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バジル(英語: Basil、羅勒(ラロク)[2]、蘿?、学名: Ocimum basilicum)は、シソ科メボウキ属[注 1]の多年草(日本では越冬できないので一年草として扱われる)。インド、熱帯アジア原産のハーブである[4]。和名はメボウキ(目箒)[5]。イタリア語由来のバジリコ (Basilico) の名でも知られる[2]。リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物種の1つでもある[6]。トマトを使った料理によく合い、胃腸を整えたり、食欲増進の作用がある。 英語名 Basil(バジル)ならびにイタリア語名 Basilico(バジリコ)の名称は、「王」を意味するギリシャ語の βασιλε?? (バシレウス)に由来するという説のほか、伝説上の怪物バジリスク(英: basilisk, 羅: basiliscus, 古希: βασιλ?σκο? [basiliskos])に由来するという説もある[7]。ただし、怪物バジリスクの名称も元はギリシャ語の βασιλε?? に由来している。 和名のメボウキ(目箒)は、種子(果実)が水分を吸収するとすぐにゼリー状の物質に包まれるようになり、これが目に入ったゴミをとるのに役立ったというところから名付けられている[3][8]。 インド、熱帯アジア原産[5][9]。アフリカとユーラシア大陸の熱帯に分布する[3]。日本では一年生草本[2]。「バジル」と呼ばれるハーブには、Ocimum basilicum 以外の種に由来するものもふくめ、およそ150種類の栽培品種があるといわれ[3]、中でも最もポピュラーなバジルの品種がスイートバジル(O. basilicum)である[10][5]。バジルの葉は緑色が一般的であるが、紫種(パープルバジル O. basilicum 'Purpurescens' など)もある[5]。香りの主成分はメチルカビコール(エストラゴール)、リナロール、シネオール、オイゲノールで、刺激性は低く生でも食べられる。スイートバジル種は、葉に甘くてスパイシーな芳香がある[10]。 ドライにしても食べられるハーブで、カロテンやビタミンEのほか、ミネラル分も豊富。熱帯アジア、インド原産のため寒さに弱い。植えつけは、気温が十分に上がる5月が適期[11]。 一般的なスイートバジルでは草丈60センチメートル (cm) から90 cmになり[2]、品種によって30 cmから150 cmまで生長する。太い直根性の根を延ばす。主茎は直立し、よく分枝する[2]。茎の断面は四角形で、葉は5 - 6 cmの葉柄がついて対生する[2]。葉身は卵形で長さ5 - 12 cmあり、葉縁に鈍鋸歯がつき、表面はやや波状で光沢がある緑色、裏面は灰緑色である[2]。ただし、栽培品種によって葉は様々な大きさと形をしている。花穂は各枝の先につき、花穂の長さは12 - 25 cm、各節に6花ずつ輪生する[2]。花は小さく、白色の唇形花で長さ1 cm、雄しべは4本つく[2]。果実は長球形で長さ2ミリメートル (mm) 、幅1.5 mmほどで、黒色をしている[2]。果実(種子)は脱落するとすぐ発芽するため、休眠期はないと考えられている[12]。 インド、マレーシアの熱帯アジア原産で、16世紀にヨーロッパへ紹介された[2]。バジルは、アレキサンダー大王によって、インドからヨーロッパに伝えられたとする説がある。イギリスには16世紀に、アメリカには17世紀に渡来している。 インドではホーリーバジルが、クリシュナ神とヴィシュヌ神に捧げる神聖なハーブとされる。ヒンズー教の聖なるハーブであり、アーユルヴェーダ医学では、トゥルシ(Tulasi)と呼ばれ、ジュースに用いられる[13]。
名称
特徴
成長したバジル
バジルの花
バジルの花(拡大)
歴史絵画に描かれたバジル