この項目では、1989年のコミック作品について説明しています。
2009年のゲーム作品については「バットマン アーカム・アサイラム」をご覧ください。
作中に登場する架空の療養所については「アーカム・アサイラム」をご覧ください。
バットマン: アーカム・アサイラム
出版情報
出版社DCコミックス
形態読み切り
ジャンルスーパーヒーロー
掲載期間1989年10月
話数1
主要キャラバットマン
ジョーカー
アマデウス・アーカム
製作者
ライターグラント・モリソン
『バットマン: アーカム・アサイラム』(原題: Arkham Asylum: A Serious House on Serious Earth[† 1])は、グラント・モリソン(英語版)原作、デイヴ・マッキーン(英語版)作画によるグラフィックノベル作品である。1989年に米国のDCコミックスから出た単行本が初出。日本語版は2000年の初版と2010年の完全版がある。 後にバットマン系タイトルの正ライターとなるグラント・モリソンが初めて書いたバットマン作品である。先行作『ダークナイト・リターンズ』などに触発され、独自のアプローチでバットマンを描く作品として構想された。作中ではおびただしい象徴的図像が用いられ、バットマンの代表的なヴィランの脱構築が行われている。ペイントアートやコラージュによるデイヴ・マッキーンの抽象的な作画も特徴の一つである。 主人公のバットマンは、ゴッサム・シティの凶悪犯が収監される精神病院アーカム・アサイラムで起きた暴動の鎮圧に出向く。邸内で出会ったジョーカー、トゥーフェイス、キラークロックなどの旧敵たちは以前と様子が異なっていた。バットマンはアサイラムの深部に進み、その設立者アマデウス・アーカムの生涯や、邸に潜む超自然的かつ心理的な謎に迫っていく。 本作は売れ行きの面でも批評面でも高い評価を受けた。多くの評者は本作がバットマンコミックとして、あるいはグラント・モリソン作品として最高傑作の1つだと考えている[1]。後年には、バットマン神話の重要な位置を占めるアーカム・アサイラムの設定を確立した重要作品とみなされるようになった。コンピュータゲームシリーズ「バットマン アーカム ゴッサム・シティで凶行を犯した精神障害者を収容するアーカム・アサイラムが収監者によって制圧される。首謀者のジョーカーは院長チャールズ・キャベンディッシュらを人質としてバットマンの来院を要求する。アサイラムへの恐れを隠して乗り込んで行ったバットマンは、過去に捕えた犯罪者たちの狂宴に迎え入れられる。余興としてセラピストの人質ルース・アダムスによる精神分析が行われ、両親の死のトラウマを暴かれそうになったバットマンは動揺する。人質の命を盾に「かくれんぼ」ゲームを強要されたバットマンは、閉ざされた邸の中で宿敵たちに追跡され、それぞれの狂気と対決する。 現代の物語と並行して20世紀初頭の精神科医アマデウス・アーカムの回想が差し挟まれる。アマデウスは幼少期を過ごした古い邸宅に移り住み、犯罪者のための療養所に改装しようとしていた。しかしやがて、かつて患者だった連続殺人者によって妻と幼い娘が邸の中で強姦されて命を奪われる。アマデウスは犯人の治療を引き受け、医療事故と見せかけて殺害した。 バットマンが塔の頂上で発見した秘密の部屋には院長のキャベンディッシュがいた。暴動の黒幕だと看破されたキャベンディッシュはアダムスを人質に取り、アマデウス・アーカムが残した日誌を読むように言う。アマデウスはアーカム邸内でコウモリのような生き物を目撃し、悪意を持つ超自然的な存在だと信じていた。邸をアサイラムに改装してからは、悪霊をそこに縛り付ける魔術儀式に身を捧げた。数年前に日誌を発見したキャベンディッシュはコウモリを討ち果たす使命を与えられたと思い込み、バットマンをおびき寄せたのだった。バットマンが狂人を次々と送り込んだのは、アサイラムの悪霊を肥え太らせる行為でしかなかったという。キャベンディッシュは狂乱し、バットマンを格闘で圧倒するが、傍らのアダムスによって(かつてアマデウスが狂った母親にそうしたように)喉を切られて死ぬ。 脱出を果たしたバットマンは斧で玄関扉を破壊する。しかしジョーカーはアサイラムからの解放を拒み、逆に私刑を与えようとする。バットマンはトゥーフェイスのコイン投げに自分の運命を委ねることを提案する。治療の一環として没収されていたトレードマークのコインを取り戻したトゥーフェイスは生気を蘇らせ、バットマンに自由を宣告する。ジョーカーもその結果を受け入れ、「外のアサイラム」に耐えられなくなったらいつでも戻ってくるように言う。 本作はスーパーヒーロー・フィクション
概要
あらすじ
作風とテーマ
テーマ