電子工学におけるバラン、バルン(英: balun)とは同軸ケーブルと2線フィーダーなど、平衡と不平衡の状態にある電気信号を変換するための素子である。「balun」とは、平衡(balanced)と不平衡(unbalanced)の頭文字を合成したかばん語である。日本語では平衡-不平衡変換器という。 バランの最も一般的な用途を示す。 ダイポールアンテナなど完全に平衡(電気的に対称)なアンテナを同軸ケーブルに接続するためのバランを強制バラン、平衡性がくずれた平衡アンテナや地線 一般的なバランは単にトランスのどちらか一方のポートを大地アースまたはシャーシアースから浮かせて(非接続にして)、平衡側の回路に接続したものである。トランスなのでインピーダンス比の変換を同時に行うこともできる。通常、これ以外の機能は無く電源も必要としない。 家庭用のテレビ受像機やアンテナでは4:1のインピーダンス比を持ち、標準的な300Ωのリボンフィーダーと75Ωの同軸ケーブルを整合させるためのバランが用いられている。メガネコアと呼ばれる穴の2つ空いた専用のコアに線を巻いたものが使われる。 λ/2の分布定数線路を使って位相を反転させることで、不平衡を平衡に変換する。1:4のインピーダンス比を持つ。Uバランと呼ばれる。 シュペルトップや同軸ケーブルをコアに通しチョークコイルとしたもので、同軸ケーブルの表面の導体のインピーダンスを高くする事で同軸ケーブルの表面を流れる電流を阻止する。アンテナ用のコモンモードフィルタ ウィキメディア・コモンズには、バラン (電子工学)
目次
1 用途
2 種類
2.1 強制バラン
2.1.1 集中定数型
2.1.2 分布定数型
2.2 フロートバラン
3 脚注
4 関連項目
用途
テレビ、アマチュア無線、あるいは他のアンテナの設置において特性インピーダンスが300Ωのリボンフィーダー(平衡)と75Ω(または50Ω)の同軸ケーブル(不平衡)を接続、あるいは平衡型アンテナを同軸ケーブルに接続する時に変換を行う。
携帯電話やBluetoothのRFIDにおいて平衡入出力の場合、不平衡デバイスへの接続や同軸ケーブルへの接続に用いる。この場合、ゴマ粒程度の大きさのチップバランと呼ばれる表面実装部品
オーディオでは、高いインピーダンスの非平衡ラインを低いインピーダンスの平衡ラインに変換する。
電力線搬送通信では、電源線と信号線の結合を行うために用いる。
種類
強制バラン
集中定数型
分布定数型
フロートバラン
脚注^ 改訂新版 定本 トロイダル・コア活用百科 p364 CQ出版社
関連項目
インピーダンス整合
マッチング (無線工学)
電波障害
平衡接続
変圧器
パッシブ型
更新日時:2016年4月11日(月)02:10
取得日時:2018/12/06 11:17