バターシー発電所
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バタシー発電所
テムズ川北岸から写したバタシー発電所
(2012年8月撮影)
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正式名称Battersea Power Station
(Battersea A and B power stations)
イングランド
所在地ロンドンワンズワース区バタシー、ナイン・エルムズ(英語版)
座標.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯51度28分54秒 西経0度8分41秒 / 北緯51.48167度 西経0.14472度 / 51.48167; -0.14472 (バタシー発電所)座標: 北緯51度28分54秒 西経0度8分41秒 / 北緯51.48167度 西経0.14472度 / 51.48167; -0.14472 (バタシー発電所)
現況廃止・商業施設として再開発
着工1929年(A発電所)
1945年(B発電所)
運転開始1933年 - 35年(A発電所)
1953年 - 55年(B発電所)
運転終了1975年(A発電所)
1983年(B発電所)
建設費£2,141,550(A発電所)
事業主体

ロンドン・パワー・カンパニー(英語版)(1939年 - 48年)

英国電力公社(英語版)(1948年 - 55年)

中央電気庁(英語版)(1955年 - 57年)

中央発電局(英語版)(1957年 - 83年)


発電所
主要動力源石炭
二次動力源石油(A発電所のみ)
タービン製造元

A発電所:

69 MW メトロポリタン=ヴィッカース (MV) ブリティッシュ・トンプソン=ヒューストン(英語版)2機、105 MW メトロポリタン=ヴィッカース1機

B発電所:

100 MW 2機、72 MW 1機(メトロポリタン=ヴィッカース)


発電量
定格出力

1935年: 243 MW

1955年: 503 MW

1975年: 488 MW

1983年: 146 MW

ウェブサイト
https://batterseapowerstation.co.uk/
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バタシー発電所(バタシーはつでんしょ、: Battersea Power Station)は、南西ロンドンインナーシティ地区、バタシー・ナイン・エルムズ(英語版)のテムズ川南岸にある複合商業施設である。

元々は1つの建物に2基の発電所が備えられた火力発電所で、建設は2段階を経て行われた。バタシーA発電所(英: Battersea A Power Station)は1930年代に建設され、その後1950年代になってから、東側にバタシーB発電所(英: Battersea B Power Station)が建設された。2つの発電所はほぼ同じデザインで建築され、4本の煙突が長い間市民に親しまれた。この施設での発電は1983年に終了したが、廃炉までの50年以上ロンドンのランドマークのひとつとして知られたほか、現在ではグレードII* の指定建築物 (Listed building) となっている[1][2]。建物は多くのポップ・カルチャー利用を受けていることでも知られ、ピンク・フロイド1977年に出したアルバム『アニマルズ』のカバーや、ビートルズ1965年にリリースした映画『ヘルプ!4人はアイドル』で姿を見ることができる。

発電所は世界最大のレンガ建築物のひとつであり[3]、豪華なアール・デコ式内装で有名である[4]。建物はその閉鎖以来ほとんどが使われずに放置されていたため、構造の状態が悪化して、イングリッシュ・ヘリテッジに "very bad"(とても悪い)と評価されたほか、危機に晒されている建造物のリストである "Heritage at Risk" (en) に登録された[5]。またワールド・モニュメント財団によって、危機に瀕している建造物を登録するワールド・モニュメント・ウォッチの、2004年版 (en) ・2014年版 (en) にも登録された[6]

発電所閉鎖以来、多数の再開発計画が発電所を引き継いだオーナーたちから立案されたが、どれも失敗に終わった。2004年には、香港に本社があったパークビュー・インターナショナル (en) の再開発計画が頓挫している。この後発電所は、2006年11月にアイルランドの会社、リアル・エステート・オポーチュニティーズ (REO) へ4億ポンドで売却され、会社は発電所を公共利用して、この場所に3,400軒の住宅を建てる計画を打ち出した[注 1][9][10]。この計画は、REOの債務が英国やアイルランドの銀行から回収されたことから頓挫し、2011年12月に、発電所の土地は総合不動産コンサルティング会社のナイト・フランク(英語版)によって、不動産市場に売りに出された[11][12]。この売却提案には海外の様々な合弁企業も興味を示したが、多くは建物の全面的ないし部分的な取り壊しを期待していた。総額7億5,000ポンドに膨れた負債と、ロンドン地下鉄延伸に必要な2億ポンド、荒廃していた発電所屋根の保全に必要な資金、川岸のゴミ集積工場 (waste transfer station) やセメントプラントの存在から、この場所の商業的発展は、大変な挑戦でもあった[注 2][13][14]

2012年6月7日、ナイト・フランクは、管理者のアーンスト・アンド・ヤングマレーシアの企業、SPセティア(英語版)・サイム・ダービー(英語版)と完全合意し、発電所や関連する土地の迅速な引き渡しとその履行に向けて作業を開始すると発表した[15][16]。4億ポンドの売約は2012年7月に完了し、2011年にワンズワース区議会 (Wandsworth London Borough Council) の承認を受けた、ラファエル・ヴィニオリのデザインによる再開発が進められた[17]2013年1月には、最初の住居用貸部屋の売り出しが始まった[18]。建設のフェーズ1は2013年に開始され[19]、合意から10年をかけて再開発を完了、2022年に複合商業施設として再オープンした。4本の煙突のうち1本は高さ109メートルまで上がれるエレベーターを備え、ロンドンの景色を360度見渡すことができる。また発電所の旧制御室は、元々あったダイヤルや制御装置をそのまま残した形でイベントスペースとして利用されている[20]
歴史

1930年代遅くまで、電力は地方自治体によって供給されていた。一方で、ひとつの製造業者や工場群へ電力供給するための発電所を建設する小さな発電会社もいくつか存在し、余った電力を公共販売していた。ところがこれらの会社が供給する電力は、電圧周波数がてんでんばらばらであった。1925年英国議会は、公共の管理下でひとつの基準に従った配電網を構築すべきで、発電所はより少なく、より大きくあるべきだと提言した[4]。民間電力会社のいくつかは、ロンドン・パワー・カンパニー(英語版)を作ることでこの提言に対応した。彼らは国会の提言に注意を払い、巨大な発電所を少数作るとの計画を打ち出した[4]


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