である障害を含む高齢者等が、社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策、若しくは具体的に障がいを取り除いた事物および状態を指す。 もとは建築用語で障がいのある人が生活上障壁となるものを除去する意味で使用されていた[1]。その後、バリアフリーの意味は広くなり、すべての人にとって社会参加する上での物理的、社会的、制度的、心理的な障壁の除去という意味で用いられている[1]。 バリアフリーは建築物などに存在する障壁を取り除く意味で用いられていたが、ロナルド・メイスによってはじめから多くの人が利用しやすいものとするユニバーサルデザインが提唱され、駅などの触知案内板や音声案内、パソコンの読み上げ機能などもユニバーサルデザインに含まれる[1]。 「設備やシステムが、広く障がい者や高齢者などに対応可能であること」を指して「バリアフリー」と言うのは、主にアジアやヨーロッパなどの非英語圏で見られる用法で(例えばドイツでは「Barrierefreiheit」と呼ばれる)、アメリカやイギリスなどの英語圏では「アクセシビリティ」(accessibility
定義
歴史
1974年6月、バリアフリーデザインに関する専門家会議(国連障害者生活環境専門家会議)において、報告書『バリアフリーデザイン』が作成され、これがバリアフリーと言う言葉(この時点では単なる建築用語であり、建物などのハード面を指していた[2])の知られるきっかけとなった。
1982年、前年実施された「国際障害者年」を受け、国連総会において『障害者に関する世界行動計画』が採択される[3][4]。
1987年、イタリア政府が国連で障がい者の権利を守る国際条約の提案を行う。
1989年、スウェーデン政府が国連で障害者の権利を守る国際条約の提案を行い、この提案が『障害者の機会均等化に関する基準規則』として採択される。
2001年、メキシコ政府が国連で国際条約の提案を行う。
2001年、国連総会で障がい者の権利条約の設置がされる。
2006年、国連総会で障がい者の権利条約として「障害者の権利に関する条約」が採択される。
物理上の改善高速道路サービスエリアにも採用されているTOTO製障がい者用トイレ (静岡サービスエリア)
バリアフリーは最初は建築物の段差解消などの意味で用いられた[1]。
具体的には、施設面(特に公共施設)では
車椅子利用者向け
段差の解消(視覚障がい者向けでもある)
ノンステップバス
超低床電車(日本では路面電車が特に重視される)
低床バス
階段に併設したスロープ
車椅子対応エレベータ、運搬機(いわゆる階段昇降機・斜行機)
手すり
スペースの広いトイレや電話ボックス
車椅子利用者用駐車スペース(幅:3.5m以上)
内部障害者や妊婦などに開放しているケースもある
パーキングパーミット制度の実施
視覚障害者向け
点字
点字ブロック (点字ブロックは歩行困難者や車椅子使用者にとってはバリアになる問題点が指摘され、段差凹凸の低いものが開発実用化されてきている)
容器・包装の改良(ユニバーサルデザインも参照)
牛乳パックの上部の切欠き(日本農林規格及び日本工業規格)
ラップフィルムの紙箱の凹凸の「W」マーク(業界団体・家庭用ラップ技術連絡会)
シャンプー容器の側面の刻み(業界団体・日本化粧品工業連合会)
音響式信号機(盲人用押しボタン(歩行者用信号機の青の点灯時間が長くなる)が併設されているケースがある)
玄関・入口近くでの電子チャイム(盲導鈴)
コントラストの強い公共表示(弱視者のため)
オストメイト(人工肛門・人工膀胱保有者)向け
オストメイト対応トイレ
子供を持つ保護者などに対する配慮
ベビーチェア(トイレを保護者が使用している間に、子供が暴れたりしないように座らせる椅子。ベビーキープとも称される[5]。)
ベビーベッド・ベビーシート(乳児のオムツ交換のために座らせる設備)
授乳室
その他(内部障害など)[6]
歩きたばこの禁止とその表示(携帯用酸素ボンベへの引火などの危険がある)
携帯電話使用禁止とその表示(総務省の基準では15センチメートル程度以上離すとされる)
施設の禁煙化とその表示(肺に障害がある場合、タバコの煙が症状を悪くする)
小便器近傍への手すり設置
玄関・入口・トイレへの呼出し用インターホン
などを指す。
超低床電車の例(富山市ポートラム)
バスに装備された車椅子スロープの例
(神奈川中央交通)
知恩院に設置された車椅子スロープ
スロープ状のコンビニの入口
(ただし一般の乗り上げブロックは道路法では違法)
ハートビル表示板の例
(福岡県福岡市のイオンマリナタウン店)
廊下の二段手すりの例
多目的トイレのピクトグラムの例
(オストメイト・乳児にも対応)
多目的トイレのピクトグラムの例
(高齢者・子供連れにも対応)
トイレの杖ホルダー
スペースの広いトイレの例
手すり付小便器の例
オストメイト対応トイレ
(汚物流しシャワー型)
オストメイト対応トイレ
(パウチしびん洗浄水栓使用型)
ベビーチェアーのあるトイレのピクトグラムの例
ベビーチェアーの例
スペースの広い電話ボックスの例
(北海道旭川市の平和通買物公園)