バドミントン
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バドミントン
男子ダブルスのバドミントンの試合
統括団体世界バドミントン連盟
通称バド
起源17世紀
特徴
身体接触無
選手数1人または2人
男女混合有
カテゴリ屋内競技
ボールシャトル(シャトルコック)
実施状況
オリンピック1992年-
テンプレートを表示
バドミントンのコート
奥行き:13.4m
幅:6.1m(ダブルス)、5.18m(シングルス)
ネットの高さ:ネットポストの部分で1.55m、中央部で1.524mバドミントンが登場する、1854年に描かれた漫画

バドミントン(: badminton 英語発音: [?badm?nt?n])は、ネットを隔てて二つに分けられたコートの両側にプレーヤーが位置し、シャトル(シャトルコック)をラケットを使って打ち合い、得点を競うネット形のスポーツである。誤って「バトミントン」と呼ばれることが多いが、正しくは「バドミントン (badminton)」である。また、打球は最速初速565km/hであり、最速のスポーツとしてギネスブックに認定されている[1]。羽球(うきゅう)と称する場合もある[2][3]。「バドミントン」の名前はイギリス貴族ボーフォート公爵サマセット家の邸宅バドミントン・ハウス(英語版)に由来する[4]

競技には球は使われないが、球技に分類される。また、シャトルコックのことを「球」と呼ぶ。
特徴

半球状の
コルク水鳥等の羽を接着剤などで固定した『シャトル(シャトルコック)』を打ち合う。近年は、プラスチック製やナイロンの合成球を使うこともあるが、大会などの公式戦では使われない。

球技の中で打球の初速がもっとも速いことで、ギネスブックに認定されている。スマッシュの初速は、最速で時速493kmに達する。また打球が相手コートに届くまでに空気抵抗を受けて急激に速度が低下するため、初速と終速の差が著しいことも特徴である。

身体的にはシャトルやラケットが軽量であるためテニスに比べ筋力の影響は少ないが、相手との距離が近く球速も速いため、フットワーク動体視力が重要となる。また、緩急を使い分けるさまざまなショットの技術も必要である。距離は短いが素早く動き続けることから持久力も必要となる。

心理的には対戦相手との駆け引き、ダブルスの場合はペアとのコンビネーションなどの要素が絡むが、球速と距離により判断のための時間が短いため、状況を素早く判断する必要がある。

風の影響を非常に受けやすい、強風時のプレーは非常に困難である。公式試合では建物を締め切り、空調を停止させる。

レクリエーションとしては、スマッシュを使わなければ球速が遅く羽により滞空時間も長いため、瞬発力や動体視力はさほど必要とされず、気軽に楽しむことができる。テニスと比べると球が軽いため筋力も必要とされず、卓球と比べても球の挙動が安定している。

ルールバドミントンのコートと各線の名称
試合の進行

プレーが始まる前に「サービスをするかレシーブをするか」または「コートのどちらのエンドを選ぶか」の選択権をトスによって決める。トスに勝ったサイドが先にどちらかを選び、負けたサイドは、残りから選択する。国際大会ではコイントスを行うが、日本では、一般に
じゃんけん等で決められる場合がある。

試合は、シングルス、ダブルスともに、2ゲーム先取の3ゲームマッチ。それぞれラリーポイントの21点先取した側が1ゲームを得る[5]。ただし20-20になった場合は延長となり、以降どちらかが2点差をつけるか、もしくは30点に達するまで行われる。即ち、29-29となった場合は次に得点した側がそのゲームを得ることになる。

すべてのラリーはサービスから始める。サービスは、トスの直後を除いて1つ前のラリーに勝ったサイドが行う。よって、第2ゲームと第3ゲームの初めは、直前のゲームの勝者サイドが行う。

シングルス、ダブルスともに、1ゲーム終了ごとにチェンジエンド(プレイするコートのエンド交換)を行う。3ゲーム目まで試合が続いた場合、2ゲーム目終了直後のチェンジエンドに加え、どちらかが11点先取した時に、チェンジエンドを行う。

決められた相手コート内にシャトルを落とすか、相手がフォルト(反則)を取られた場合、1点を得る。

主審の判定は、最終的なもので、質問は許されても抗議は認められない。

サービス

サービスでは、シャトルの台を打たなければならない。

ラケットで打たれる瞬間、シャトル全体が115cm以下で打たなければならない。

サービスを行うときに両足を地面から離してはならない。

サーバーは、コートのライン内でサービスを行う。

意図的にサービスを遅らせてはならない。

空振りをしてはならない。

コート

シングルスでは内側のサイドラインを使用し、ダブルスでは外側のサイドラインを使用する。

サービスは、サーバーから見て対角線側のコートに打つ。このとき、シングルスではショートサービスラインからバックバウンダリーライン、ダブルスではショートサービスラインからダブルス用のロングサービスラインの間にシャトルが落下するよう、それぞれ打たなければならない。

