この項目では、食品について説明しています。その他の用法については「バター (曖昧さ回避)」をご覧ください。
バター(加塩)
100 gあたりの栄養価
エネルギー2,999 kJ (717 kcal)
炭水化物0.06 g
糖類0.06 g
食物繊維0 g
脂肪81.11 g
飽和脂肪酸51.368 g
トランス脂肪酸3.278 g
一価不飽和21.021 g
多価不飽和n-3n-63.043 g0.315 g2.166 g
タンパク質0.85 g
ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテンルテインと
ゼアキサンチン(86%) 684 μg(1%)158 μg0 μg
チアミン (B1)(0%) 0.005 mg
リボフラビン (B2)(3%) 0.034 mg
ナイアシン (B3)(0%) 0.042 mg
パントテン酸 (B5)(2%) 0.11 mg
ビタミンB6(0%) 0.003 mg
葉酸 (B9)(1%) 3 μg
ビタミンB12(7%) 0.17 μg
コリン(4%) 18.8 mg
ビタミンC(0%) 0 mg
ビタミンD(10%) 60 IU
ビタミンE(15%) 2.32 mg
ビタミンK(7%) 7 μg
ミネラル
ナトリウム(48%) 714 mg
カリウム(1%) 24 mg
カルシウム(2%) 24 mg
マグネシウム(1%) 2 mg
リン(3%) 24 mg
鉄分(0%) 0.02 mg
亜鉛(1%) 0.09 mg
マンガン(0%) 0 mg
セレン(1%) 1 μg
他の成分
水分15.87 g
コレステロール215 mg
単位
μg = マイクログラム (英語版)
バター(100g中)の主な脂肪酸の種類[1]項目分量 (g)
脂肪81.11
飽和脂肪酸51.368
4:0(酪酸)03.226
6:0(カプロン酸)02.007
8:0(カプリル酸)01.19
10:0(カプリン酸)02.529
12:0(ラウリン酸)02.587
14:0(ミリスチン酸)07.436
16:0(パルミチン酸)21.697
18:0(ステアリン酸)09.999
一価不飽和脂肪酸21.021
18:1(オレイン酸)19.961
多価不飽和脂肪酸03.043
18:2(リノール酸)02.728
18:3(α-リノレン酸)00.315
バター(英: butter)とは、牛乳から分離したクリームを練って固めた食品である[2]。漢字名は「牛酪(ぎゅうらく)」と言う。 バターは牛乳から分離したクリームを凝固させた(練るなどして固めた)食品である、乳製品の一種。常温ではわずかに黄色味をおびた白色の固体。主成分
概説
バターを意味する英語の「butter」は広義には、何らかの乳を原料とし、クリームを得て、乳中の脂肪分を凝固させたものを広く指している。だが、日本語「バター」の語源である英語「butter」という語はラテン語「butyrum」を由来とし、牛(ウシ)のチーズを意味するギリシャ語「boutyron」が由来である。また漢語では牛酪である。これらの表記からも明らかなように、バターはウシの乳汁(牛乳)を原料とするのが一般的である。なお、ウシ以外の乳汁を原料としたバターもあるものの、本稿では以降、特に断りがない限り、牛乳を原料としたバターについて記述する。
日本では近年、低脂肪乳が好まれるようになり、副産物の乳脂肪は生産過剰気味と言われていたが、2007年末からしばらくの間、乳牛の生産調整などの悪条件が重なり、バター不足が発生した。詳細についてはバター不足を参照のこと。 発酵無発酵 原料乳を乳酸発酵させてから作る「発酵バター」(醗酵クリームバター)と、発酵させずそのまま作る「無発酵バター」(スイートクリームバター)とがあり、それぞれに食塩を添加した「有塩バター」と添加しない「食塩不使用」バターがあり、都合4種類に分かれる。 食塩不使用バターは、かつて「無塩バター」と称していたが、無塩で製造しても生乳に由来する塩分が微量含まれることから、厚生労働省の栄養表示基準により食品の正規表示が求められ、「無塩」という言葉が使えなくなった。 日本で市販されているバターは「無発酵、有塩」または「無発酵、食塩不使用」が多い。 有塩バターの場合は、1.8%以下の食塩が加えられている。 発酵バターは手間がかかり高額製品が多いこともあり、流通量は少ない。
種類
有塩発酵・有塩バター無発酵・有塩バター
(日本で通常市販されるバター)
食塩不使用
(かつての無塩バター)発酵・食塩不使用バター無発酵・食塩不使用バター
性質
バターに含まれる脂肪酸は様々な種類がある(融点がバラバラな脂肪酸が含まれている)。ただし、パルミチン酸が3割弱、オレイン酸が4分の1弱、ミリスチン酸とステアリン酸が1割強を占めており、以上の4種で、バターに含まれる脂肪酸のほぼ75 %を占めている。このため、次のような性質を持つ。
酸化によって劣化する。
冷蔵庫等で冷やすと、バターナイフで切るのに多少力が要るほど固くなる。
15℃前後になると、可塑性のある状態となる。
室温(20℃程度)にすると、固体脂指数が15 %に近づき、十分に軟らかい状態となる。パンに塗ったり、洋菓子を作ったりする際にはこの状態がよく使われる。
30℃前後になると、融解が始まる。
40℃に近づくと、固体脂指数は0 %、つまり完全に液体となる。なお、この液体になった状態のバターを「溶かしバター」と言う。
溶かしバターを凝固しない温度で放置すると、乳脂肪以外の蛋白質など(乳漿)が底に沈む。上澄みは透き通った黄色っぽい色をしており、これを「澄ましバター」と言う。澄ましバターは、通常のバターでは風味が強すぎるような場合に使われる。
独特の香りを持つ。なお、醗酵バターの香り成分としては、ジアセチルなどが知られる。バターのジアセチルの含有量は、ヨーグルト、ラム、赤ワイン、コニャックに次ぐ[3]。マーガリンをバターに似せるために、ジアセチルの香料が使われている。
バターの薄い黄色は牛の飼料(牧草)に含まれるカロテンが乳脂肪に蓄積したもの。