この項目では、BBCのテレビドラマについて説明しています。原案となったシャーロック・ホームズシリーズの長編については「バスカヴィル家の犬」をご覧ください。
バスカヴィルの犬(ハウンド)
The Hounds of Baskerville
『SHERLOCK』のエピソード
話数シーズン2
第2話
監督ポール・マクギガン
脚本マーク・ゲイティス
スティーヴン・モファット(共同制作者)
制作スー・ヴァーチュー
音楽デヴィッド・アーノルド
マイケル・プライス
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SHERLOCKのエピソード一覧
『バスカヴィルの犬(ハウンド)』(バスカヴィルのハウンド、英: The Hounds of Baskerville)は、BBCが2012年に制作したドラマ『SHERLOCK』のシーズン2・エピソード2である。
原案は『バスカヴィル家の犬』"The hound of the Baskervilles"(1901年)及び『悪魔の足』"The Adventure of the Devil's Foot"(1910年)である。
あらすじヘンリー役のラッセル・トーヴィー原作『バスカヴィル家の犬』に付けられた魔犬の挿絵。
デヴォン州ダートムーア在住のヘンリー・ナイトが、シャーロックとジョンの元へやってくる。彼は地域の魔犬伝説を特集した映像を2人に見せ、魔犬が父を殺したと訴える。彼の父の遺体は見つからず、孤児となったヘンリーは一度ダートムーアを離れる。20年経って故郷に帰ったヘンリーは、父が殺された窪地で「巨大な犬(ハウンド)の足跡」を見つけ、ベーカー街へ依頼に現れた。シャーロックはヘンリーの使った「ハウンド」という単語に引かれ、ジョンと共に調査へ向かう。
シャーロックとジョンは、シャーロックがマイクロフトからくすねた許可証を使い、政府の査察と偽ってバスカヴィル研究所を調べに行く。シャーロックは、研究所で出会ったウイルス学者、ボブ・フランクランドの言葉に、かすかなアメリカ訛りがあることが気になる。
ヘンリーは、自宅を訪れたシャーロックとジョンに、"Liberty"(自由)・"in(?の中に)の2単語が繰り返し頭に浮かぶと話す。シャーロックは、ヘンリーの父が殺されたデュワーズ窪地[注 1]での夜間実地調査を提案する。実地調査で、ジョンは丘の上から光によるモールス信号が発せられていると気付く[注 2]。一方、ジョンを置いて窪地に向かったシャーロックとヘンリーは、そこで魔犬の唸り声を聞く。
シャーロックは、前回とは異なりマイクロフトの許可を取った上で、再びジョンとバスカヴィル研究所を訪れる。シャーロックはジョンを研究所のラボに閉じ込めて、薬剤による幻覚実験を行う。ジョンはシャーロックの期待通り魔犬を目撃するが、それは事前にシャーロックが吹き込んだ通りの姿だった。シャーロックは、ヘンリー邸にあった砂糖に毒物が入っていると考え[注 3]、ステープルトンの研究室で調査するが、不発に終わる。その後自身の「マインドパレス」に入ったシャーロックは、ヘンリーの言う"Hound"(ハウンド)・"Liberty"・"in"が、アメリカ・インディアナ州リバティ(英語版)で行われた、「H.O.U.N.D.」計画を指していると気付く。この計画は恐怖の刷り込みによって人を簡単に暗示にかけることが出来る薬剤の開発研究を目的としたもので、中心になった研究者の頭文字を取った名前が付けられていた。「H.O.U.N.D.」計画では対人兵器としてこの薬剤を開発していたものの、被験者への甚大な悪影響が判明して1986年に中止されていたが、メンバーだったフランクランドが、バスカヴィル研究所で密かに研究を継続していたのだ。そこにルイーズ・モーティマー(ヘンリーのセラピスト)からジョンへ着信があり、幻覚を見たヘンリーが発砲して家を出て行ったとの連絡が入る。
シャーロックとジョンが窪地へ急行すると、ヘンリーが銃で自殺しようとしていた。シャーロックは、20年前ヘンリーの父を殺したのが「H.O.U.N.D.」計画に関わっていたフランクランドだと伝え、自殺を思いとどまらせる。そこへガスマスクを被ったフランクランドが現れ、シャーロックは窪地に仕込まれたパッドから、人が歩いた時に噴霧薬剤が出ることで幻覚が現れると気付く。窪地に集まったシャーロック・ジョン・ヘンリー・フランクランド・レストレードは、そこで薬の作用により魔犬を目撃するが、ジョンが射殺すると正体はただのハウンド犬[注 4]だった。真相を知られたフランクランドは隙を突いて逃げ出すが、研究所周囲にあった地雷原に足を踏み入れて爆死する。
その後、留置場でモリアーティとマイクロフトが対面しているシーンが流れ、モリアーティが釈放されたところで物語は終わる。