サービス時の位置
シングルス


サービス側の点数が
偶数(0点を含む)のときは、右側から対角線側へサービスを行う。サービス側の点数が奇数のときは、左側から対角線側へサービスを行う。

以降、得点した側がサービスを行う(点数が偶数のときは右側から、奇数のときは左側から)。

ダブルス


ゲーム開始(0点)時は、右側の選手が右側から対角線側へサービスを行う。

サービス側が得点した場合、同じ選手が左右を変えて、対角線側へサービスを行う。

レシーブ側が得点した場合、レシーブ側が新たにサービスを行う。自ペアの点数が偶数のときはレシーブ時に右側にいた選手が右側から対角線側へサービスを行い、自ペアの点数が奇数のときは左側にいた選手が左側から対角線側へサービスを行う。
以上をまとめると、点数が偶数のときは右側の選手が、奇数のときは左側の選手がサービスを行い、連続してサービスを行うことになった場合は左右を入れ替え同じ選手がサービスを行う。
インターバル

各ゲームどちらかの点数が11点に達したときは60秒以内、ゲームとゲームの間には120秒以内のインターバルをとることができる。

各インターバル以外でコート外に出ることは、故障等のやむを得ない場合を除き、基本的に認められない。ただし手の汗を拭いたり、破損したラケットを交換することは認められる。

審判
主審

線審がジャッジできなかった場合にインかアウトの判断をする。

サービスの場合「サービスオーバー」とコールする。

「サービスオーバー」とは、サーブが変わるという意味を表す。

線審

インかアウトの判断をする。

インの場合は真っ直ぐ手をあげるが、アウトの場合は手を両手に広げて大きい声で「アウト」と言う。

得点

0は、「ラブ」と言い表す。たとえば、1点どちらかが入り、0対1になったら「ワンラブ」と言う(1以降は英語で言う)。

3対1から3対2になった場合は、大きい方の数字ではなく「トゥースリー」と、得点が入った方を先に言う。

1対1と同点になった場合は、「ワンオール」と、2回目に言う数字を「オール」と言う。

サーブ権が変わった場合は「サービスオーバー」という言葉の後に得点を言う。

用具

バドミントンで使用される用具は以下の通りである。特に断りがない限り、競技用のものについて述べる。
シャトル(シャトルコック)バドミントンのシャトル

「羽(羽根)」または「シャトル」と呼ばれることが多い。シャトルコックという名前は以前(コック)の羽で作られていたころの名残である。現在は試合球、練習球においても鶏の羽根のシャトルはほとんど使われていない。競技規則には、シャトルコックではなく、シャトルと記載されている[6]

競技用に主として使用されている物は、主に食用のガチョウの羽(羽軸が強く、丈夫。中でも次列風切という部位が最適)とコルクから作られていて、各羽は樹脂で固められている。安価なシャトルはアヒルの羽によって作られている物もある。卓球、テニスボールのように羽根を蛍光色に着色したものもナイロン製では古くからあったが、最近では鳥の羽製のものでも存在する。また動体視力を鍛える練習球として、黒ガチョウの羽根を使用したシャトルも一部メーカーが販売している。

コルク部分に羽根を埋め込み、軸を糸で留めたあと、接着剤で固定する。

1本でも羽が折れれば正しい軌道で飛ばなくなる。最近では、練習用に羽だけ部分的に交換できるものも販売されている。一般に壊れたシャトルは、ノック練習等でボロボロになるまで再利用されたあと、廃棄される。かつて、経済的に苦しいチームは、ニカワ・木工用ボンドなどで補強再生して使用していた。

気温や湿度の変化による空気抵抗の差により、飛距離が変化しやすい。具体的には、気温が高く湿度が低いときはよく飛び、逆に気温が低く湿度が高いときは飛ばなくなる。バドミントンの試合前に温度などを測り、常に同じ飛びのシャトルでプレーできるように、同じ銘柄のシャトルでも飛距離の違うものが数種類ずつ製造されている。

かつては、選手が羽の内側にラケットのグリップエンドや自分の肘を押し込み、羽を外側に広げ、改造する行為の場面が見られた。これは、シャトルが飛び過ぎる場合、空気抵抗を故意に上げ、標準のフライトに近づけるためである。

価格は、安価なもので1球数十円ほど、最高級品では1球400円近いものもある。1ダース単位で筒状のケースに入った状態で売られている。


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